エサ釣り全般によく使われるイソメやゴカイといった虫エサ。実はたくさんの種類があり、種類ごとの使い分けが釣果を分けることもよくあります。

今回は投げ釣りを中心によく使われる代表的な虫エサの種類と特徴、付け方を紹介していきます。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部 松村)

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虫エサの種類

虫エサとひと口にいってもその種類は多く、種類によってニオイやエキスで誘うのを得意とする虫エサや、動きでアピールするものなど様々です。

また、同じ虫エサでも太さや長さなどがかなり違うこともあります。まずはよく使われる代表的な虫エサの種類と特徴を紹介していきます。

動きでアピールするアオイソメ

動きでアピールする代表格といえばアオイソメです。動きが派手なので、小魚にも見つかりやすい反面、投げ釣りの本命であるカレイやキスなどにもアピール力は高くなります。

『虫エサ』の種類&代表的な付け方3選 使い分ければ釣果アップ
アオイソメ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部

また夜釣りにも強いエサで、アオイソメに付いた微生物が光ることで魚にアピールすると言われており、実際に夜釣りでは他の虫エサよりも反応がいいことも多いです。

吸い込みのいいイシゴカイ

ジャリメとも呼ばれ、細くてよく動くのが特徴のエサです。細いだけでなく軟らかさもあり食い込みがいいためカレイやキス、ハゼのようなエサを吸い込むような食べ方をする魚なら、うどんやラーメンをすするかのように素早く簡単に食べてくれるのもメリットとなります。

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イシゴカイ(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

ニオイでアピールするマムシ

マムシは地方によってイワイソメ、ホンムシなどとも呼ばれます。特徴としては、太くて動きこそあまりないですが、独特のニオイでアピールするエサで、カレイをはじめ大物が好んで食いにくるエサとして知られています。

高水温期にいるエサ取りであるカワハギやチャリコ、その他のフグ類なども好むため、激しいエサ取りにさらされますが、アオイソメやイシゴカイなどに比べると非常に硬く太い分、ある程度エサ取りに強いエサです。

希少なアカコガネ

正式名はウチワゴカイという名前の虫エサで、カレイ釣りの特エサとして知られています。よく動く上にニオイでもアピールできるエサです。ただ捕れる量が少なく流通量は限定的で、入荷も冬のみと手に入りにくいレアなエサです。

大きくて柔らかいアオコガネ

アオイソメを大きくしたような見た目のエサで、アオイソメ同様によく動いてアピール可能なエサです。また大きい割に身体も柔らかく食い込みのいい餌です。

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マムシ&アオコガネ(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸

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大物に強いユムシ

前述の多毛類の虫エサとは違い独特な形状をしたエサです。このエサの長所はニオイでの集魚力と、エサ取りに非常に強い硬さ。スズキやマダイなどの大物が特に好むエサですが、エサ取りの多い状況でのカレイ釣りにもカットして使われます。

ユムシ(提供:TSURINEWSライター長谷川靖之

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付け方は吸い込みを妨害しないことが重要

「エサを吸い込むように食べる」というのが投げ釣りで虫エサを使うときの重要なキーワードです。つまり、しっかりと確実にエサを食わせようとすれば、吸い込むのを妨害してはいけません。そのため虫エサを付ける時に「ハリの軸に対して真っ直ぐに刺す」ことが重要になります。

具体的にはカレイやキス用のハリは軸が長いタイプが多用されます。これは長いハリを使うことで魚が吸い込みやすくなるためです。この軸にエサを通してハリ先を外へ出すことによって虫エサを真っ直ぐに刺せます。

基本は真っ直ぐに刺す(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

オキアミを刺す時にハリの形状に沿って、全てを隠すように刺す付け方がありますが、ハリの形状に合わせて全体に丸く付けると、吸い込むのを妨害することになるので虫エサには基本使いません。以下で具体的な虫エサのハリへの付け方を解説していきます。

定番は1匹掛け

虫エサを1匹だけ掛ける付け方です。マムシのように長いエサや、小さい魚を狙う場合は、胴体をカットして針先から垂れる部分の通称「タラシ」を調整して付けます。

マムシの1匹掛け(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

タラシの長さは狙う魚にもよりますが、活性が高いときは短く、活性が低いときは長くしましょう。

また、イソメ類の頭の部分(見ていると牙が出てくる)は、硬いのでそのまま使えばハリから外れにくいといったメリットもありますが、付けておくと、硬くて魚の食い込み自体が悪くなってしまうというデメリットにもなります。

魚の大きさや活性の高さによって取るか取らないか決めるといいでしょう。ただマムシを使う場合は他のエサよりも頭が硬いので取るようにします。

付け方は「通し刺し」が基本

付け方は途中までハリで虫エサの体内を通してからハリ先を出す「通し刺し」が基本。この時に注意したいのは、早くハリ先を出してしまうと、長く設定されたハリの軸の上(チモト)までエサが届かない場合がある点です。

それよりも深めに刺して、虫エサが真っ直ぐになるようにハリの軸にズリ上げたら、チモトからハリスにかけてたくし上げても構いません。これなら虫エサからハリスが出ているだけになって、より吸い込みやすくなります。

魚種によっては「ちょん掛け」も

メバルやスズキなど大口でエサを丸呑みしてくれる魚を狙う場合のみ有効なのが「ちょん掛け」です。

アオイソメのちょん掛け(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

エサがより動きやすいのが特徴で、吸い込みやすさを無視してアピール力を重視した付け方となります。キスなどには向かない付け方なので、じっくりと吸い込んでエサを食べる魚種には使わないようにしましょう。

【動画あり】虫エサを釣り針に付ける3つの方法 初心者必見!

ボリューミーな房掛け

アオイソメのように動きでアピールする虫エサに有効なのが房掛け。エサを3、4匹1本のハリに刺して、文字通りフサフサとエサの塊に見せます。

アオイソメの房掛け(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

刺してあるアオイソメがそれぞれ動くので、よりアピールしてくれるのが特徴で、ボリュームもあるため大きな魚の目を引いてくれます。

エサ持ちUPの効果も

房掛けにはエサ持ちがよくなる効果もあります。エサ取りの多い高水温期にも、1本のハリに1匹のエサが付いているのと違って、数多くのエサが付いているので、エサ取りが少々かじりにきても、海中で多少長くエサが持ちます。その間に本命がやってきてエサを食べてくれればOKというわけです。

【動画あり】アオイソメの水中での動き方 ハリへの付け方で変化!

ミックス刺しも有効

動きとニオイの両方でカレイなど大物を狙う方法が、アオイソメ+マムシを代表としたミックス刺し。2つが合体したようなエサになるので「アオマムシ」なんて呼ばれたりもします。

アオイソメ+マムシ(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

ミックス刺しの付け方

アオマムシの使い方は、キスなどの小型ターゲットよりもカレイ、チヌ、マダイなどの大物を狙う時に用いられるので、アオイソメは房掛けが基本です。

付け方はまず、マムシを2cmほどの長さにカットして丸々体内にハリを通してチモトからハリスにかけてたくし上げてしまいます(完全に通してしまう)。その先にアオイソメ3、4匹を房掛けにするとでき上がり。

ミックス刺しの利点

ミックス刺しはアオイソメの動きとマムシのニオイで魚にアピールするのが目的ではありますが、1回に使うマムシの量が少ないため、高価なマムシの消費を抑える役目も果たします。

実際、アオマムシの場合はエサ取りの猛攻に遭っても、軟らかなアオイソメばかりを取られて、マムシは残っていることも多々あります。マムシが残っていればカレイなどの本命も食ってくるので、エサ交換の時もアオイソメを追加するだけで再投入が可能になるというわけです。

虫エサの使い分け方

カレイやアイナメ、スズキといった中~大型魚を狙う場合、2本針の仕掛けであれば1本をアピール重視のエサで房掛け。1本をニオイ重視のエサで1匹掛けといったような使い分けも有効です。

また、マムシなどの高価なエサを使う場合は、潮が止まっている時や日中の時合いが外れた時などには安価なアオイソメを使って海の状況を探り、早朝の時合いなど、ここぞという時にマムシを投入する……といった人も多いと思います。

小型魚を狙う際の使い分け

キスやハゼなど口が細い小型魚を投げ釣りで狙う場合は、より吸い込みやすくする工夫が必要です。手持ちの竿で引き釣りなどをする場合は、吸い込まれやすい細くて軟らかいイシゴカイやアオイソメを、魚のサイズに合わせて長さを調整しながら使います。

良型キス狙いなら小型のイシゴカイは1匹刺しも使う(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村

キスであれば夏の数釣りなら1cmほどにカットして付け、秋のサイズがいいキスなら3、4cmほどにカットする……といった具合です。

もっと大型のキスやハゼを置き竿でじっくり狙う場合は、タラシも長くし少し太めのエサをつけるといったように使い分けしてみましょう。

付け方は自分なりに工夫してみよう

虫エサの付け方はターゲットや季節、そしてエサ取りを含む魚の活性の状況によってもコロコロとかわるので、「コレさえやっておけばOK」というパターンはありません。最終的には自分なりに工夫をして試してみましょう。

ただし、基本ラインであるエサを吸い込むのを妨害しない……という点だけは忘れないようにしましょう。

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