この記事をまとめると
■「空飛ぶクルマ」はここ数年開発が急速に進歩している■実際に製品化する際は法律や免許の関係から「どこでも飛べる」は難しいだろう
■自動運転のドローンのようなイメージが現実的
人類の夢「空飛ぶクルマ」を飛ばすための課題とは
昭和の時代から未来社会を想像したイラストに描かれるモビリティの定番といえば「空飛ぶクルマ」だろう。いわゆる自動車に羽根をつけて空を飛べるように設計したものや、そもそもタイヤを持たない「宙に浮いたクルマ」など、さまざまな姿で空飛ぶクルマは描かれてきた。
そんな空飛ぶクルマを実用レベルにしようという研究が世界中で進んでいる。
ただし日本では航空法などの関係で、空飛ぶクルマがハードウェアとして実現しても、運用することは難しいという話もある。
ユーザー目線で考えても、空飛ぶクルマを運転(操縦)するには、少なくとも航空機の操縦資格を持っていることが必要となることは容易に想像がつく。
あくまで個人ユースを前提とした自家用操縦士を育てるホンダフライングスクールのホームページによると、自家用操縦士となるための訓練期間は15カ月、100万円以上の費用がかかるとされている。そのほか、年齢や肉体的な制限もあるが、空を飛ぶための技術を学ぶためにかかる期間と費用を考えると、誰もが空飛ぶクルマを運転できるわけではない。
もちろん、限られたユーザーしか乗ることができない空飛ぶクルマを開発する意味はない。基本的に、空飛ぶクルマは完全自動操縦になっていてパイロット不要で、ユーザーはあくまでパッセンジャーという立場を想定しているはずだ。
そうなれば操縦資格を持たなくても空飛ぶクルマに乗れるようになる。ただし、それはお金を払えば誰でも空飛ぶクルマを利用できるということになる。地上が渋滞しているから「自分だけ空飛ぶクルマで混んだ道を回避する」なんてことは結果的にあり得ないといえる。
おそらく空飛ぶクルマが完全自動操縦になっている時代には、地上を走るクルマもAIが自動運転レベル5を実現しており、運転するという行為は過去のものとなっているだろう。
「好きなように走って好きなように飛べる」は実際には難しい
そもそも地上を走っているクルマが、変形するなりして空を飛ぶということは考えづらい。
タイヤのついた地上を走るクルマと空飛ぶクルマは完全に別物となるはずだ。
おそらく空飛ぶクルマというのは人が乗れるサイズのドローンのようなカタチになるだろう。
それでは、空飛ぶクルマは航空機と何ら変わらないと思ってしまうかもしれないが、垂直離着陸できるため滑走路が不要で、従来のヘリコプターより静かで安全、なおかつ低空を飛ぶことで新しいモビリティとして確立されると予想される。
ユーザーは移動ルートにおける時間やコストを考えて、それぞれのモビリティに乗り換えて利用することになると想像できる。
地上を移動したほうが効率に優れているときは、いままでどおりのタイヤがついたクルマを使い、ショートカットしたほうが有利なルートでは空飛ぶクルマに乗るといった使い分けをするのではないだろうか。
自動車メーカーが空飛ぶクルマに投資するのは、「完全自動運転の地上を走るクルマと空飛ぶクルマを組み合わせてシームレスな移動手段を提供するというビジネスモデルを考えているから」、という見方もできる。
完全自動運転の時代になると、クルマは所有するものではなくなり必要なときにスマホのアプリで呼び出す利用法になると想像できる。そのとき空飛ぶクルマと連携した移動ルートを提供できるようになっていれば、他社との差別化につながるのは明らかなストロングポイントとなるはずだ。

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