島崎遥香が主演し、共演にISSEIを迎えて贈るドラマ「もしも世界に『レンアイ』がなかったら」が7月31日からCBCテレビほかで放送スタートする。本作は、 “恋愛することが普通じゃない”という独自の世界観で描かれる物語が共感を呼んだコミックをドラマ化。

恋愛がない世界で特定の人を好きになる「レンアイ」を自覚し、葛藤する主人公・乙葉を島崎、同じく「レンアイ」でありながら、恋愛感情を隠しながら生きるハレをISSEIが演じる。島崎とISSEIに本作の撮影時のエピソードなどを聞いた。

-本作の出演が決まり、台本を読んだときの感想を教えてください。

島崎 設定はファンタジーではありますが、そこに描かれている感情や人間関係、セクシュアリティーに対しての向き合い方は、現代社会とリンクする部分があるなと思いました。グッとくるシーンも多く、特に、乙葉が最初に自分のセクシャリティーを打ち明ける場面は苦しくて、心が動かされました。

ISSEI 最初は普通のラブストーリーかなと思って台本を読んだのですが、リアルな恋愛とは真逆な、現実ではあり得ない世界観の物語だったので、驚いたのと同時にすごく面白いと思いました。改めて「好きな人といたい」という気持ちを素直に持てるこの世界っていいなと思いました。

-それぞれが演じる役柄についてはどのように感じましたか。

ISSEI ハレくんは「レンアイ」ではありますが、普段は擬態しているという役です。登場人物の中で1番、物語を通して感情が大きく変わる役だなと思いました。

島崎 乙葉と自分は似ていると思いました。世間に対して嫌だなと思うところも似ていますし、急に引っ越しをしたり、転職をしたり、突拍子もない行動をするところも重なっているように思います。

私も後先はあまり考えないタイプなんです(笑)。

-ISSEIさんはハレと似ている部分はありましたか。

ISSEI ハレくんは自分の恋愛の価値観や好きという気持ち、自分の思いを曲げないところがありますが、僕も自分で決断したことは貫くタイプなので、そこは近いのかなと思います。ただ、僕は擬態をしたり、自分を隠したりすることが得意ではないので、そこは全く違うと思います。

-今回、お二人は初共演になりますが、お互いの第一印象は?

島崎 初めて撮影でご一緒したのは、乙葉がセクシュアリティーを打ち明けるというシーンだったのですが、そのときはあいさつくらいしか会話がなくて(笑)。なので、特に印象深いことがあったわけではないですが、徐々に話していくうちに、明るい人だなと思いました。たくさん話してくださって、まっすぐな方なのだと思います。

ISSEI 最初は重要なシーンの撮影だったので、あまり話しかけられなかったんです。でも、その後にお話をしていくうちに優しい方だなと思いました。

-共演者の皆さんとの撮影中のエピソードを教えてください。

島崎 乙葉が通うCoi-Caféの紘香役の福田(沙紀)さんは韓国語が得意なので、キャストたちの間で韓国語ブームがありました。私もなんとなく韓国語が分かるので、みんなで韓国語を話してふざけ合っていたのが楽しかったです。

ISSEI 僕はケータリングでカレーが出たときのことが印象に残っています。(ナギ役の)渋谷(謙人)さんと一緒にカレーを食べたのですが、僕はそのとき歯を白く保ちたいなと思っていて、カレーを食べるのはまずいなと感じて。メークさんにサランラップをもらって、それを無理やり上下の歯に挟んで食べていたら渋谷さんにめちゃくちゃ笑われたことがありました。3回くらい挑戦したのですが、結局うまくできなくて、諦めて食べました(笑)。

-島崎さんは乙葉が恋愛感情を抱く太一役の中山優馬さんとのシーンも多かったと思いますが、一緒にお芝居をした印象は?

島崎 10年くらい前に共演しているのですが、変わらない人だなと思いました。現場ではお話もたくさんさせていただきました。

-お二人が特に印象に残っているシーンは?

ISSEI ドラマの後半で出演する(ハレの同僚で花田優里音が演じる)純とのシーンです。二人のセクシャリティーは違うものの、一人で擬態して生きてきたハレくんが「一緒にいるのっていいな」と思うようになるシーンです。その後のせりふがグッと刺さって印象深かったです。

島崎 自分のシーンではないですが、私もハレと純のシーンがすごく好きです。20代前半というハレくんと純の年齢だからこそ生まれるピュアさがあって、否定がないシーンにグッときます。

ISSEI もしかして、同じシーンですか?

島崎 (台本を確認して)あ! 同じですね!

ISSEI  このシーン、いいですよね。

-お二人ともにそのシーンが印象的だったのですね。では、本作のタイトルにちなんで、この世界になければいいなと思うものを教えてください。

島崎 携帯かな。最近、デジタルデバイスを使わずに恋愛をするという「オフライン ラブ」という恋愛リアリティーショーを見たのですが、(番組内では)待ち合わせをするにしてもポストに手紙を投函してやりとりをするんですよ。今は何でも携帯でできてしまいますが、そういうやりとりっていいなと思いました。そういう意味で、携帯がなくなったらいいなと。あとは、虫です。虫は全般苦手なので(苦笑)。

ISSEI 僕は、ドライブが好きなのですが、ドライブ中は周りに車がいなければいいなと思います。そうしたら目的地に早く着くし、時間も読めますから。渋滞をしているときは、まさにそう思っています。

-最後に読者へのメッセージをお願いします。

島崎 自分にとって普通であるものが周りからしたら普通ではない。日々の生活の中で、そうしたことに対しての理不尽さや偏見、違和感を持っている方々にこの作品が届けばいいなと思っています。この作品ではそうしたことが「レンアイ」として描かれていますが、きっと恋愛に限らないことだと思うので、共感していただける人がたくさんいるのではないかと思います。

ISSEI 僕も同じです。「レンアイ」のハレくんは擬態をしていますが、実際の世の中でも自分を隠して生きている人はたくさんいると思うし、思っていることを言えないでいる人もいると思うので、同じ目線で見ていただけたら、きっと共感できるところも多いのではないかなと思います。幅広い年齢層の方に楽しんでいただけるドラマだと思いますが、自分と同世代の人にも見てほしいなと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ドラマ「もしも世界に『レンアイ』がなかったら」は、7月31日からCBCテレビほかで毎週木曜深夜0時58分に放送。

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