この記事をまとめると
■新車で買える軽さが光るライトウェイトスポーツを紹介



■ひと昔前のF1並のパワーウエイトレシオをもつクルマも選べる



■馬力は低くても軽いことによって楽しいドライブフィーリングが味わえる



スポーツカーに大切なのは軽さ!

軽いクルマはそれだけでスポーティ、クルマ好きなら誰もが認める真理に違いありません。パワーが足りず、タイヤもショボい、おまけに重心が妙に高い、などとビハインドがいくつあっても、車体さえ軽ければ物理の女神は微笑み、それはもう胸のすくドライビングが可能となるのです。



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このセオリーに真正面から向き合い、軽量化に血道をあげているモデルは思いのほかたくさんあります。

ハイパワー&ゴージャスなシャシーもスポーツカーの王道ではありますが、ひたすらに軽量を求めてファン・トゥ・ドライブを実現しているクルマたちをご紹介しましょう。



ケーターハム・セブン170

「軽さは正義」という理念を貫き続けてきたケーターハムが、スズキの658ccターボエンジンを選んだのはさすがの慧眼と言わざるを得ません。乾燥重量440kgを実現し、85馬力の最高出力はウェイトパワーレシオ5.18kg/psとひと昔前のF1並みといったら驚かれるでしょうか。初めて乗る方は10mも進まないうちに快哉の叫びが出ること、請け合いです。



「軽い」ってだけで「楽しい」は真理! 装備だらけで重くなりがちな現代でも生き残ってる「ライトウェイト」なクルマ4台
ケーターハム・セブン170



また、わずか85馬力と侮ることなかれ、同社のアルミハニカムを駆使したシャシーはネイティブながら、理想的な重量配分によって、それこそ動的資質はF1に等しいもの。並み居るハイパースポーツを鼻で笑えるドライバビリティを誇るのです。



ただし、円安の影響からか2021年のデビューから200万円近く値上がりして、いまや700万円オーバーというのは悔しいところ。軽さの代償としては、いささかパンチが効いているといわざるを得ません。



ロードスター S(6速MT)

初代からロードスターは「吊るし」、いろいろな付加物がのっていないモデルが最良ではないでしょうか。現行のNDでは廃番となってしまったものの、LSDやパワステを省いたNAロードスターに設定されていたS、あるいはブレンボのブレーキシステムや軽量ホイールを装備した特別仕様車990Sは、業界諸氏も太鼓判を押す出来ばえ。



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マツダ・ロードスターS



だいたい、NDをはじめロードスターは動的資質の向上をコアに据えて進化してきたモデル。リヤのスタビライザーやLSDは走りの質を高めてくれることは確かですが、それがなくて峠やコースで悔しい思いをするほどでもありません。むしろ、ドライバーのテクニックでもって逆転してみせることこそ、こうしたスポーツカーの醍醐味といえるのではないでしょうか。



なお、現行モデルの中古車は高値安定ながら、歴代Sは手ごろなタマも少なくありません。

過走行のタマが少なくないのは、それだけ走るのが楽しかったことの証左でしょう。



必要なのはパワーではなく軽さ!

スズキ・スイフトスポーツ

いまとなっては絶滅危惧種といっても差し支えないFFホットハッチも、昔は余計な装備がなくて軽量級の最右翼だったかと。それゆえ、スイフトスポーツはロードスターと並んで「気持ち良く走りたい」ユーザーから熱い支持を受けているのでしょう。車重は6速MTで970kg、6速ATを搭載しても990kgですから、「嫁さんが乗れないと困る」という方でもどうにか1トンちょいでブイブイ飛ばせます。



「軽い」ってだけで「楽しい」は真理! 装備だらけで重くなりがちな現代でも生き残ってる「ライトウェイト」なクルマ4台
スズキ・スイフトスポーツ



車体がコンパクトで軽いため、スズキはわりと動くサスセッティングをしています。重心高もさほど低いわけではないので、ヨーモーメントを嫌う向きはカチコチのスプリングがサードパーティからいくつもリリースされており、好みに合わせてカスタムするのも楽しいでしょう。



1.4リッターの直4ターボも吹き上がりがよく、芯のある回転フィールに好感が持てます。軽量を活かしたドライバビリティに加え、こうしたテイストが楽しめることもファンが絶えない理由にほかなりません。



フィアット500 1.2スポーツ

なんだかんだ人気の絶えないチンクエチェントにも、比較的軽量、かつ純粋に5速MTで操る楽しみが味わえるモデルがあります。1.2スポーツはその名のとおり1.2リッターの排気量から69馬力/10.4kgmを発生する直4のSOHC8バルブを搭載し、車重は990kg。お察しのとおり、パフォーマンスはお世辞にも高くありませんし、わりと高い重心位置のせいでオーバーな揺り返しだって無視できません。



「軽い」ってだけで「楽しい」は真理! 装備だらけで重くなりがちな現代でも生き残ってる「ライトウェイト」なクルマ4台
フィアット500 1.2スポーツ



ですが、非力なエンジンをヒィヒィ言わせながら、5速のギヤスケジュールを駆使して走らせるのは、スポーツそのものといって差し支えないでしょう。高いところからいわせてもらえば、その昔、FISCOを駆けていたフレッシュマンの車両だって似たようなものなのです。



パワーではアバルトやマセラティに劣るかもしれませんが、吊るしの1.2でも下り坂なら勝機はなくもないでしょう。そんなド根性バトルが楽しめるというのも、ひとえに軽い車重があってこそ、かもしれません。

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