【写真】KANA-BOON、「JAPAN ONLINE FESTIVAL」のステージ写真はコチラ
ロッキング・オンが主催するオンラインフェス「JAPAN ONLINE FESTIVAL」。今年2回目となる同フェスティバルが、11月20日・21日・23日に開催された。


「君のヒーローが帰ってきたぜ」の言葉を合図に、KANA-BOONのライブがスタート。冒頭を飾ったのが『ないものねだり』。彼らの演奏に刺激を受け、騒ぎたい気持ちがゆらゆらゆらゆらと揺れだした。演奏が進むごと、ゆらゆら揺れていた身体がグラグラと大きく揺れだす。ライブは始まったばかり。でも、きっと会場にいたら、身体を力強く揺さぶり飛び跳ねていたんだろうな。そんな気持ちを覚えながら、画面越しにライブの熱を感じていた。彼らは願っていた、今の環境が終息し、ふたたび一緒にゆらゆら揺れあえる環境が戻ってくることを。
「届いてるか、聞こえてるか」。谷口鮪の声を合図に、スリリングなギターの音が響き出した。心地好い古賀隼斗のギターの音色が重なるように鳴り出すのに合わせ、飛び出したのが『シルエット』だ。
掻き鳴らす古賀隼斗のギターの音を合図に、バーニングするように飛びだしたのが『Touch of Liberty』。彼ら自身が光や炎となり、沸き立つ思いをエモーショナルにぶつけだす。とても爆発力を持った楽曲だ。それを破裂させるのではなく、巧みにジワジワと熱を膨らませ、少しずつ解き放ってゆく。でも、放つ熱が熱すぎるからこそ、その熱さに触発され気持ちが嬉しく騒いでいた。
MCでは、「配信ライブって、ちゃんと真面目に観るよね」「俺は作業しながら観るときもある」など、配信ライブについての思いを語る場面も見せていた。


「心を動かす、みんなの身体を動かすのが僕らの目的です」と語る谷口鮪。その言葉を受け、小泉貴裕のドラムがロールしてゆく。止まることなく鳴り響くドラムビートに合わせ、手拍子を求めるメンバーたち。軽快に弾みだした演奏が『ネリネ』に変わると同時に、身体がウキウキと弾みだした。跳ねたリズムに乗せ軽快に歌い演奏するメンバーたち。KANA-BOONが作りだす、晴れた世界へ連れ出す心地好い音楽に合わせスキップしていたい気分だ。この場にじっと座っているのがもどかしい。彼らの描き出す跳ねた演奏へ身を預け、一緒にいろんな景色に触れながら旅をしたい。そんな風に気持ちを外へ連れ出す楽曲に刺激を受け、心が騒いでいた。
シャキシャキッとした軽快なリズムが気持ちいい。『アスター』が、外へ飛び出したい気持ちを散歩へと連れ出せば、歌を通していろんな景色を見せてきた。そんな気持ちに『アスター』が、KANA-BOONの演奏が染めてくれた。
「久し振りにやる曲を」と呟いた谷口鮪の言葉を合図に演奏したのが、『かけぬけて』。胸をスカッとした気持ちへ導く楽曲だ。爽快というよりは何処か影を背負っている。だからこそ、闇や影を吹き飛ばすように駆けだそうとしてゆく思いへ触発され、気持ちがジワジワと上がりだす。上がる気持ちへ誘われるままに駆け続けたくなる。『かけぬけて』を心のテーマ曲にしながら、気持ちが導くまま明日へ向かって笑顔ではしゃいでいたい。そんな気分でいれることが、最高だ。
流れだしたのが、『ダイバー』。
「フェスを止めない選択をしてくれたことは、ロックファンにとっても一つの希望になったんじゃないかな」「あなたに会いたくて仕方なくて、あなたの前でもっとぶつかりたい」「一緒に生のライブを楽しみましょう」「昨日まであったものが簡単に無くなってしまう世界になってから、俺たちの役居場所は何処だろうとずっと考えてました」など、沸きだす思いをぶつけてゆく谷口鮪。
披露したのが新曲の『Re:Pray』だ。いろいろと心悩み、惑わす時代の中で過ごしながら、その時代の中で思いを放つことへ、彼らは自分たちの生きる道標を見いだしている。だからこそKANA-BOONは、今の時代の中、「きみ」へ伝え、届けたい思いを、新しい希望へと繋がる心模様を、歌に乗せ祈るように届けていた。終えるのは今じゃない、またここから始めればいい。そんな彼らの思いが、抜けない棘として心に刺さっていた。
光をまといながら軽快に楽曲が駆けだした。


「みんなにエネルギーが届いてたらいいなと思います」「音楽が俺たちには絶対必要不可欠。みんなもそうであったら嬉しい。今度会ったら一緒にもっと熱いエネルギーで一緒にライブを作りましょう」と叫ぶ谷口鮪。
「残ったエネルギーを全部あなたに届けたいと思います」。最後にKANA-BOONは『まっさら』を届けてきた。力強く高らかに歌う谷口鮪の声に気持ちが熱く掻き立てられる。沸き立つ思いが楽曲とシンクロし、さらに気持ちを騒がせる。
「生きてまた会いましょう。俺たちはずっとここにいるよ。ライブハウスで会おうぜ」と最後に語った谷口鮪の言葉、それを、次は目の前で受け止めようか。
(文:長澤智典)