後編:WBC2026準々決勝「侍ジャパンvs.ベネズエラ」展望
前編:侍ジャパンの前に立ちはだかるベネズエラ 「負けてなお強い」を印象づけた戦力状況は?
ベネズエラのメディアは第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に臨んでいる母国代表チームをどう見ているのか。
日本との準々決勝を前に、野球ウェブサイト『El Extrabase』のダニエル・アルバレス・モンテス記者に意見を求めた。
全米野球記者協会(BBWAA)の会員でもあるベテランライターにとっても、2026年WBCを戦うベネズエラ代表は興味深いチームになっているようだ。母国の選手、コーチ陣にも決して忖度しない冷静なジャーナリストの言葉だからこそ、「今のベネズエラにはWBCでも優勝できる力がある」というフレーズは説得力を持って響いてくる。
【大会前の不安要素を吹き飛ばした投手陣】
今大会開幕前、ベネズエラの投手陣への不安の声は確かにあった。ヘスス・ルサルド、パブロ・ロペス、ロベルト・スアレスのような実績ある投手が参加できなかった。フィリーズと5年総額1億3500万ドル(約202億5000万円)の新契約を結んだばかりのルサルドは準々決勝以降も招集が難しそうだし、ロベルト・スアレスは出場辞退。ブルペンの一角を務めると思われたホセ・アルバラードは保険の問題で許可が下りなかったし、先発の軸になる予定だったロペスはトミー・ジョン手術を受けて離脱を余儀なくされた。だから投手陣という点では、少し懸念材料が増えたと言えるかもしれない。
ただ、それでも私は今回のチームに大きな期待感を抱いていた。全体として見れば、2026年のベネズエラはWBCでこれまでに編成されてきたなかでも最高レベルのチームのひとつだと思う。
打線を見てほしい。メジャーMVP経験者のロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、過去3度も首位打者になったルイス・アラエス(ジャイアンツ)、2025年に49本塁打を打ったエウヘニオ・スアレス(レッズ)、2015年ワールドシリーズMVPのサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)が軸になっている。1番から9番まで本当にすばらしく、切れ目のないメンバーが連なっていると思っている。
プールリーグのベネズエラは3勝1敗だった。3月11日(日本時間12日)のドミニカ共和国戦こそ敗れたが、その敗戦を語るうえでまずは相手に敬意を払わなければいけない。ドミニカの打線は本当に強力で、WBC史上でも最高クラスのオフェンスかもしれない。投手陣もすばらしい。だからドミニカ共和国を称えるべきだ。
ただ、ベネズエラもいいベースボールをしていると思う。なかでもブルペンの投手たちの投球が際立っている。ドミニカ共和国戦が接戦になったのはリリーフ陣の功績。大会を通して見ても、いわゆるビッグネームではないリリーフ投手たちがいい投球をしてきた。おかげでチームがとても引き締まって見える。
私はベネズエラ代表を2015年、MLBを2017年から取材してきたが、今年のチームをとても気に入っている。本当にいい選手が揃っているというだけではなく、選手同士のケミストリー(化学反応)がいい。
【勝負どころでは監督の采配も重要なポイントに】
日本戦が接戦のまま中盤以降にもつれ込んだとして、監督の采配、つまり意思決定は非常に重要な要素になると見ている。ドミニカ共和国戦後、実はロペス監督の采配がかなり議論になった。特に打線の起用法だ。
大谷翔平対策も大切になり、打撃コーチを務めるミゲール・カブレラが「翔平は4打席連続で歩かせる」と言ったのは私も知っている。実際に勝負を避けるべき場面があればそうするだろうけれど、ミゲールがそこまで本気で言ったわけじゃないと思う。そうであることを願っている(笑)。
とにかく日本対ベネズエラ戦はいいゲームになるだろうし、私も本当に楽しみにしているよ。










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