この記事をまとめると
■ココ・シャネルは「シンプルとは、真のエレガンスの基本」という言葉を残した■クルマの世界でも近年は「シンプル」なデザインが人気となっている
■輸入車にはシンプルで線を生かしたデザインのクルマが増えている
シンプル・イズ・ベスト!
世界中を虜にするブランド「シャネル」を率いたココ・シャネルが残した名言のなかに、「シンプルとは、真のエレガンスの基本」という言葉があるほど、ファッションにおいてシンプルというのは重要な要素です。クルマのデザインにも、それは当てはまるでしょうか?
キャラクターラインが奇抜だったり、個性的なクルマのデザインもいいものですが、やはり、シンプルなのにものすごく魅力的なクルマというのも存在します。
1台目は、先代までのエッジの効いたデザインから一変、豊かな面を強調したシンプルなスタイリングを打ち出してきた、メルセデス・ベンツSクラス。
ボディには、猫の小さな足がのるくらい細いという意味合いが込められた、キャットウォークラインというごくごくシンプルなラインが入っているのみ。それなのに、ものすごいエレガントさと強いオーラが放たれるSクラスは、まさにココ・シャネルの言葉を体現しているかのようです。
ドアハンドルまで格納式となり、凹凸を極限まで減らしたデザインは、数値的にとても優秀な空力性能を実現していて、燃費アップにも貢献しているのだとか。またヘッドライトは映画が上映できるくらい高性能だというデジタルライトで、片側130万画素のプロジェクションモールを瞬時に制御することができる先進的なもの。シンプルだけど、優雅で先進的な魅力満載のSクラスです。
2台目は、近ごろ盛り上がっているおしゃれ輸入ミニバンのなかでも、シンプルなデザインのほっこり癒し系、ギヤ感が魅力となっているのがフィアット・ドブロ。両側スライドドアで、2列シート5人乗りのドブロと、3列シート7人乗りのドブロ マキシがラインアップしています。

フロントマスクもボディラインも、これといった強い個性はなく、ボディカラーも白、紺、グレーの地味な3色にも関わらず、「FIAT」という赤いエンブレムがポンと置かれているだけで、なぜかオシャレに見えるところがさすが。オープンでフレンドリーな雰囲気が、オラオラ系の顔に疲れた人たちを惹きつけています。エンジンはディーゼルで、ガラガラという独特の音がするところも相まって、肩肘張らずのんびりと走りたい人にもウケています。
最近の輸入車はデザインがより洗練されている!
3台目は、国産のMクラスミニバンで唯一の癒し系デザインを採用しているのが、ホンダ・ステップワゴンの「Air」というグレード。

また、ホンダアクセスから販売されているアクセサリーには、ホワイトの16インチアルミホイールやボディーサイドモールといった、ギア感をたっぷり演出できる商品が揃っていて、装着するとまたガラリとちがう雰囲気に。ベースがシンプルだからこそ、出せる楽しさを感じさせてくれます。

4台目は、細かな線の1本1本まで緻密に計算し尽くされたシンプルさに圧倒されるのが、最新のレンジローバー。SUVとは思えないラグジュアリーさを醸し出しながら、どーんと構えて乗っていられる最強の頼もしさも同居するという、唯一無二のデザインです。ピラーがブラックアウトしていて、ルーフがフローティングしているように見えるところや、遠目にもなめらかな面がエレガントなサイドビュー。

さまざまな長方形をパズルのように組み合わせたかに思えるフロントマスクも、無駄な線など1本もないような完成度です。まさに、50年の歳月をかけて磨き上げた、究極のSUVに惚れ惚れさせられます。
5台目は、この夏に日本上陸が予定されている、ボルボ史上最小のコンパクトSUVのEVとなるEX30。ボルボは電動化モデルに方向転換してからというもの、どのデザインもそれなりにシンプルさが強まっていますが、EX30はボディが小さいこともあり、さらにシンプルが際立っているように感じます。

エンブレムが置かれただけのフロントグリルや、小さなブロックが連続しているようなヘッドライトなど、シンプルなモチーフで個性を演出しているところが素敵。インテリアもほぼ物理スイッチがないというシンプルさなのに、しっかりとボルボが得意とする北欧テイストが実現しているのに感心しました。ボルボはGoogleとの連携を進めていて、使い勝手に関してもどんどんシンプルになっています。
ということで、デザインがシンプルなのに、さまざまな魅力あふれるモデルたちをご紹介しました。ファッションに限らず、部屋になにも物を置きたくないようなガラーンとした空間が好きな人には、インテリアがシンプルなモデルも響きそうですね。