スワローズの選手たちに聞いた、それぞれの改革~野手編(前編)
池山隆寛新監督を迎え、心機一転、新たなスタートを切ったヤクルト。沖縄・浦添キャンプに参加した選手たちに、「今シーズン変えたこと、変えていること」をテーマに質問。
【それぞれの課題に向き合う主力たち】
「ダイヤモンドは白紙」
池山監督は就任時からこの言葉を発信。その骨格がおぼろげながら見えてきた。
来日6年目となるホセ・オスナは、連日、ファーストで軽快なグラブさばきを見せた。だが、池山監督がオスナに求めているのはホームランだ。
「もちろん25本以上は打ちたいし、現実的に考えてそこから30本、35本となればいいかな。そのためには、練習は普段どおりに、自分のやるべきことをしっかりこなすことが大事かな」
山田哲人は"挑戦と復活"をテーマにキャンプイン。何か変えていることはあるかと聞くと、「練習内容とかは、自分が思ったことをやっているので、今までと一緒ですね」と言い、こう続けた。
「ただ、意識が変わるとかはあります。守備では、今年サードに挑戦するので、セカンドとは違う動きになる。景色が全然違いますし、送球の部分でもまだまだ合わせにいくというか、腕が振りきれていないと感じました。そういうことに対しての意識ですね」
キャンプではサードを守る機会が多く、打撃では早出、全体練習、午後の個別練習と、1日に3回バットを振り込んだ。丸山和郁らに打撃について熱心に助言する姿も印象的だったが、左脇腹を痛めて無念のキャンプ離脱。
【伊藤琉偉と北村恵吾、それぞれの進化】
伊藤琉偉はショートを中心に練習。入団してから守備型の選手という印象が強かったが、2年目の昨シーズンにプロ初安打を記録すると、4試合で3本塁打をマーク。今年のキャンプでは、パンチ力のあるバッティングが光っていた。
「去年は一軍にずっといることが目標だったのですが、今年はレギュラーを絶対に獲るという気持ちで取り組んでいます。そこが一番変わったところというか、その思いは強いですね。今年は自主トレの段階から、体の使い方をしっかり見直してきました。その成果もあって、遠くへ飛ばそうという意識はないのですが、強い打球を打てています。去年は体重が増えたことで飛距離が出ていた感じでしたが、今は違う打ち方ができていると思います」
北村恵吾はキャンプでファーストのノックを数多く受けていたが、離脱者の影響もあり、実戦が始まるとサードでの出場が増えた。
「打撃では去年のような成績を、シーズンを通して残すことが一番の目標です。そのため、より力強い打球や長打を求めて、トップを深くする意識に変えました。ただ、これまで積み重ねてきた基盤は変えたくないので、坪井(智哉)コーチとの正面ティーは朝と午後の個別練習で必ずやっています。一日をいい形で始めて、いい形で終わりたいので」
昨年、北村は46試合に出場して、打率.267、5本塁打、出塁率.364、OPS.839の成績だった。
「このペースでシーズンを通して打てれば、ホームランは20本くらいになるので、エグいっすね(笑)。出塁率を高く保ちつつ、三振は少なくしていきたいです」
【自主性キャンプで若手がアピール】
今キャンプの午前8時からの2時間は、選手たちの自主性に任せた早出練習となった。
赤羽由紘は「その時間で、秋の松山キャンプやオフに取り組んできたことを、しっかり継続できています。そこが去年と変わったところですね」と話した。実戦に入ると、4番を任される試合も多かった。
「今までは上半身で打っていたのですが、今は下半身を使って打てている感じがあります。自分はどうしても毎年、調子の波が大きくなってしまうので、少しでも今の形を続けられるよう取り組んでいます。打率が下がったとしても出塁率を上げるなど、何とかチームに貢献できる打撃ができればと思っています」
昨シーズン、捕手以外を守ったユーティリティープレイヤーは、キャンプではセカンドを中心に、サードとファーストも練習した。
武岡龍世は、1月の自主トレをこれまでとは変え、ソフトバンクの近藤健介のもとで汗を流した。今キャンプでは遊撃と二塁の守備位置についた。
「いろいろな練習がありましたし、内容もすごく濃かったですね。やってきたことを自主トレだけで終わらせるのはもったいないと思って......。そういう意味でも、1年間、何事も継続して取り組もうという意識になりました。
新人の松下歩叶(ドラフト1位/法大)と石井巧(ドラフト6位/NTT東日本)は、一軍キャンプでパンチ力をアピールしていたが、ともに左ハムストリングを負傷。二軍の宮崎・西都キャンプに合流し、気持ちを切り替えてリハビリに励んでいた
「今はより体を大事に、より体を気にしてやっています」(石井)
「もう一回、体を見つめ直して、ケガをしない体づくりをしよう、今回の時間をプラスにしようとやっています」(松下)
【二遊間で繰り広げられるポジション争い】
ダイヤモンドは白紙のなか、キャンプで激戦区となっていたのが二遊間だ。前出の伊藤、武岡、赤羽に加え、今シーズンから内野手登録となる内山壮真、そして正遊撃手の長岡秀樹も、ショートとセカンドの両ポジションでノックを受けた。
長岡が自身のポジションを脅かす存在にもなり得る内山や伊藤らに対し、助言を惜しまない姿には感銘を受けた。
「変えたいことは、全部といえば全部ですね。毎年いろいろなことを考えながら、少しずつ変えてきているので、今年だからといって特別な気持ちはありません。今年変えたことについては、見て判断してもらえればと思います。みんなもっとうまくなりたいという欲の塊ですし、そういう気持ちが出てくるのは自然なことだと思います。誰ひとり今に満足している人はいないでしょうし、みんなで高め合っていけたらいいなと思っています」
内山は「僕はやっぱり、ポジションが変わったことが大きいですね」と語った。昨年は捕手登録ながら外野で106試合に先発出場。打率.262、8本塁打、OPS.712の成績を残した。
「そのことで守備練習の時間も増えました。今はいろいろ課題があるなかで、一つひとつ潰しているところです。ポジションはまだはっきりしていませんが、二遊間のどちらでもしっかり守れるようにという意識でやっています。打撃では、僕はOPSを重視しているので.800を超えることを目標に練習しています」
キャンプが中盤に差しかかった頃、内山は左脇腹を痛めるアクシデントに見舞われた。その後、合流した二軍の宮崎・西都キャンプでは、ティー打撃やノック、キャッチボール、ウエイトトレーニングも再開。復帰へ向けて順調な様子だった。
代わって浦添キャンプに招集されたのが、「体のサイズを変えました」という高卒2年目の田中陽翔だった。昨シーズンは一軍で6試合に出場し、打率.308を記録した。
入団時のサイズ183センチ、88キロの体は、さらに厚みを増していた。
「去年は夏場に体重が減ってしまったので、冬は体を大きくするチャンスだと思い、トレーニングで増やしました。今は93キロです。やっぱり長打を打てる選手は絶対に必要だと思いますし、自分もそういう打者になるために体を大きくしました。
池山監督はダイヤモンドの構想について、「(ケガで)ひとり抜け、ふたり抜けとなりましたのでね」と苦しい胸の内をにじませた。
「誰をどこに当てはめるかというところですが、現状では長岡のショートは動かせないので、伊藤琉偉との競争になります。両外国人(一塁のオスナと左翼のサンタナ)もハマると思うので、あとはほかの選手がどうハマるかを見ていきたいですね」
つづく>>










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