この記事をまとめると
■中国のIT関連企業Xiaomiが2023年12月29日に同社初のEV「SU7」を公開した■モーターは3種類を用意して航続距離は1200kmを実現するバッテリーを搭載
■先進的な自動運転システムや16.1インチの大型ディスプレイなどを備えたBEVとなる
スマホの一流メーカーが作るEV
興味深いEVが登場した。中国のIT関連企業Xiaomi(シャオミ)は2023年12月29日、同社初の電気自動車(EV)「SU7」のスペックを公開したのだ。
日本でもシャオミの関連商品は購入できるが、日本人にとってはまだ馴染みが薄いブランドかもしれない。
2010年創業と歴史はまだ浅いが、2010年代のスマートフォン普及期に高性能かつリーズナブルな価格設定などが奏功して急成長し、とくに中国国内で高いシェアを誇る。スマートフォンを皮切りに、IT技術を活用した先進的な家電領域にも事業を拡大してきたが、2021年9月にEV開発専業企業を新たに設立。10年間に日本円で1兆円を超える巨額投資を行うとしていた。
今回の発表では、同企業には中国の国内外で3400人のエンジニアと、数百人のテクニカルエキスパートが従事していることを明らかにした。
公開されたシャオミ「SU7」はフルサイズハイパフォーマンス・エコテクノロジーセダンという表現を使う。
技術面について順に見ていく。
まずモーターだが、大きく3タイプある。量産車ベースとなるのは、最高回転する2万1000rpm「V6/V6s」。また、よりハイパフォーマンスな2万7200rpm(最大出力425kW)の「V8s」を2025年までに量産する。さらに、カーボンスリーブローターを使い3万5000rpmを実現するエンジンを現在開発中だ。
次にバッテリーだが、CTBバッテリーという表現だ。
シャオミSU7で搭載するバッテリーの電池容量は最大で150kWhとなり、満充電での航続距離は中国での試験規格CLTCモードで1200km。
車体については、シャオミが「ハイパーダイキャスティング」と呼ぶ、アルミの一体成形方式を使う。こうした方式は、すでにテスラなどが導入しており、トヨタも次世代EV向けに導入するため研究開発を進めている鋳造技術である。
また、自動運転技術について、シャオミ独自のアルゴリズムを用いて自車位置を把握する精度を高め、自動パーキング、市街地走行、高速走行までさまざまな走行シナリオで安定した性能を示すとしている。
車内には、16.1インチの大型ディスプレイをセンターコンソールに置き、ヘッドアップディスプレイなども併用する仕組みだ。
シャオミとしては、自社開発しているオペレーティングシステム「ハイパーOS」を用いたデータプラットフォームによって、「人×クルマ×家」というトータルサポートの実現に向けてEVの量産開発をさらに進めるとしている。

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