【スプリンターズSまで見越した注目の血統は?】

 9月7日(日)、阪神競馬場で3歳以上馬によるGⅡセントウルS(芝1200m)が行なわれる。

 このレースは、9月28日に行なわれるGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)の最重要ステップレース。過去10年で2015年ストレイトガール、2018年ファインニードル、2019年タワーオブロンドン、2021年ピクシーナイトの4頭が、セントウルSを経てスプリンターズSを勝利している。

ほかにも2着馬が4頭、3着馬が1頭と合計9頭が馬券に絡んでおり、スプリンターズSを占う上で重要なレースだ。

 それでは、血統的視点からこのレースを占ってみよう。「セントウルSに合う血統」という視点から見ていくが、その条件にピッタリの馬がカルチャーデイ(牝4歳、栗東・四位洋文厩舎)だ。

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 同馬の父は前述のファインニードル。4、5歳時にセントウルSを連覇し、2018年のスプリンターズSを勝利しているなど非常に縁が深い。さらに母の父マイネルラヴも、1998年とかなり前になるが、セントウルSとスプリンターズSを勝った一流のスプリンターだ。ちなみにマイネルラヴは「母の父」としても、2018年に両レースで2着になったラブカンプー(父ショウナンカンプ)を輩出している。

 カルチャーデイは父の産駒の最初の重賞勝ち馬で、2歳時に15番人気でGⅢファンタジーS(京都・芝1400m)を勝利。3歳時は不振が続いたが、今年に入ってからは今回と同じ阪神・芝1200mで行なわれた米子城Sを勝利。重馬場だった同レースは大外枠から楽にハナを奪い、2着に2馬身半差をつける完勝だった。

 その後の2戦は、GⅢ函館スプリントS(函館・芝1200m)は0秒4差の6着で、GⅢCBC賞(中京・芝1200m)は0秒3差の5着。勝ち負けまでには至っていないものの、まずまずの走りを見せている。

函館も中京も初めてだったため、勝利の経験があるコースになるのはプラス材料だろう。筆者は前走のCBC賞でも推奨したが、今度こそ馬券圏内に入る走りが見たいところだ。

【もう1頭は充実期を迎えそうな6歳馬】

 もう1頭はトウシンマカオ(牡6歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)を推す。同馬の父ビッグアーサーは2016年のこのレースの勝ち馬。同年にGⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)も勝っている一流のスプリンターだ。

 トウシンマカオ自身、昨年のこのレースの勝ち馬であり、スプリンターズSでも勝ち馬とタイム差なしの2着に入っている現役屈指のスプリンター。今年はGⅡ京王杯スプリングC(東京・芝1400m)で重賞5勝目を挙げ、6歳にして充実期を迎えている印象だ。

 ちなみに、昨年のセントウルSは中京で行なわれたが、トウシンマカオは「阪神・芝1200m」も2022年のオパールS、GⅢ京阪杯で2戦2勝と得意にしている。現役馬で芝1200~1400mの重賞を5勝しているのは、ナムラクレアに並んで最多タイ。悲願のGⅠ制覇に向け、秋初戦でいい走りを見せられるか。

 以上、今年のセントウルSは、ファインニードル産駒カルチャーデイ、ビッグアーサー産駒トウシンマカオの2頭に父仔制覇を期待する。

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