この記事をまとめると
■クルマにはピクトグラムで表現されたさまざまな表示灯/警告灯が用意されている



■オイル警告灯はなんとなく意味がわかるがエンジン警告灯やブレーキ警告灯はわかりずらい



■リヤフォグランプ表示灯のピクトグラムは見ただけでは何を意味するのかわからない



メーターパネルにあるピクトグラムの各種警告灯

クルマのインパネ内にはさまざまな表示灯ならびに警告灯が用意されており、それらが状況に応じて適切に点灯することで、ドライバーに注意を喚起し、安全に運行させることを可能にしている。



そしてそれら表示灯/警告灯はいわゆるピクトグラム(情報を誰にでも伝わりやすいデザインに単純化したサイン)であるため、いつ、どなたがお作りになったものかは存じ上げぬが、まぁよくできている。



そもそもは点灯する色によって緊急性がわかりやすく区分されており(赤色=危険、黄色=注意、緑色=安全)、クルマのメカニズムにはちんぷんかんぷんな人であっても、何かこうオイルの壺っぽいものから液体がぽたぽた落ちているピクトグラムが赤色で点灯すれば、「……よくわからないが、たぶんオイル関係の何かがヤバいのだろう」と直感的にわかるはず。

クルマの表示灯ならびに警告灯をデザインしてくださったデザイナーさんに感謝、である。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変...の画像はこちら >>



とはいえインパネ内のピクトグラムがデザインされてから早ウン十年。いまとなってはいささかわかりにくいものも散見されるため、そろそろ一部を改変すべきタイミングに来ているのではないかとも思うのだ。



たとえばエンジン警告灯である。



ご存じのとおりエンジン警告灯は、エンジンかトランスミッションに異常があると黄色で点灯し、「このまま対処せずに運転を続けると、エンジンにダメージを与えてしまいかねませんよ」ということを教えてくれるピクトグラムである。が、そのデザインが非常にわかりにくい。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
エンジン警告灯のピクトグラム



いや筆者のような昭和のおっさんは、あのピクトグラムに十分慣れ親しんでいるため、違和感も不明点もない。だが、あの大昔のキャブ式直列エンジンみたいな絵面を「エンジンである」とするのは、平成世代の各位にはかなりキツイのではないか。ましてや、これから運転免許を取得する令和世代の各位には「……おじいちゃんが毎日聴いてるビートルズの『イエローサブマリン』に関する何かかな?」としか思ってもらえない可能性がある。将来の安全のため、早急な対処が必要だ。



また同様に「ブレーキ警告灯」も、平成世代ならびに令和世代にとっては意味不明となるリスクをはらんでいる。あれはご承知のとおり円形の左右にブレーキライニング(摩擦材)が描かれ、そんでもって円の中央に「!」と記されているわけだが、あれを「あぁ、ブレーキだな」と直感できるのは、ドラムブレーキという過去の遺物を知っている中高年だけだろう。

ディスクブレーキしか知らないいまどきの若衆は「……よくわからないが、何かが『!』と言っている」としか思えないはずだ。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
ブレーキ警告灯のピクトグラム



ディスクブレーキの構造をシンプルなピクトグラム形式で描くのは至難の業とは思うが、ぜひ世界のデザイナー陣の叡智を結集させ、なんとかしていただきたいと切に願う。



ちなみに「ABS &ブレーキアシスト警告灯」は、同様のドラムブレーキの中心に文字で「ABS」と書かれているため一目瞭然ではあるのだが、これもブレーキ警告灯の刷新と同時に刷新されるべきものだろう。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
ABS&ブレーキアシスト警告灯のピクトグラム



リヤフォグランプ表示灯のピクトグラム、お前はダメだ!

そのほかのピクトグラムはおおむねその意味するところが一目瞭然であり、正直「さすがはプロのデザイナー!」と思う。まぁハイブリッド車に用意される「ハイブリッドシステム異常警告灯」はちょっとよくわからないが、真っ赤なクルマのど真ん中にでっかく「!」と表示されれば、ハイブリッドシステムに不案内な者でも、「なんだかよくわからないが、自分のクルマ全体に大変なことが起きている……」と直感できるため、あれはあれで問題ないはずだ。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
ハイブリッドシステム異常警告灯のピクトグラム



それでも残る問題のひとつは「リヤフォグランプ表示灯」だろうか。



ご承知のとおり、「フロントフォグランプ表示灯」は、向かって左側のやや下方向に、霧を表す波線を通過するビーム状の光が放たれている図がピクトグラムで描かれている。それに対して「リヤフォグランプ表示灯」は、向かって右の水平方向に、同じく霧を表す波線を通過するビーム状の光が描写されている。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
リヤフォグランプ表示灯のピクトグラム



……ということを、こうして文字で書けば「あぁなるほど」と誰にでもわかるはずだが、ただただあのピクトグラムを見ただけでは何のことかわからず、「……よくわからんけど、とりあえず点けとくか。暗いし」みたいな感じで、霧も出てないのに前後のフォグランプを走行中に点灯させ、前後のドライバーを(とくに後方のドライバー)をイラつかせるという、安全で円滑な交通の維持に多大なる悪影響を及ぼすドライバーが続出する危険性がある。



また、リヤフォグ問題については「確信犯的に(晴れてるのに)リヤフォグ点けて走ってる奴は低能!」的な議論があり、筆者も、晴天時にリヤフォグを点灯させているドライバーは裁判なしで死刑にしても良いと思っている。



だがあれも、もしかしたらリヤフォグランプ表示灯のピクトグラムはわかりづらいがゆえに、本人としてはフロントフォグを点灯させているつもりで、誤ってリアフォグを点灯させてしまっているだけかもしれないので、「死刑はやりすぎかな?」とも思う。



なんだかわかりづらすぎません? 時代も変わったしそろそろ改変すべきクルマのメーター内の「警告灯デザイン」5つ
リヤフォグランプを点灯させたクルマ



とはいえ晴天時にフロントフォグを点けるという魂胆も決して許せるものではないので、裁判のうえ禁錮6カ月ぐらいに処し、そのうえでフォグランプ関係の表示灯デザインを刷新させるのが現実的だろう。



そのほかでは、筆者が乗っていたA型のスバル・レヴォーグでひんぱんに点灯した「ADB警告灯」「RAB警告灯」などの“意味”がさっぱりわからない──という問題があるのだが、これは時代に対してアップデートできていない筆者個人の責任であり、表示灯/警告灯デザインのせいではない。

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