この記事をまとめると
フォルクスワーゲンの歴代ステーションワゴンモデルを一挙に紹介



■フォルクスワーゲンの人気モデルでもあるゴルフとパサートにそれぞれラインアップされる



■代が変わるごとにエンジンのダウンサイズ化と荷室容量の拡大を実現した



フォルクスワーゲンのワゴンモデルを一挙紹介!

ゴルフやパサートにラインアップされているフォルクスワーゲンのステーションワゴン。国産車ステーションワゴンが数少なくなったいま、ワゴン好きにとって貴重な存在です。



今回はフォルクスワーゲンがラインアップしていたステーションワゴンについて紹介していきます。

なお、海外専売車は省いてピックアップしました。



1500ヴァリアント(1962年)

ビートルのプラットフォームやパワーユニットを用いて開発されたタイプ3こと1500。1961年のデビュー時は2ドアセダンのみが設定されましたが、1962年にステーションワゴンのヴァリアントが追加されています。



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タイプ3もビートル同様、リヤに空冷水平対向エンジンを搭載しているため、ラゲッジ容量はそこまで広くはありませんでしたが実用性は十分。筆者は同車のオーナーを以前、取材したことがありますが、ラゲッジはエンジンが発する熱でも大きな影響を受けないため安心して荷物を積載することができるということを聞き、驚いた記憶があります。



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フォルクスワーゲン1500 ヴァリアントのモノクロ写真



ただ、タイプ3はビートルや多目的車のタイプ2ほど人気を得ることができず1973年で生産終了。1968年に登場した後継モデルとなるタイプ4にステーションワゴンは追加されませんでした。



ゴルフヴァリアント(ワゴン)

ゴルフIII(1995年)
いまやゴルフになくてはならないゴルフヴァリアント(ワゴン)が、最初にラインアップされたのが3代目ゴルフ(ゴルフIII)。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(初代)のエクステリア



ハッチバックをベースに320mm延長しリヤオーバーハングを確保。ラゲッジ容量は466リットル(セカンドシートを倒すと1425リットル)を実現しました。



ワゴンをはじめて設定したゴルフIIIは2代目とボディサイズはほぼ同様。しかし、安全性能や環境対策に力を入れるなど大きな進化を果たしています。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(初代)のリヤビュー



また最上級グレードにはV6エンジン搭載車もラインアップされました。
ゴルフⅣ(2000年)
歴代モデルから一転、コンパクトカーの枠を超えたプレミアム感を身につけたのが4代目ゴルフ(ゴルフIV)。

先代から全長が135mm、全幅は40mmほど拡大し、とくに内装のクオリティが大きく向上しています。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(2代目)のエクステリア



ゴルフIVにもステーションワゴンのゴルフワゴンを設定。ハッチバックから全長を245mm延長し広いラゲッジルームを実現しました。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントのラゲッジルーム



2003年にゴルフワゴンは1.8リッターターボエンジンを搭載し、専用チューニングを施した「GT」を追加。最高出力150馬力を発揮するエンジンにティプトロニック付き5速ATを組み合わせ、走行性能を大きく高めたモデルとして人気を集めました。
ゴルフⅤ/VI(2007/2009年)
Cセグメントのコンパクトハッチとして世界中のメーカーからベンチマークとなったゴルフは2007年に5代目へとモデルチェンジ。先代同様、高品質にこだわり、新開発のサスペンションなど数々の新技術を採用しました。



ステーションワゴンは先代に引き続き設定。車名がゴルフヴァリアントとなり、さらに使い勝手が向上しています。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(3代目)のエクステリア



ゴルフVはヴァリアントだけでなく、派生モデルが多彩だったことも特徴。プラス、クロスゴルフ、トゥーラン、イオスなどゴルフファミリーを形成しました。



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フォルクスワーゲン・ゴルフVシリーズの派生車種



また、ゴルフは2009年に6代目へと進化しましたが、プラットフォームなどはゴルフⅤをキャリーオーバー。

ヴァリアントはフロントマスクなどのデザインを変更し販売されました。



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フォルクスワーゲンの歴代ワゴンモデルを振り返る

ゴルフⅦ(2014年)
7代目となったゴルフVIIの大きなトピックスはMQBプラットフォームを採用したこと。MQBとは「アクセルペダルから前輪車軸までの距離」および「エンジンの搭載方法」などをすべてのモデルで共通化。効率化とデザインの自由度を両立することが可能となるモジュール化戦略です。



ゴルフVIIにラインアップされたゴルフヴァリアントはハッチバックをベースに全長を30mm拡大。ラゲッジ容量は605リットルを実現しました。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(4代目)の走行写真



ゴルフヴァリアントには最低地上高を165mmに高めた派生車種のオールトラックも追加。新たなゴルフファミリーとして人気モデルとなりました。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(4代目)の オールトラックのエクステリア

ゴルフVIII(2021年)
現行モデルとなる8代目ゴルフ(ゴルフVIII)は2021年に登場。主力モデルのパワーユニットがマイルドハイブリッドになるなど電動化が進められていることが先代との大きな違いです。



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フォルクスワーゲン・ゴルフVIIIのエクステリア



ゴルフVIIIにもステーションワゴンのヴァリアントがラインアップ。先代までとは違い、ハッチバックから全長だけでなくホイールベースも延長(50mm)したことやリヤクオーターピラーを傾斜させたことでスタイリッシュなフォルムとなりました。



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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント(5代目)のエクステリア



ただ、ラゲッジが犠牲になっているわけでなく、むしろ容量は先代から拡大(611mm)。使い勝手や実用性がさらに高められています。



少しサイズの大きいパサートも使い勝手抜群!

パサートヴァリアント(ワゴン)

B3(1990年)
アウディ80をベースに開発された初代パサートが登場したのは1973年。初代、2代目は日本にも導入されましたがセダンのみが販売されています。



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フォルクスワーゲン・パサート(初代)のエクステリア



パサートのステーションワゴンが初めて国内販売されたのが3代目。2代目までアウディ80とエンジン縦置きFFプラットフォームを共有していましたが、3代目からエンジン横置きFFレイアウトを採用したことが大きなトピックスです。



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フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント(初代)のエクステリア



後席を倒したラゲッジ最大容量が1500リットルと実用性は十分。グリルレスのフロントマスクがエクステリアデザインの大きな特徴でした。
B4(1993年)
4代目パサートが1993年にデビューしましたが、プラットフォームをはじめ多くのメカニズムは3代目から流用されています。



ステーションワゴンのヴァリアントも引き続き用意されましたが、先代と大きく異なるのがフロントフェイスにグリルが備わったこと。



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フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント(2代目)のエクステリア



グリルレスフロントマスクがユーザーから不評だったことがグリル装着の大きな理由ですが、4代目のマスクは「ハッピーフェイス」と呼ばれ、その後、多くのフォルクスワーゲン車に採用されました。
B5(1998年)
3、4代目はオリジナルシャシーを装備したパサートでしたが、5代目はアウディA4と共用プラットフォームを採用。再び、エンジン縦置きFFレイアウトとなりました。



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フォルクスワーゲン・パサート(5代目)とパサート ヴァリアント(3代目)の2台並び



レイアウトが変更されただけでなく、歴代モデルと比べ5代目は大幅な高級化を実現。最上級グレードにはW型8気筒エンジンも搭載されています。



また、ステーションワゴンはヴァリアントからパサートワゴンに車名を変更。ラゲッジ最大容量は1600リットルに拡大するなど実用性も大きく向上しています。
B6(2006年)
6代目となったパサートは駆動方式を再度、エンジン横置きFFレイアウトに変更。プラットフォームもアウディA4との共有ではなく、ゴルフⅤ用を拡大したものを採用しています。



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フォルクスワーゲン・パサート(6代目)のエクステリア



また、ステーションワゴンもパサートワゴンからパサートヴァリアントに再度変更。ラゲッジ最大容量も1731リットルとさらに拡大しました。



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フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント(4代目)のエクステリア



先代に搭載されたW型エンジンは廃止されましたが、最上級グレードとして3.6リッターV6エンジン搭載車も設定。セダン、ワゴンのほかに当時、世界的に流行していた4ドアクーペのパサートCCが新たにラインアップされています。



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フォルクスワーゲン・パサートCCのエクステリア

B7(2010年)
2010年、6代目のメカニズムはそのままに、エクステリアデザインなどを変更した7代目パサートが登場。先代は「ワッペングリル」と呼ばれるフォルクスワーゲンの特徴的なグリルでしたが、7代目となり横ルーバーのグリルに変更されています。



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フォルクスワーゲン・パサート(7代目)とパサート ヴァリアント(5代目)の2台並び



ビッグマイナーチェンジともいえるモデルチェンジですが、先代には用意されなかった1.4リッターダウンサイジングターボエンジンを搭載するなど、新たなトレンドも採用。



ヴァリアントも高い実用性はそのままで質感もさらに向上。インテリアもシンプルなデザインとはいえ木目調パネルとアルミ加飾などにより上質な雰囲気を漂わせていました。



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フォルクスワーゲン・パサート(7代目)のインテリア

B8(2015年)
8代目となったパサートの大きなトピックスはゴルフVIIから採用されたMQBプラットフォームを採用したこと。パワーユニットもMQB設計のアルミ製ユニットに変更されています。



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フォルクスワーゲン・パサート(8代目)のエクステリア



ステーションワゴンのヴァリアントもセダンとともにラインアップ。ラゲッジ容量は最大1780リットルとさらに拡大。ユーティリティ性能はさらに高まりました。



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フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント(6代目)のエクステリア



パワーユニットは先代から引き続き1.4リッター直4ダウンサイジングターボエンジンを中心にラインアップ。現在は1.5リッター直4ガソリンと2リッター直4ディーゼルエンジンがラインアップされています。



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フォルクスワーゲン・パサート(8代目)のエンジンルーム



パサートヴァリアントは近々、フルモデルチェンジで9代目が登場すると予想され、新型はPHEVなどがラインアップすると見られています。



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フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント(7代目)のテスト車両の2台並び

アルテオン・シューティングブレイク(2020年)
フォルクスワーゲンのフラッグシップモデルとして2017年に登場したアルテオン。
ワイド&ローのスタイリッシュなプロポーションを備えた4ドアクーペとともに、ステーションワゴンのシューティングブレークが用意されています。



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フォルクスワーゲン・アルテオン シューティングブレークのエクステリア



シューティングブレークは4ドアクーペのデビューから遅れること3年後の2020年に登場。メルセデス・ベンツCLSなどと同様に流麗なステーションワゴンに仕立てられました。



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フォルクスワーゲン・アルテオン シューティングブレークのリヤビュー



ラゲッジ容量は565リットル。650リットルを誇るパサートヴァリアントより狭いスペースですが、このクルマは実用性よりスタイル重視なステーションワゴン。4ドアクーペとともに、他のフォルクスワーゲン車が備えていない華やかさを身につけているのが特徴です。



ただ、アルテオンは近い将来、生産終了となることがすでに発表されています。スタイリッシュなアルテオン・シューティングブレークを新車で手に入れるならいましかありません。



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フォルクスワーゲン・アルテオン シューティングブレークの走行写真



まとめ

ハッチバックのゴルフ、セダンのパサートをベースにしたフォルクスワーゲンのステーションワゴンは実用性という部分ではとくに注目したい1台です。



また、スタイリッシュなアルテオン・シューティングブレークも魅力。冒頭にも書きましたが、ワゴン好きにとって多彩なモデルをラインアップしているため、フォルクスワーゲンのステーションワゴンはありがたい存在です。



ただ、本国ドイツでも他国同様、ステーションワゴンよりSUVの人気が高まっているのが現状。今後、フォルクスワーゲンがステーションワゴンを引き続きラインアップしていくかに注目です。

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