この記事をまとめると
■2020年1月1日から2022年12月31日までに発生した車両盗難は2656件で微増傾向



■車種別では相変わらずランドクルーザーの盗難が群を抜いて多い



■盗難人気車種に乗っているなら、さまざまな自衛手段を実施したい



狙われやすい車両の1位が定位置のランクル

一般社団法人 日本損害保険協会が、2020年1月1日~2022年12月31日に発生した自動車盗難事故実態調査結果を発表した。



この資料によると、2022年の車両本体盗難は、2656件(車上ねらい:971件)。2021年の車両本体盗難:2425件、車上ねらい:931件と比較して微増の傾向。

ちなみに2020年は車両本体盗難:2964件、車上ねらい:1254件となっている。



車種別で見ると、



1位 ランドクルーザー 450件
2位 プリウス 282件
3位 アルファード 184件
4位 レクサスLX 156件
5位 レクサスRX 90件
6位 ハイエース 83件
7位 クラウン 72件
8位 アクア 55件
9位 C-HR 43件
10位 レクサスES 38件



と上位10車種はオールトヨタ車(レクサスを含む)! この10車種だけで全体の54.7%を占めている。



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一方で、スカイラインGT-RやFD3Sなど、平成初期のスポーツカーの被害も増えていて、全体の45.6%が、2012年以前に製造された古い車種という点にも注目。



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日産スカイラインGT-Rのフロントスタイリング



都道府県別に見ると、ワースト1位は愛知県で、2位が大阪府、3位が千葉県、4位が埼玉県、5位が茨城県となっていて、この上位5府県で全体の58.5%とかなり被害が集中している。とくに千葉県には、全国でもっとも多い約640箇所のヤードが存在しており、その一部のヤードが、国際犯罪組織による盗難自動車の解体・不正輸出のための作業場となっているなど、犯罪の温床となっている実体が明らかになっている。



近年、警察も立入りによるヤードの実態解明や不法ヤードの摘発にも力を入れだしていて、警察庁によると、自動車盗の検挙率は、2022年で45.6%。約半数が検挙されているとのこと(犯罪グループが組織的に関与し、ヤード等で不正に解体されているケースが多い)。



万が一に備えてできることはすべてやっておきたい

また、警察庁では主な盗難の手口として下記の8つを挙げている。



○窓の隙間から針金等を差し込んでドアを解錠し、車両に侵入する。
○ハンマー等でクルマのガラスを破壊し、車両に侵入する。
○工具等を使ってドアを解錠し、ステアリングロックを破壊してエンジンを始動する。
○車体にマグネット等で隠しているスペアキーを探し出す。


○家に侵入し、クルマのキーを盗む。
○レッカー、けん引車でクルマを丸ごと盗む。
○鍵を預かる施設でクルマの使用者になりすましてキーを受け取る。
○リレーアタックやCANインベーダーといわれる、特殊な機器を使用する手口



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車両盗難のイメージ



現行車の場合、手厚く車両保険に加入していれば、車両盗難に遭っても金銭的な損失は補償してもらえるが、ご存じのとおり、昨今新車のデリバリーにすごく時間がかかっている。保険金が下りたとしても、そこから新車を発注しなおした場合、納車まで1年、下手すれば2年以上かかることもあり、被害は金銭面だけではすまなくなる……。



また、ヤングタイマーのスポーツカーはいずれも稀少車で、盗まれてしまうと同じような個体に出会うのはかなり難しい。何より、長年乗り続けてきたオーナーにとっては、他に代えがたい大事な一台であるはずだ。



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マツダRX-7のフロントスタイリング



大事な愛車の盗難を防ぐには、まず確実な施錠。短時間でもクルマを離れるときは窓を閉め、カギをかけること。また、エンジンを切り鍵を抜いた状態で、ハンドルを右か左にカチッと音がするまでまわすとハンドルロックがかかるので、これも併用する。このハンドルロックが意外に盗難防止に効果があることは、あまり知られていない。



そして、バイパーやクリフォードなどのカーセキュリティを専門店でインストールする。

人気車種に関しては、もうセキュリティーのインストールはマストかもしれない。ココセコムなどのGPS追跡装置等も欲しいところ。



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セキュリティシステムのイメージ



もちろん、駐車する場所も、人目につきやすくセンサーライトや防犯カメラなどがあるところを選びたい(車両盗難の38.9%は、「一般住宅」の駐車場)。そのうえで、万が一に備え、車両保険に加入してくことも肝心だ。

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