この記事をまとめると
■いまや時価総額でトヨタを上まわって世界一の自動車メーカーとなっているテスラ



■テスラのラインアップはセダン2車種、SUV2車種の4車種のみ



■テスラはEVだけでなく宇宙産業やロボット工学にも乗り出している



微妙にパッケージングが異なる4モデルをラインアップ

生まれ故郷のアメリカをはじめ、世界中で売れているテスラ。2021年の世界メーカー別電気自動車(EV)販売台数では2位以下に大差をつけてトップとなり、2022年7~9月期決算では連結純利益がトヨタを抜いた。



ここだけ見ると、どれだけ多くの車種をラインアップしているのかと思うかもしれない。

でも実際は、乗用車は4車種しかない。いずれも日本で販売しているモデル3、モデルY、モデルS、モデルXだ。



「たった4車種」でトヨタに匹敵! EVメーカー「テスラ」が儲...の画像はこちら >>



4車種の棲み分けもはっきりしていて、モデル3とモデルYはDセグメント、モデルSとモデルXはEセグメントになる。一方ボディ形状で見ると、モデル3とモデルSはセダン、モデルYとモデルXはSUVになる。



SUVといっても悪路走破性に長けているというより、背の高いボディを生かしたマルチパーパス性をアピールするモデルで、大柄なモデルXでは3列シートを実現。リヤドアは跳ね上げ式だ。



「たった4車種」でトヨタに匹敵! EVメーカー「テスラ」が儲かる秘密



一方のセダン2車種は、モデル3はラゲッジスペースがキャビンから独立しており、トランクリッドでアクセスするのに対して、モデルSはハッチバックとなっている。



つまり、4台のパッケージングは微妙に異なっている。



自動車メーカーにとどまらない幅広い分野に進出

いずれも駆動用バッテリーをフロアと一体化したようなプラットフォームを持ち、リヤあるいは前後アクセルにモーターを置く。この方式、フォルクスワーゲンID.4やヒョンデ・アイオニック5など多くのEVが採用しており、いまや専用設計EVのスタンダードになりつつある。



「たった4車種」でトヨタに匹敵! EVメーカー「テスラ」が儲かる秘密



ただし、モデルYではギガプレスと呼ばれる巨大鋳造マシンでフロント/リヤのフロアまわりを製造するなど、アップデートは着実に行っている。



これ以外に本国ではトラックも手掛けている。

大型トレーラーヘッドのセミは2022年秋に生産開始。続いてダブルキャブピックアップのサイバートラックが、2023年に発売予定だ。さらに同じ年には、最初の車種でもあったロードスターが新型に生まれ変わって登場するという。



「たった4車種」でトヨタに匹敵! EVメーカー「テスラ」が儲かる秘密



言い換えれば、最近まで4車種の乗用車だけでトヨタを超える純利益を叩き出したわけで、1台あたりの利益率はかなり高い。モデル3よりさらに安い車種の登場も噂されるが、無理に数を増やさなくてもいいのではないかという気がする。



とはいえ創業者のイーロン・マスクは、スペースXで宇宙産業に進出したのに加え、2022年はツイッターを買収し、ヒト型ロボットを公開するなど、果てしなき野望の持ち主。



「たった4車種」でトヨタに匹敵! EVメーカー「テスラ」が儲かる秘密



新たな分野に挑戦するとなれば、資金確保のためにもラインアップ拡大に乗り出してくるかもしれない。

編集部おすすめ