年末年始が仕事だった私は、1月末に代休を取った。 代休の口実は「家族サービス」だったが、もちろん釣りが目的だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 APC・橋元力)
春告魚「メバル」を求めて遠征
春告魚は、各地でいろいろとあると思う。全国的にはメバルだと思うが、私の住んでいる鹿児島市の眼下に広がる錦江湾(鹿児島湾)では、メバルは生息していないといわれている。
しかし、年に1~2回「メバルが釣れた」という情報が届くが、すべてが錦江湾内に2か所ある海釣り公園のアラカブ(カサゴ)の放流の際に、放流されたアラカブの稚魚に交じっていたメバルの稚魚が成長し、ハリ掛かりした釣果だと判断できる。
鹿児島市内のアングラーがメバルと出会うには、鹿児島県と熊本県との県境に位置する、阿久根市や出水市まで遠征することになる。
宮之浦港でメバリング
1月29日の午後から車を走らせ、国道3号線を北上した。途中の阿久根市にある大型ホームセンターで夜食や飲み物を購入し、夕日が西に大きく傾いたころ、黒之瀬戸大橋を渡り、今回の釣行地の長島・宮之浦港を目指した。
現地に午後5時に到着し、ポイントを見て歩いた。地元の釣り人にあいさつをして、最近の釣果を聞くと「アジがぽつぽつ、メバルが交じる」との返事が返ってきた。「鹿児島市から、メバル釣りに来たんですよ」と話すと、驚いた顔が印象的だった。その釣り人に会釈をして、宮之浦港のメバリングポイントである手前の堤防へと移動した。

日が落ちるとメバルのライズ
堤防全体がメバルのポイントだと思うが、過去の実績から、中央付近にある、堤防が少し狭くなっている内側から攻めることにした。港全体を夕闇のとばりが覆い始めたころから、鏡のようだった海面にメバルのライズが波紋を作り始めた。
そのライズ付近に、ジグヘッドにワームをセットして投げた。着水と同時に表層をトレースしたが、ツンツンと細かいアタリはあるが、なかなかフッキングしない。
スローリトリーブで本命メバル
1.5gの軽量ジグヘッドにセットしたワームをボトムまでフォーリングさせて、着底を確認。ラインスラッグを取り、3秒でハンドル1回転の超スローリトリーブでゆっくりと足元までリーリングする。その結果、水深1mぐらいのレンジで、待望の1尾がヒットした。サイズは13cmと小ぶりだったが、最初の1尾はうれしいもので、元気なうちに写真を撮り、すぐにリリースした。

カラーローテーションでヒット継続
これで今回のヒットパターンが分かり、そのまま連続ヒットモードに突入。ヒットが遠のいたら、ワームのカラーをホワイト、クリアー、イエロー、ピンクの、すべてグローカラーにローテーションして、すぐに2ケタの釣果となった。
久しぶりのメバルの釣果に満足し、少し仮眠を取り、夜明けを待ってから鹿児島市へと帰途に就いた。
堤防メバリングのちょいテク
ここで堤防でのメバル釣りの注意点を紹介すると、自分の影を水面に落とさないようにして、岸壁から2~3歩下がって立ち位置を調整することがキモだ。特に常夜灯などがある堤防では、細心の注意が必要だ。
キャストで広範囲を攻めて、アタリが遠のいたらへチ(キワ)をテクトロで探ると、再びヒットが続くことも多い。岸壁から少し離れて、ロッドティップ(サオ先)だけを前に出して、ゆっくり歩きながら誘うと、警戒心の強い魚も口を使ってくれる。
このテクニックは、堤防のへチにいるナーバスな大型のメバルにも効果があり、また、低活性時の釣りにも効果があるので、頭の中にインプットしておくとボウズ逃れになる。
最後になるが、堤防での釣りでもライフジャケットや磯靴などの装備も怠りなく、夜間の釣りとなるので、ヘッドライトなども忘れないでほしい。
<週刊つりニュース西部版 APC・橋元力/TSURINEWS編>
▼この釣り場について長島・宮之浦港
問い合わせ:釣具スーパーアオキ=0996-75-2760
この記事は『週刊つりニュース西部版』2020年2月21日号に掲載された記事を再編集したものになります。