この記事をまとめると
■マツダが特別仕様車「レトロスポーツエディション」を発表した■「CX-5」「CX-30」「MAZDA3」に設定されている
■「CX-5」「CX-30」に関しては商品改良も行われた
オシャレなボディカラーをまとった特別仕様車が3モデルに登場
マツダが特別仕様車「レトロスポーツエディション」シリーズを発表、10月中旬から発売開始となる。シリーズと銘打つだけあって、CX-5、CX-30、MAZDA3(セダン・ファストバック)と4タイプを一気に設定している。
「レトロスポーツエディション」という名前の由来は、レトロモダンとスポーティを融合したカラーコーディネートにある。

この新しい「レトロスポーツエディション」シリーズで注目したいのは、その生まれた背景だ。
イメージカラーのジルコンサンドメタリック自体は、じつはCX-5に初採用されたカラーで、CX-5との組み合わせにおいては、SUVらしいアースカラーといった印象だった。しかし、2022年12月にロードスターに設定されると、ジルコンサンドメタリックが持つ独特の魅力に気づかされることになった。

「ジルコンサンド」は鋳物の砂型に使われる砂のこと。SUVでは定番となりつつあるカーキ系統の遊びココロのある色だが、ロードスターというライトウェイトスポーツカーとの組み合わせが、カフェレーサー的なビンテージスポーツの世界観を表現できるという発見は、昨年のボディカラー追加時に話題になったところだ。

今回、設定された各モデルには、スポーティテイストでコストパフォーマンスに優秀な仕様として定評ある「ブラックトーンエディション」グレードをラインアップしている。
そのブラックトーンエディションをベースにした特別仕様車が、レトロ風味を加えた上質志向のスポーティバージョン「レトロスポーツエディション」である。

インテリアに採用されたテラコッタのシートもロードスターではおなじみの色味である。ボディカラーはジルコンサンドメタリック以外も選べるが、レトロスポーツエディションの世界観を存分に味わうのであれば、推奨のカラーコーディネートを選びたい。

まさしく、マツダのスポーツスピリットの原点にロードスターが存在しているからこそ生まれた特別仕様車シリーズといえる。
CX-5とCX-30は商品改良も実施
3モデルに同時展開されるのも、単一機種としてではなく、マツダが考える新しいスポーティグレードの姿としての提案と理解すべきだろう。
なお、「レトロスポーツエディション」の設定にあわせて、CX-5、CX-30の両モデルは商品改良を実施している。
CX-5については別記事で紹介しているので、くわしくはリンク先の記事を御覧いただきたいが、MT設定がなくなったことは古典的なスポーツ志向ユーザーにとっては残念なところ。CX-30についても同様にMT設定が廃止された。

ただし、CX-30は全グレードで10.25インチのセンターディスプレイを設定したほか、上級グレードでは360°ビューモニターの標準装備など機能を充実させている。
また、MAZDA3のレトロスポーツエディションについては、e-SKYACTIV G 2.0を積んだ20SのFF車と、e-SKYACTIV Xを搭載するXの4WDにはMTが設定されている(いずれもファストバックのみ)。MTを駆使することで古典的なスポーツドライビングを楽しみたいというのであれば、MAZDA3という選択肢が残っている点は、むしろマツダの良心と捉えるべきだろう。

なお、CX-30とMAZDA3のレトロスポーツエディションでは、運転席10Wayパワーシートや運転席&助手席シートヒーター、ボーズサウンドシステムなどが標準装備となっているのも、レトロスポーツエディションが上級志向のスポーティバージョンであることを示している。