8月初旬、福井県三国港から30分ほど南下した鷹巣沖へイカメタル釣行に行ってきた。昨年からイカメタルを始めて、なかなか船に乗れず年1回しか釣行に行けない筆者だが、当日は型も良型が釣れたり、アタリもバンバン出して終始楽しい思いをしてきた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・笠野 忠義)
神海丸でイカメタル
当日は福井県三国港「神海丸」に乗船した。筆者は石川県在住だが、ブームで石川の船は週末は満員、平日も空きがぽつぽつある程度。福井県もほほ予約は満員で、敦賀まで行くと平日でも満員で船に乗れない様子らしい。
今回は釣友からのお誘いがあり、同行することとなり、はるばる石川県から福井県まで足を運んだ。
18時30分出船。向かうは港から30分ほど南下した鷹巣沖。 地元の釣友や釣具店で情報を聞くと、型は40cm程度の良型が混じるが、日によって釣果に差がるようだ。そして釣れ出すのもだいたい20時頃からとのことだった。船長も北に向かうか迷っていたようだが、北へ向かっていた他の船からの前日の情報から判断して南下することにしたようだ。
当日のタックル&仕掛け

ロッド
ロッドは乗せ調子と掛け調子の2種類がある。最初の1本は乗せ調子をオススメしたい。しっかりスッテの重さを感じながらロッドを止めて、穂先に集中してアタリを取るスタイルに向いている。
柔らかめとはいえ、イカパンチのようなアタリも手に伝わってくる。
一方、掛け調子は乗せ調子より張りがあり、誘いをかけながらアタリを取りに行くスタイルに向いているが、乗せ調子でイカメタルの面白さを知ってから「もう一本」となった時に検討するのがベターかと思う。
リール
ベイトリールはカウンター付きベイトリールがオススメ。カウンターが付いているので、どのタナで当たったかが自分でも把握できるという点がいい。
しかし、慣れない方はバックラッシュしやすいので注意が必要。しかししっかりサミングしていれば問題ない。
スピニングは軽くキャストして誘ってくるにはいいが、ラインのマーカーを見ながら水深を把握しなければならなく、水深の信頼性に欠ける。
ライン
細糸だとバックラッシュしやすいため、慣れるまでは0.8号か0.6号がよいかと思う。スピニングの場合はマーカーが施されているラインが必須。リーダーは2号~3号が一般的。
リグ
オバマリグは市販で売っているものでOK。イカメタルリーダーという名前でも売っている。
エダスの長さが何通りかあるので、そこはお好みで。ドロッパーにつけたエギをきびきびした動きで誘いたいときは短め。ゆっくり目の動きで誘いたいときは長め。エダスが遊動式のものもあると便利だろう。
スッテ
カラーは派手系と地味系を数本用意する。15号を基準に、軽いものは浅いタナ用、重いものは深いタナ用で揃えよう。あた乗船する船のレギュレーションと、使うロッドを基準に合わせて揃えたい。
誘い方のキホン
狙いたいタナまで落として、大きくしゃくる。2段でもよい。そこからフリーで落とすか、テンションをかけながらロッドを下げていく。シャクリはエギングのように激しく誘う必要はない。
ロッドと水面が平行になるくらいのところでステイ。スッテの重みを感じながら待ち、穂先に集中する。これの繰り返し。
その場でシェイクするのも有効。また、軽くキャストしてカーブフォールで誘うのも有効だが、ベイトリールを使う際はバックラッシュに注意する。
代表的なアタリの出方
代表的なあたり3パターン
ステイしている時は以下のパターンが多い。
・穂先が入る。
・穂先が戻る。
・穂先が震える。
テンションフォール時は以下のパターンが多い。
・穂先が戻る。
フリーフォール時は以下のパターンが多い。
・スッテが落ちない。
アタリなのかわからないときは竿先を下げてみる。スッテを抱いている時は穂先が戻る。とにかくアタリかな?と思ったらから合わせて、そこからまた誘えばよい。
まずは鉛スッテ単体から
神海丸(提供:WEBライター・笠野 忠義)

ポイントに到着し、アンカーを下ろしてスタート。水深53m、スッテは15号の船長からのアナウンス。仕掛けのルールは、他の方へのトラブル防止にもつながるのでしっかり守りたい。
まずはドロッパーを使わず、鉛スッテ単体で底付近を探ってみた。スッテのカラーも、イカに遠くからでも発見してもらえるように派手目のカラーを選択。

着底してから1m底を切ったタナからスタート。自分のタイミングで誘いきってアタリがなければ、また1m上げて誘って、アタリがあるまでこれの繰り返し。ライトが点いて光が効くまではボトムがセオリーなので、自分は10mほど探ってアタリがなければ、再度ボトムまで落とし込んで同じ動作を繰り返した。
1尾目はテンションフォール後に
ポイントに到着して30分近くアタリがない状況が続いた。魚探にもベイトの反応がない。
しかし、夕日が沈み、ライトが点灯するかというタイミングの時に筆者にようやくヒット。これが船中でのファーストヒットとなった。2段でしゃくりを入れてそのままテンションフォール。タナまで落としてからのロングステイで竿先がクンと入った。水深49m。中層よりやや下であった。
ライトが効いてきて釣果も上々
ライトが点灯してしばらくしてから同船者にもHIT。ドロッパーで釣れていたので筆者もオバマリグに交換し、ドロッパーにエギをつけて狙った。
ここは好みでよいかと思う。
ヒットレンジはバラバラで30m台のタナで釣れたかと思うと50mのボトムで釣れたり。魚探にもベイトの反応がなく、船長もやきもきしている様子だった。
30m台のタナに狙いを定めて、40mまで落とし込んでから、シャクリ上げからのテンションフォール、シェイキングで誘い、スッテのカラーも派手系から地味系にかえるなどして釣果を伸ばした。
ベイトの反応も濃くなり、上は18m下は40mほどとどのタナにもいる状態に。反応が薄い時でもこのタナでアタリはあったので、上から徐々にレンジを下げたり、下から上げたりして自分が「ここだ!」と思うタナでは長く誘ってみた。
イカは居れどアタリが遠のく
イカがスレてこないようにある程度アタリをもらって、ちょっと当たってくる間が長くなってきたかな?と思ったらカラーチェンジで対応してきた。エギとスッテを派手目にしてみたり、地味にしてみたり。
また、片方を派手目にして、もう片方を地味にしてみたり。基本は赤+白・赤+緑のようだ。昨今はケイムラ仕様があったり、船のライトで反射板のように光るリフレクトカラーなるものがある。これは好みで選んでもらえればと思う。

イカメタルはエギングと違って、さほどカラーバリエーションに悩むことはないだろう。
潮が早い時にはできないことだが、この時は潮がゆっくり動いていて、ずっとスッテの15号を使っていたので、12号にサイズダウンしてみた。これが見事に的中!
交換して1投目からアタリがあり、しばらく入れ乗り状態に。ボトム付近まで落とし込んでも型のいいものがヒット。時にはドロッパーとスッテの両方に掛かり、ロッドもバットまで弧を描き笑顔が止まなかった。
また、私が愛用しているスッテのメーカーでは「大盛」という、布の中の綿が多めに詰まっているものがあり、その分動きがスローになるというものがある。それもローテーションの中にいれて釣果を伸ばしてきた。
潮の状況でサイズダウンできないときがあるかと思うが、同じ号数でも動きが違うものがあるので、ローテーション入りさせる価値は十分にあると思う。タングステンのものを投入するのも有効。
最終釣果

最終的に釣果は34杯。アカイカのほかに大きなスルメイカも混ざってきた。サイズは15cmほどから40cmまで。調子が良い時はもっと釣れるようだが、この日は私が竿頭。
船長曰く、「調子がいい時は光の中にイカの群れが見える」そうだが、残念ながらイカの群れを見ることはなかった。しかし、自分が思うパターンで釣れたり、いろいろなアタリが出たりで楽しい釣行であった。
シーズン終盤で、ぼちぼちアオリイカがメインになってくる時期であるが、初心者の方の今後の参考になればと思う。
<笠野 忠義/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り船について神海丸
出船場所:三国港