本来ならメバルシーズンとなる12月以降も、まだまだタチウオ狙いで出船する船が多い大阪湾、瀬戸内の乗合船。本格シーズンに向けて、船からのサビキ釣りでメバルを確実に釣るための3つの鉄則を紹介。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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メバル釣りのシーズン

大阪湾では、古くから12月に入るとメバルのシーズンと言われ、乗合船がこぞってメバル釣りに出かけていたが、このところのタチウオシーズンの長期化により、シーズンになるとメバル狙いで出船する船、タチウオが終わるまでメバル狙いに行かない船、潮で分けて両者を狙い分ける船など分かれてきている。

メバル釣りに出かけようと思ったら、まずはその船の出船状況を把握しておく事。基本的に冬のタチウオはやや潮の落ち着く小さな潮回りが釣果も良いので、小さな潮回りを中心にタチウオ、それ以外をメバル狙いとしている船も多い。

サビキ仕掛けと胴突き仕掛け

メバルは初冬から厳寒期にかけてが産仔期に当たる。エリアによってメインとなる産仔期がズレる傾向にある。これは同じ出船エリアでも水深によりかなり時期がズレる事が多く、ピタリと産仔期に当たる時期は食いも悪くなるので、狙う水深を分けていく事も重要だが、その辺りは船長にお任せだ。

釣法としては古くから胴突き仕掛けでのエサ釣りとサビキ釣りに分かれる。以前は、シーズン当初はシラサエビなどのエサ釣り、海域にイカナゴやシラスが出てくれば、それに似せたサビキで・・・と言う分け方をしていたが、最近ではサビキがメインとなっている。メリットはこの厳寒期にエサ付けの作業をしなくて良い事だろう。

【関西エリア2020】シーズン間近の『船メバル』 サビキ釣り3つの鉄則
サビキ(左)とエサ用の仕掛け(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

メバルは根魚?

さて、メバル釣りで一番頭に置いておきたい事が「メバルは根魚であって根魚ではない」と言う事。基本的にガシラやアイナメと言った根魚は岩礁や障害物に依存している。ガシラなどは特に顕著で、通常は身体を岩礁や障害物などの物陰に潜み、生活している。

エサを見ると浮き上がって食ってくる事もあるが、基本的には底のエサを食うので、必然的に釣ろうと思えばエサを底に持っていかなければならないのだがメバルに関してはちょっと違う。

メバルは通常、岩礁帯の中層(底より少し上)で浮遊しながら潮上から流れてくるエサを待っている。そのため、群れで潮上を向いて浮いている水中写真がよくある。

この行動のメリットはエサが流れてくれば、素早く見つけて捕食できる。逆にフィッシュイーターなどの敵がくれば、岩礁や障害物に逃げ込みやすい状況を作っている。なので、どちらかと言えば逃げるのに抵抗が小さい潮下の障害物に逃げ込む事が多い。

釣りの観点からしても、潮上から船で仕掛けを潮下へ流していく釣りは理屈にかなっているのだ。で、重要なのはメバルは浮いていると言う事。

通常、メバル釣りではメバルが潜んで居る(群れで浮いている)であろう魚礁や岩礁の潮上から船を流して、群れの中に仕掛けを通す。ただ、魚礁などは高さもバラバラで、たとえば、一気に5mもの起伏があったりする。ていねいな船長なら「水深〇m、魚礁の高さ〇m」とアナウンスしてくれる。

1、仕掛けは浮かせて待つ

この中で魚礁の高さが問題。底を取って少し浮かせた状態で潮に合わせて船を流すので、魚礁に仕掛けがぶつかるように流れるのだが、魚礁の形によってはいきなりオモリが根にかんだり、ハリが根に掛かったりする。気付いた時にはすでに遅い・・・と言った状況が多くなる。

魚礁の高さを考慮

そこで、メバルが浮いている事を想定して、始めから魚礁の高さ分はオモリを浮かせて待つ。理想は魚礁の頂点でオモリがかするか、かすらないか・・・くらい。で、気を付けたいのはアタリがなければ、不安になって仕掛けを下げてしまわない事。

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ジッと我慢のメバル釣り(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

決めたタナでジッと我慢する事が最終的にメバルのアタリに繋がる。ちなみに、ガシラが釣れたら仕掛けが底に行き過ぎているので、注意。

2、エサ先行で自然に流そう

前述のようにメバルは潮上から流れてくるエサを中層でサスペンドしながら待っている。なので、メバルの目前で異常な動きをするものはエサとして認識せず、敵として認識する事もあり、そうなると違和感、異常を感じて警戒心を高め、エサを食わないどころか、岩礁帯に逃げ込む事だってある。

エサ先行で自然に

いかに自然にエサ、サビキの疑似餌をメバルの目の前に流すか…と考えたい。
仕掛けを流す時、オモリがある分、胴突きのエダバリが潮下へと先行する。これが正解で、メバルからすると幹糸やハリスより、エサが先に見えてくるから食わせやすい。これが、途中で不用意にタナをかえたりしていると、まっすぐ流れてくるはずのエサが上や下に動いたり、そのためにハリスが丸見えになったりと良い事がないのだ。

船の揺れさえも注意

タナを決めたらジッとそこで我慢。これが理想型。さらに細かく言うと、船の揺れでも仕掛けが多少は動くのだが、できるだけ動かしたくないので、結果として磯竿や長い胴調子の竿を使うなどして船の揺れさえも吸収したい。

【関西エリア2020】シーズン間近の『船メバル』 サビキ釣り3つの鉄則
長竿で揺れを吸収する(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

3、強引なアワセは禁物

釣りにおいてアタリがあればどうするか。もちろん、アワせてハリを魚の口にがっちりと掛けてバラさないようにする。至極当然の事なのだが、メバル釣りに関しては少し違う。メバル釣りではエサ釣り、サビキともに現在ではハリス0.6号や0.8号といったごく細いハリスを使用する。そのため、強引なやり取りは禁物である。

基本的な流れ

アタリを待つ状況からの基本的な流れは、よく集中しているとごくごく小さな前アタリを感じ取れる。その後、本アタリとなりグググッと竿先が入り込む。この時もアワせずに竿で溜めるだけにしておく。メバルは最初に引けばすぐに大人しくなるので、そのまま待つか、ほんの少しずつ竿でタナを上げる。途中からはゆっくりとリールで巻き取って浮かせる。と、非常におとなしい、静かな釣りである。

【関西エリア2020】シーズン間近の『船メバル』 サビキ釣り3つの鉄則
巻き上げもゆっくり(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ここで、注意したいのが本アタリで、メバルが大きくなればかなり強烈な引きが襲ってくるので、つい竿を立ててやり取りをしたくなる。ただ、ここで竿を立ててやり取りをするとメバルが大暴れをして細ハリスが切られてしまう事態にも繋がる。

バラしにくいやり取り

長い胴調子の竿の曲げ込みを利用して、メバルを怒らせず、ゆったりとやり取りをするのがもっともバラシにくい釣り方と言える。

慣れてくるとアタリの状況で、激しければ上の方のハリ、おとなしければ下の方のハリに掛かったと判断して、上のハリに掛かったと判断できれば、仕掛けを少し上げる事で、新しいハリが食い気のあるメバルの群れの中に入るようにして追い食いをさせる事もできる。

ただ、30cm近い大型のメバルになると、最初の引きはかなり強引だ。待っていると、そのまま魚礁などに持ち込まれて、根に潜られる事もあるから、大物と判断したら、その1尾をしっかりと釣るために竿をゆっくり立てて、竿の弾力を生かした釣りに切りかえたい。

最後に根掛かりをした時に、竿でシャクるとPEラインが水を切る音が水中に響いて、メバルが逃げる・・・と注意をする船長もいるので、根掛かりしたらそっと引っ張ってみて、外れなければ道糸を手で持ってゆっくりと引っ張って切るのが良い。

今季はすでに出船を始めている船宿に聞いたところ、シーズン序盤ながらまずまずの釣果が出ていて、数はそこまで伸びないものの、すでに30cm超や27、28cmもかなり出ているとの事で、これからの本番に期待したい。

【関西エリア2020】シーズン間近の『船メバル』 サビキ釣り3つの鉄則
船からの良型狙いに行こう(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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