今回は、10月20日(日)に、12名全員ルアーという仕立て船にお誘いしてもらい、土肥港から出船する「とび島丸」で銭洲釣行へ行ってきました。当日は、1時間で船中アカハタ70尾に、ウメイロやアオダイも大漁で大満足な釣りになりました。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・内山 由紀子)
銭洲の概要
銭洲とは、石廊崎の南約75km、神津島の南西36kmに位置し、伊豆諸島中では最西端に位置する無人の岩礁域の総称だ。
神津島から南西方向へ連なる銭洲海嶺の一部が海面に突き出した岩礁で、大陸棚から急激に立ちあがる海底形状が天然漁礁となっている。周辺は豊かな漁場として知られ、「漁にいけば銭になる」ことから、この名がついたとされている。
とび島丸での流れ
今回は土肥港の「とび島丸」さんから出船した。静岡県の土肥港まで車で行き、夜中の1時頃に出船し、ポイントまでは、片道約5時間の予定だ。朝起きると銭洲に到着していて、半日たっぷり釣りを楽しんで、夕方帰港することが可能だ。
遠征船は、キャビンの中にベッドが付いていて、移動中は、船外に出ると危険なため、キャビン内で横になり体を休めて行くことができる。
釣行後にキャビンに入るには、 船についているシャワーを浴びて汚れたものは、用意されているビニールに入れてキャビンの外に置く。汚れたものはキャビンに持ち込まないのがルールだ。おかげでとても清潔で綺麗なキャビンを使うことができる。
とび島丸にて遠征ルアー仕立て船
今回は、12名全員ルアーという仕立て船だ。準備もあるため、0時集合とし、前日午後から静岡へ向かった。集合時間の2時間前には、ほぼ全員が集合。
出船前から、みんなのわくわく感が伝わってきた。銭洲は竿を出せるのが7時からと決まっている。
当日の状況とタックル&ルアー

銭洲に到着すると小雨がパラついていた。うねりもあり、数日前からの濁りも残り霞潮となった。船長からの霞潮対策として、ジグは赤金、オレンジ、ドピンク、ミドキンを使用することに。
60m前後のポイントからスタート。タックルはヒラマサ用ロッドにPE4号、リーダー14号(船で統一)を使用。150gミドキンのタングステンを落とすも潮が速すぎて流されるため、200gアカキンのミドルサイズジグに変更。
速めのワンピッチやロッドを大きく煽ってジグを跳ねさせてみたが、アタリなし。スロージギングの仲間のジグにもアタリはなかった。カンパチの反応はあるものの、ジグを追いかけてこないようで2,3投してポイント移動。
カンパチポイントでスロージギングをやっていた仲間に大きなカンパチが掛かった。ボトムでのヒットなので、ファイトの難易度は高い。2回走られた後、痛恨のラインブレイク。
アカハタ狙いロックゲームへ
カンパチの反応がバラけてしまったため、お土産釣りに変更。まずは水深30~40mでアカハタを狙う。通常、根魚を狙うときは、着底後に底をトントンと探りながら釣る。
もしくはキャストして、着底後ルアーを少し泳がせ、再度着底して…を繰り返す。今回は潮が速いため、150gケイムラアカミドキンのミドルサイズのジグを少しだけキャストして底を探るもアタリがない。
シルエットを小さくするために150gのタングステンに変更。色はピンクゼブラグローにした。フックは2/0を使い、ジグの2/3の長さにすることでアカハタの大きな口で丸呑みされたときにフッキングするようにセッティング。水深に比べて重めのジグを使い素早く底まで落としたあとは、ただ巻きではなく、あえてゆっくり目のワンピッチジャークでジグをアピールするようにした。
タックル変更でアカハタ連発
シルエットを小さくした途端アタリがとても増えたが、乗り切らない。掛けてもすぐバレてしまうため、使用していたハードジギングタックル(PEライン4号、リーダー14号)から柔らかめのシイラキャスティング用タックル(PE3号、リーダー14号)に変更。
それが功を奏したようで、着底後すぐにワンピッチで3巻きするとガツガツガツとしたアタリがある。グイッと竿先を引き込まれたら軽く竿を上げて聞き合わせのようにフッキングすると綺麗に上あごに掛かっていた。

1時間弱でリリースを含めて16匹のアカハタを釣ることができ、ほとんどが30cm以上の良型だった。40gのジグを使ってSLJをやっていた仲間はヒラヒラした薄型のジグに、小型のアカハタが先に反応してしまうのか、リリースサイズの方が多かった。
ジグヘッドにワームを付けて底をトントンと誘った仲間も良型のアカハタをたくさん釣っていて、船でアカハタが70匹も上がった。

ウメイロ&アオダイ狙いのサビキ釣り
十分なお土産を確保できたので、ウメイロやアオダイを狙いに行くことに。とび島丸オリジナルのサビキ仕掛けを船で購入。錘の代わりに150gアカキンのミドルサイズのジグを使用した。
船長に言われたタナまで落とし竿を大きくしゃくっておろしながら巻くと急に重みを感じる。ウメイロはフエダイ科なので、きれいで可愛らしい見た目に似合わずとても引く。

ジギング用タックルを使用していても、繊細なサビキ仕掛けを使っているため、引きも楽しむことができた。
2点掛けをすると面白いくらい竿先がグイッと曲がる。口が柔らかいため、2点掛けをしても取り込んでいる途中でバレてしまうため、みんな取り込みの時は、真剣になり、ダブルで上がったときは満面の笑みでウメイロを掲げていた。
口が柔らかいアオダイは丁寧に
途中でムロアジの群れが入ってきたようで、落としている途中で仕掛けが止まる。ムロアジもサイズが大きいので掛かるとよく引くため、大きなウメイロが掛かったと思い上げてくるとムロアジが2匹だったということもあった。
ムロアジは、カンパチ泳がせの餌のイメージだが、釣れたてのムロアジは新鮮で臭みもないため、仲間が裏本命としてとても食べたがっていた魚の1つだ。
アオダイの引きはウメイロよりさらに強く、下にグイグイと引き込む。さらに口が柔らかいため、タモ入れが必須になる。タモに入れてもらい上がってきたアオダイは、見ていて飽きないくらいとてもきれいな青色をしていた。
正体不明の大物ヒットも多数

ジグにもアタックする魚がいるようで変なアタリがある。フックを付けると何が掛かるかわからないためフックは付けずにいた。
しかしヒメダイ釣りで、かなりの引きを楽しんでいたらフッと軽くなった。回収すると下の針が2つとジグが切られていたので、掛かった魚を何かに横取りされたのかもしれない。フックを付けていた仲間は、仕掛けのスナップが伸ばされていたそうだ。
ラストに再度カンパチ狙い
お土産も十分確保できたので、最後のカンパチ狙いに。水深120m。200gのゼブラグローを使用。底にカンパチの反応はあるが、ジグを追いかけてこないようだ。
各々スロー、速いワンピッチ、ただ巻き、ロングジグ、ショートジグ等々あらゆる手を駆使して誘ったがカンパチの顔を見ることができなかった。カンパチは釣れなかったが、五目釣りは達成。
銭洲の恵みを舌で堪能
私は自分で食べる分以外は、仲間と魚を交換し、お世話になっているお友達がやっている居酒屋さんへ魚を捌いてもらう。後日、改めお店に行き、熟成したアオダイ、ウメイロ、アカハタを出してもらった。

アカハタは、普段よく食べる南房総のものとは少し違い、荒波の中にいるだけあって身がしっかりしていて歯ごたえがあった。ウメイロの炙りは、程よい脂でとてもおいしく、肉厚なので濃いめのタレで煮魚にしても美味しく食べられた。
アオダイは脂がのっているので、お刺身で食べて美味しかった。銭洲の恵みはどれも美味しく、お友達にも喜んでもらえたのがとても嬉しい。船長おすすめのレシピは、アオダイは皮を湯引いて天ぷら、身はお刺身が美味しいとのこと。ウメイロは鰓だけ取り、内臓や鱗はそのままで表面が焦げるまで焼くと蒸し焼きになって美味しいとのことだった。

またムロアジは、新鮮なうちに細かく切りネギと和えたりカルパッチョにして食べることをおすすめと教えてもらった。
<内山 由紀子/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り船についてとび島丸
出船場所:土肥港