この記事をまとめると
■最新装備のなかでも不要とよくいわれる機能を紹介■最初はどれも画期的でプラスの評価が多いが飽きられやすい性質もある
■コネクテッドサービスなどで機能が拡張されると高評価を受けるかもしれない
進化しすぎたが故に本当に必要かどうかわからない装備も増えた
クルマにはたくさんの装備がついています。100年に一度と言われる変革期を迎えているいまですが、いつの間にか消えていった装備もあれば、いまだにしぶとく残っている装備もあります。また、新しく増えた装備のなかには、よく考えたらあまり使わない、使えないものもあるように感じます。
まずひとつ目は、輸入車をはじめ多くのモデルに装備されつつあるアンビエントライト/イルミネーション。100色以上から好みの色に設定できるメルセデス・ベンツなど、力を入れているブランドが多数あり、最近では軽自動車でもダッシュボードのあたりが光るようになっているモデルもあるほど。たしかに最初は、トンネルのなかや夜になるとふわっと美しい光で室内が彩られるのは、目に楽しいしドリンクホルダーなどの位置もわかりやすくなるため、便利さもあって気分が上がるものです。
でも、1カ月も経つとそれは当たり前の光景になり、1年経てばありがたみはもはやゼロ。たまに乗る友人などに喜んでもらえるのはうれしいのですが、やっぱり人間、慣れてしまうものですね。今後、コネクテッド機能がどんどん進化して、定期的に違ったイルミネーションが配信されてくるようになるとか、アップデートしていけるような機能が出てくると、ずっと新鮮な気持ちで楽しめるのかもしれません。
ふたつ目は、標準装備のモデルが増えており、オプション設定には必ずといっていいほど用意されている、Qi(チー)のようなワイヤレス充電器。インパネやセンターコンソールの一部にスマートフォンを置くだけで充電ができるという装備です。これも、最初は目新しくて便利だなと思った装備ですが、なにせ充電速度が遅いので、何時間も置いておかないと満充電にならないことが多いのです。結局、「今日は30分しか乗らないからUSBにつないで充電したほうが早い」ということになり、だんだん使わなくなって小物置き場になってしまうことがほとんど。

また、手帳型のカバーなどを使っていると、そもそもワイヤレス充電が使えないこともあるし、最近はディスプレイオーディオが増えているので、そちらのコードに繋いでおくことも多いのです。
いまとなっては「それ必要……?」
3つ目は、同じくUSBポートが増えれば必要ない人も多いのではと感じるのが、電源ソケット/アクセサリーソケット。これはもともとシガーソケットと呼ばれており、シガーライターとセットで装備されていたものでした。それが愛煙家の減少とともに呼び名が変わり、カー用品やAV機器の電源を取るためのものになってきたという経緯があります。もちろん、カー用品店に行けば電源ソケットを活用したさまざまなグッズが販売されているので、愛用している人も一定数はいると思います。

後付けのドライブレコーダーだと、電源ソケットに差し込んで使うものもあります。ただ、近年の電子機器であれば多くはUSBで使えるようになっているので、もしかするともっとたくさんUSBポートがあれば用は足りるのかもしれないですね。
4つ目は、フロントガラスに投影したり、ダッシュボードに埋め込まれたディスプレイに映ったりして、前を向いたまま速度や距離、簡易的なルート案内などが確認できるようになっているヘッドアップディスプレイ。これも最近どんどん増えて、軽自動車にまで装備されるようになったものです。たしかに、運転中はなるべく遠くを見たほうが道路の流れが掴みやすくてスムースな操作ができるものなので、ハンドルの目の前にあるメーターに目線を持っていくよりは、そのままの目線で表示を確認できるのはいいのかもしれません。

ただ、自分が見ようとしてもいないのに、視界の一部が常にチョロチョロと数字が変わったり矢印が出たり、色が変わったりとせわしなく動いている状態というのは、ちょっと気が散るというかウザいと感じる人も多いのではないでしょうか。メーターなら、自分が「いま、見よう」と思って表示を見ているのでそういう煩わしさはまったくないのですが、ずっと強制的に表示を見させられている状態になるヘッドアップディスプレイは、慣れるまでに時間がかかるのかもしれません。
5つ目は、初めて登場したのはもう15年くらい前かと思いますが、いまでも多くのクルマに装備されている、エコドライブインジケーターやエコドライブ採点。これは、省燃費運転ができているかどうかをライトの色や運転後の採点で教えてくれるものです。アクセルペダルの踏み加減やブレーキペダルの踏み方、車種によってはハンドルの操作がスムースにできているかどうかなどを車両側が判断して、リアルタイムで良好な運転ができていればインジケーターがグリーンやブルーに光り、アクセルを踏みすぎたりすると赤やオレンジに光って、その都度自分がちゃんとできているかを教えてくれるタイプもあれば、目的地に到着してシフトレバーをPに入れると、メーターやナビ画面などに点数や★採点などが表示されるタイプもあります。

これも、購入したてのころは面白くて熱心に見ている人が多いと思いますが、どうでしょう、半年も経つと興味がなくなり、まったく気にしなくなる人がほとんどではないでしょうか。購入時にディーラーでこの機能の説明を受けていないと、そんな機能があるとは知らないまま乗っている人もいるほどです。登場した頃は画期的な機能だと感じたのですが、いまの時代なら声で「もう少しアクセルをゆっくり踏んで」などと、助手席にコーチが乗っているような感じで教えてくれるような機能が出ると、また面白くなるのかなと感じます。
ということで、時代に合わせて新しく登場したり、変わっていくたくさんの装備たち。これからも、ユーザーが「これはいい」と満足できるような装備が登場し、定着していくことを願います。