春のGIシリーズがいよいよ本格的にスタートする。その幕開けを告げるのは、春のスプリント王決定戦となるGI高松宮記念(3月29日/中京・芝1200m)だ。

 国内のスプリント路線はここ数年、絶対的な王者が不在。春の高松宮記念、秋のスプリンターズS(中山・芝1200m)と、GI勝ち馬の顔ぶれも毎回変わっており、いずれも初のGI制覇を遂げた馬ばかりだ。

 とはいえ、それら勝ち馬のほとんどがいまだ健在。今回もドバイに遠征したルガルを除いて、ママコチャ(牝7歳)、サトノレーヴ(牡7歳)、ウインカーネリアン(牡9歳)らが顔をそろえ、スプリントGIで常に上位争いを演じてきたナムラクレア(牝7歳)が引退レースとして出走する。さらに、昨春のGINHKマイルC(5月11日/東京・芝1600m)を制したパンジャタワー(牡4歳)が参戦し、ハイレベルな激戦の様相を呈している。

 そうした状況のなか、馬券検討のポイントのひとつとして、中日スポーツの大野英樹記者はこう語る。

「サトノレーヴ、ナムラクレア、ウインカーネリアンら有力馬は年齢を重ねており、ピークのパフォーマンスを維持できているかが焦点となります」

 また、大野記者は舞台となる中京競馬場の特殊な馬場状態にも目を向ける。

「今回の中京開催は芝の張り替えが行なわれず、やや軟らかさを残した状態でスタートしました。そのため、開幕直後から各ジョッキーが口にしていたように、内目の芝は"ふわふわ"。踏ん張りが利きにくく、差し馬の台頭が目立つ馬場になっています」

 では、そういった傾向は今週も変わらないのだろうか。大野記者が続ける。

「差し馬優勢の流れは続くように思いますが、芝コースは今週からBコースに替わり、傷んでいた内側が仮柵でカバーされます。

そうなると、これまでの傾向をそのまま当てはめるのは危険かもしれません。先週までよりも前が残るシーンがあっても不思議ではない、というか、その可能性は十分にあります。

 いずれにしても、馬場傾向と世代バランスが交錯して、今年は例年以上に難解な一戦となりそうですね」

 こうした点を踏まえて、大野記者は2頭の伏兵候補をピックアップする。1頭目は、インビンシブルパパ(牡5歳)だ。

【競馬予想】高松宮記念は特殊な馬場を読み解くのが馬券的中のカ...の画像はこちら >>
「昨夏のGⅢCBC賞(8月10日/中京・芝1200m)では、8枠17番ゲート発走からハナを奪って押しきり勝ち。中京適性の高さと、スムーズに先行した際の粘り強さを示しました。

 その後は、アメリカのGIブリーダーズカップターフスプリント(11月1日/デルマー・芝1000m)6着、GⅢオーシャンS(2月28日/中山・芝1200m)15着と結果は出ていませんが、前走のオーシャンSは今回も出走するピューロマジック(牝5歳)と競り合って自滅。度外視していいと思います。

 CBC賞からもわかるとおり、左回りのほうが手前替えはスムーズ。無理な先行争いさえ避けることができれば、再び粘り込みがあっても。

 さらに、今回は集中力を高めるべくブリンカーを装着。リズムを崩されると脆い面はありますが、実績ある舞台へのコース替わりと馬具効果による一発に期待したいです」

 大野記者が注目するもう1頭は、レイピア(牡4歳)だ。

「GⅢシルクロードS(2月1日/京都・芝1200m)2着、オーシャンS2着と、近走の充実ぶりは際立っています。ここ2戦は控えての好走ですが、逃げ・先行・差しと自在に立ち回れるのは強みです。

 3走前のGⅢ京阪杯(4着。11月30日/京都・芝1200m)を含めて、ここ3戦は重賞で安定した走りを見せ、GIの流れにも対応可能でしょう。加えて、やや重の2勝クラス・武庫川特別(6月15日/阪神・芝1200m)を完勝し、2歳時には重馬場のGⅢ小倉2歳S(中京・芝1200m)で4着と善戦。中京のパワーを要する馬場も合いそうです。

 4歳馬と伸びしろがあるのも魅力。ベテラン勢を蹴散らして、一気に世代交代を遂げてもおかしくありません」

 実績豊富なベテラン勢と伸び盛りの新興勢力。熾烈な争いを制するのはどちらか。注目のゲートインは、まもなくだ。

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