この記事をまとめると
■日本をはじめ、世界のレースではさまざまなクラスが混走しているレースがある



■レースによってはかなり速度差が大きいので危険も伴っている



■速いクルマ、遅いクルマを利用しての駆け引きが見所だ



ごった返しているからこそ楽しい!

国内最大級の人気を誇るスーパーGTのGT500クラス/GT300クラスを筆頭に、合計9クラスが集うスーパー耐久など、長距離レースでは複数のクラスの混走で開催するケースが多い。



その傾向は国内のみならず、ハイパーカーとLMGT3を有するWECや20クラス以上に細分化されているニュルブルクリンク24時間レースなど、海外の国際レースでも定着している。



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当然、複数のクラスを混走で争う場合、クラス間のスピード差は大きく、ニュルブルクリンク24時間レースにおいては、トップスピードで100km/h以上のギャップがあることも珍しくない。車速の遅いマシンは、車速の速いマシンにとってはまさに“動くパイロン”のような状態となることから、しばしば、バックマーカーを処理する際に異なるクラスの車両が接触するなどアクシデントが発生。



凄まじい速度差にドライバーは神経をすり減らす! 見ているほうはエキサイティングそのものの「クラス混走レース」の魅力とは
ニュルブルクリンク24時間レース



多クラス混走のレースでは多重クラッシュが発生するリスクがつきまとうものだが、それを差し引いても複数のクラスが混走するレースはじつに魅力的で、時としてドラマチックなバトルが演出されているのである。



スーパーGTを例に見れば、スタートから数ラップでバックマーカーが発生し、GT500とGT300が入り混じる戦いとなるが、そこからが本格的な勝負で、GT500車両は車速の低いGT300車両を利用していかにライバルとのギャップを広げるのかor縮めるのか、GT300車両は車速の高いGT500車両をいかにロスなく先行させて、GT300のライバル車両とのバトルを優位に進めるのかが勝負のポイントとなる。



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スーパーGTのイメージ



さらに9つのクラスを有するスーパー耐久は、スーパーGTよりもレース時間が長く、クラス数が多いことから、より激しいバトルを展開。レース序盤をリードしていたマシンが中盤には最下位に後退、さらに終盤では再びトップへ浮上……といったシーソーゲームがしばしば展開されることも混走レースの魅力で、仮に各クラスを単独でレースを行えば味気のないものになるだろう。



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スーパー耐久のイメージ



つまり、複数クラスの混走レースはアクシデントが発生する可能性はつきまとうものの、同時にほかのクラスの車両がレース展開を面白くする存在で、より多彩なバトルが繰り広げられているのである。