今回は、グロテスクな見た目と獰猛な性格から「海のギャング」と呼ばれ、嫌われているが実は美味な「ウツボ」をターゲットに釣行。11月21日、仲間4人と沼津の井田堤防でウツボとネンブツダイも併せて狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・永井 航)
ウツボ釣りの魅力
ウツボといえば、磯やゴロタ、またはそれらに隣接する堤防などでも釣れる。そして井田の堤防もウツボが好むゴロタが隣接している。
正直、ウツボの見た目は良くない、しかも仕掛けに絡み付くなど厄介な相手だが、体長が1mを超えるサイズが釣れる事も珍しくなく「誰でも手軽に狙える大物」と言っても差し支えないだろう。
また獰猛な見た目には反して、その身はあっさりとした淡泊で芳醇な味わいを持つ上品な白身魚としても知られている。
井田堤防ウツボ釣りのタックルとエサ
今回の井田堤防への釣行は、仲間のほとんどが釣り初心者。そのため道具の多くは私が準備したものを使用した。
ウツボはヒットすると、ひたすらに重い。弱いタックルではラインブレイクする事もあるが、堤防からの場合であれば強めのシーバスタックルやショアジギングタックルで対応できるだろう。
ハリスは太いフロロで、針も大きい方が良い。エサはサバの切り身などが無難だろう。当日は、ハリはマルセイゴ20号を、エサはサンマの切り身とイカを使った。
ウツボの釣り方
簡単なようだがウツボ釣りにも幾つかコツがある。
狙いは一点集中
まず1つは、複数竿を出す際にまとめて同じところで出す方が良い。エサの匂いにウツボが寄ってくるため、近いところに仕掛を投入するとウツボが釣れやすい。
アワセ方
外見からは意外だが、アタリが出てすぐに合わせても針掛かりしないことが多い。その場でゆっくりとエサを食べているということも考えられるが、単純に口が硬いためだろう。ある程度食わせてからアワセた方がフッキング率が上がるだろう。

やり取りは強引に
ウツボがヒットしてからは強引なやり取りが重要となる。あまり時間をかけると鋭い歯によってハリスが切られてしまう。ちなみにタモを使うとウツボの粘液で大変な目にあうだけでなく、網に絡み付いてしまい最悪だ。ためらわずに抜きあげよう。大型が来たときは無理に竿で抜き上げずにラインを持って抜くと良いだろう。
早々にトラウツボ
竿を入れるとすぐにウツボからの反応出た。早アワセはせず、しっかりと食い込む頃合いをみてアワせると難なくヒット。素早くウツボを海底から引き剥がし、グイグイと寄せてくる。海面に出たところでサイズをみてすぐに抜き上げ、釣れたのは、85cmを超えるトラウツボだ。

1時間でウツボ全員安打
みんなで並び、竿を出したのが功を奏したのか、ウツボがドンドンアタってくる。ハリスを切られたりもしたが、1時間も経つと5人全員がウツボを釣り上げ全員安打となった。その後もウツボの活性が高いようで、出した竿のどれかはアタっているという状況がしばらく続いた。
ナミウツボとトラウツボが半々程度に釣れ、大きいものは、クーラーに入れて持ち帰る事にした。

続けてネンブツダイを狙う
全員が存分にウツボの引きを楽しんでいた頃、イカエサに小魚のアタリが出ることがあった。カワハギ仕掛けに細かく切ったイカを付けるとネンブツダイがヒット。こちらもライトゲームで良く釣れるゲストだが、いざ狙ってみるとこれが意外に難しい。
アタリが出るのだが、乗せられない。まるでカワハギ釣りのようなゲーム性に、つい熱中してしまった。乗せられない悔しさとヒットしたときの達成感や爽快感には釣り初心者の友人だけでなく、私も初心にかえり、釣りの醍醐味を思い出しながら堪能した。
クロホシイシモチやハタンポなども交じり小1時間程楽しんで納竿とした。最終的にはウツボは全員安打。5人で15匹以上を釣りあげた。他にもアタリは多数あった。小物釣りは、ネンブツダイとクロホシイシモチでこちらも15匹程度。

ウツボは美味しい!

ヌメリと捌くのが厄介なウツボだが、その身は上品な白身で実はとても美味しい魚だ。また骨の少ない腹身の刺身や昆布締めはヒラメのような味わいでオススメだ。骨が気になってしまうが、ウツボの唐揚げや天ぷらは絶品だ。魚の揚げ物では1番美味しいと思っている。是非ウツボを釣ったら食べてみて欲しい。
ネンブツダイやハタンポも揚げ物にするとなかなかなのでこちらもオススメだ。頭を落とし、簡単な下処理をして揚げるだけで立派なおつまみや晩御飯になるだろう。
普段は嫌われている魚も、狙ってみると意外な魅力があることに気が付けた有意義な釣行になった。

<永井 航/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り場について井田港
場所:沼津市井田