ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。
本作のダブル主演を務め、結婚3年目の夫婦役を演じる蓮佛と溝端が取材に応じ、グアムロケの感想や多様化する現代の結婚観について思いを語ってくれた。
-蓮佛さんは結婚して子どもを持つことに憧れがある泉美優役を、溝端さんは仕事を優先してばかりの泉陽介役を演じますが、それぞれのキャラクターについて教えてください。
蓮佛 美優は本来は天真らんまんな人間なのですが、物語の始まりの時点では陽介との関係性の悩みや夫婦間のもつれによって、その天真らんまんさが影を潜めてしまっています。このドラマは自己対話をして、かつパートナーとも対話していく姿が描かれますが、陽介との2人の対話はいつも美優から発信しているので思慮深い人だなと思いますし、陽介との関係性をどうにかしようと頑張る健気で一生懸命な人だなと思います。
溝端 陽介は自分の世界観を強く持っていて、プライドや正義感もある人物なので、周りの人からは感情が読めないと思われているキャラクターです。美優以上に自分の中で考えて、自己対話をして消化してしまっているので、優しいところはあるのですが、それが美優に伝わらず、すれ違ってしまうのかなと思います。
-一部の回想シーンを除いた全てのシーンをグアム島で撮影しているそうですが、撮影の感想はいかがですか。
蓮佛 グアムはロケーションが美しくて壮大なので、自分の心も解放されている感覚があります。朝起きてカーテンを開けると目の前に海があって、人の笑い声やニワトリの鳴き声を聞きながら毎日撮影させてもらっているので、心が健全になっていますし、劇中では旅行している夫婦の役で観光地を回れるので、すごく役得な気持ちで楽しく過ごさせてもらっています。
溝端 グアムでの撮影は全てが異世界で、こんな環境下で撮影できることはなかなかないですし、グアムという場所からもらえるエネルギーや感じるものを、そのままお芝居に生かせていると思います。スタッフさんとの距離も近くなれるので、すごくいいチーム感で毎日撮影できているなと感じています。
-撮影中に印象的な出来事はありましたか。
蓮佛 劇中でシュノーケリングをやるシーンがあるのですが、溝端さんがシュノーケリングがすごく上手でした。私はフィンの使い方が分からなくてうまくできなかったので、溝端さんに引っ張ってもらったり、すごく助けてもらいました。
溝端 僕も同じことを言おうと思っていました(笑)。蓮佛さんは何でもできて隙がない印象があったのですが、潜ったときにたくさんの魚を見て「キャー怖い!」と言っていたところが意外なギャップでかわいらしかったです。劇中では夫婦で悶々(もんもん)としているシーンが多いので、シュノーケリングのシーンは楽しかったなと思います。
-お互いの印象を教えてください。
蓮佛 溝端さんとは10代の頃に映画『DIVE!!』で共演したときに初めてお会いして、そこから何度か共演させていただいていますが、すごく素直で一生懸命なところは出会った当時から変わらないと思います。人との距離の詰め方が上手で、気付いたら皆と話しているコミュニケーション能力の高さもあって、現場のたたずまいがすごいなと思いました。
溝端 蓮佛さんは尊敬してやまない俳優さんの1人で、信頼できる方です。『DIVE!!』のときは僕が17歳、蓮佛さんが16歳で、年齢は1個下ですが、お芝居の経験は蓮佛さんの方があって、その頃から魅力的な俳優さんだなという印象がありました。繊細で柔らかい部分もありながら芯がある俳優さんなので、今回もお相手が蓮佛さんだからこそ、陽介としていろんなことを感じられそうだなと撮影が楽しみでした。
-恋愛や結婚観が多様化している時代ですが、このドラマを通じて、お2人が“結婚”や“2人でいることの意味”について感じた気付きや、視聴者に伝わったらいいなと思うことはありますか。
蓮佛 劇中では3組のカップルがグアムに旅行に来て、それぞれ2人しかいない、お互いのことを理解して向き合わざるを得ない状況の中で、最終的に1組が別れを選び、2組が別れを選ばない選択をします。私はそこに至るまでのやり取りを見ていて、恋人や結婚相手などのパートナーは1番近い他人だと改めて思いました。だからこそ対話することが大切ですし、対話してやり取りの中で生まれた気持ちや感情の動きのようなものがお互いに心地が良ければ、それが一緒にいる意味になるのかなと思います。私も大切な人と分かり合うために深く対話をすることが好きなので、対話ができることの豊かさを感じましたし、そういうことができる人と一緒にいたいなと個人的に思いました。
溝端 美優は陽介のことが好きで、この関係を壊したくないからこそ日本にいるときは我慢していたところがあって。陽介も最初は美優のことが好きだから自分の意見を言わずに美優を尊重してきたのですが、今ではそれが義務化してしまっているところがあって…。恋愛の中で何かが義務化してしまっていることは、それ自体が悪いことではないのかもしれませんが、その愛の形や恋愛観の根本的なものを見直すのは、いいことなのかなと思いました。僕たちが演じた夫婦は何万といる夫婦の中の1組の例なので、この作品で描かれていることが答えというよりは、ドラマを見たカップルや夫婦の方が見つめ直すきっかけになってくれたらうれしいです。
ドラマは、7月1日深夜24時30分からテレ東系で放送スタート(毎週火曜深夜24時30分放送)。
(取材・文/小宮山あきの)