お盆の声が聞こえ始めると、私のホームグラウンドとしている兵庫県の神戸~明石・淡路島エリアでは、新子と呼ばれるアオリイカの子どもたちの姿が漁港内で見られるようになる。そこで、今回は波止エギングでアオリイカを見つける4つの方法を紹介していきたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部)
秋=超小型狙いではない
一年魚と呼ばれるアオリイカの成長は早く、小さなアオリイカは頻繁にエサを捕食し、一潮毎に成長していく。
今回のターゲットは新子ではなく、一足先に生まれ成長した個体だ。というのもアオリイカは一斉に産卵し孵化するワケではなからだ。
秋=超小型狙いではなく、型の良い良型を狙う事できる。

秋に300~400gを狙う
キャストし、アクションさせたエギにじゃれつく体長10~15cmのかわいい小イカたちの姿が偏光グラス越しに視認できる季節に、300~400gのサイズのイカが釣れるのは事実だ。この時期、エギングをするならターゲットは間違いなく小型のアオリイカではなく、これらの良型と呼べる引きが強いアオリイカだろう。

タックル選びは?
小イカと呼ばれる200g未満の小型のアオリイカなら、メバリング・アジングを代表するライトリグロッドのほうがアタリはとりやすい。しかし、良型アオリイカを狙う場合は、3号以上のエギを多用することが多く、イカのサイズも大きいのでライトリグロッドでは抜き上げにも不安が残る。また、活発にエギを追って攻撃してくることは少なく。イカからのアタリもコツ!やクン!とショートバイトが結構多い。
そこで、私はML(ミディアムライト)アクションのロッドティップが敏感なタイプで、遠投しても確実にフッキングできる、バットパワーのあるロッドを好んで使用している。
偏光レンズは必ず用意
ロッドにリール、エギなどの基本タックルはもちろん、アオリイカを狙う上ですべて必要な戦力ばかりなのだが、これらタックル同様にこの時期無くてはならないアイテムが偏光レンズだ。
少しオーバーに聞こえるかも知れないが、偏光グラスを忘れると戦力は50%ダウンと言ってもいいほど必要不可欠なアイテムなのだ。シモリの有無、潮流の向きにイカの逃げていく方向など、ゲームを展開していく上でマストなアイテムである偏光レンズを常備しておこう。
秋イカ狙いの罠にご注意
見えイカに集中してしまうと、イカが見えないと釣れないと思いがちになり、同時にエギに反応するイカの姿が無ければついつい集中力が欠け、攻め方も曖昧になりがちになってしまう。また、見えイカばかりに気持ちを奪われ、ボトム付近までタイトに狙うことの大切さを忘れてしまうケースに陥る。
これは経験値に関係なく、誰もがこの時期に陥る秋イカの罠と昔から呼んでいる。エギンガーとしては、見えイカの動きも気になるところだが、見えイカを無視できる強いハートが必要となる。
秋イカを見つける4つの方法
秋イカを見つけるため必須な4つのこと。
1.墨跡を探す

アオリイカを釣ると、勢いよく墨を吐く。春時期に釣れる大型のイカは、水面で何回か墨を吐かせると陸に上げてからはそう墨を吐かないが、墨を吐く水管の大きさからか、小型のイカのほうが吐き出す回数が多くなる傾向がある。イカの釣れるポイントを見つけるならこの墨跡を探すのが一番の近道だろう。
2.偏光レンズで水中を観察
個人的にエギングの場合、偏光レンズ越しの水中の風景を特に観察している。ショアから狙う場合、沖から足元付近に近付くとともに浅くカケアガリとなっている。ファーストブレイク、セカンドブレイクと深さが変化する付近のシモリや岩場をまずは見つける努力を怠らないようにする。
3.海流の向きを観察
そんな変化を発見できれば、次は海流の向きを観察する。ここでもやはり変更グラスを持っていれば、水面を流れるゴミなどの浮遊物でも潮流の向きを確認できるだろう。
少し高度な観察となれば、水質の濁り具合を観察すること。
4.潮上へキャスト
潮流を受ける反対側、影となるエリアにアオリイカは隠れることが多い。ついついダイレクトに狙いがちになるが、必ず潮上へとキャストし、潮下へと丁寧にセオリー通りに狙うのが大切となる。小さなことだが、他のイカにプレッシャーを与えず次のヒットや数釣りに繋がる。
シモリや岩場の有無、潮流の向き、それに墨跡があれば、初めてのポイントでもイカは釣れたも同然!釣りたい気持ちをまずは落ち着かせ、周りをよく観察することから始めたい。
釣り場環境も大事に
イカの墨跡を、そのままにするエギンガーが多いみたいだが、「ポイントはココですよ!」と後続者に教えてあげているようなもの。そんな心広い人の優しさも釣り人的に大切にしたいが、近年イカの墨跡が少なからずや原因で釣り禁止となる現状も否めない。いつまでもエギングが楽しめるように!墨跡を海水で洗い流す余裕が必要だ。墨跡問題だけでなく、禁漁期間が設定されたエリアもあるので、事前によく調べ、マナーを守って釣り場を守りたい。
<辻原伸弥/TSURINEWS・WEBライター>