この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権第6戦「ARKラリー・カムイ」にマツダCX-5がラリーデビューした



■CX-5のドライバーとコ・ドライバーはマツダ社員の寺川選手・石川選手という夫婦コンビ



■CX-5はデビュー戦をXC-2クラスの2位でフィニッシュした



マツダ社員夫婦のドライブでCX-5がラリーデビュー

全日本ラリー選手権・第6戦「ARKラリー・カムイ」が 7月5~7日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催。同ラリーでは激しいタイム争いの末、シュコダ・ファビアR5を駆る新井大輝選手が最高峰のJN1クラスで今季4勝目を獲得したが、それ以上に注目を集めていたのが、マツダのSUV「CX-5」が国内ラリーにデビューしたことだろう。



全日本ラリー選手権と併催されたXCRスプリントカップ北海道の第3戦にTCP-MAGICがCX-5を投入。

同シリーズは2022年にSUVおよびクロスカントリー車両を対象にしたスプリントラリーシリーズで、73号車「TOYO TIRES MAZDA CX-5」が、全日本シリーズでも人気の高いグラベル戦にチャレンジしたのである。



マツダの社員夫婦がCX-5で全日本ラリーに参戦! デビュー戦...の画像はこちら >>



ドライバーとして同モデルのステアリングを握っていたのはマツダの開発チームでテストドライビングを担当するほか、スーパー耐久や全日本ラリー選手権などモータースポーツシーンにおいても豊富な経験をもつ寺川和紘選手で、寺川選手の奥様、石川美代子選手がコ・ドライバーを担当。ちなみに石川選手もマツダのエンジニアで、寺川選手のラリー活動では常にコ・ドライバーを担当するなど、多くのモータースポーツの経験を持つ。



マツダの社員夫婦がCX-5で全日本ラリーに参戦! デビュー戦で見事クラス2位を獲得!!
マツダCX-5のドライバーの寺川選手とコ・ドライバーの石川選手



気になるマシンに関しては、ロールゲージ、サスペンション、ブレーキパッド、アンダーガード、シートを除けばノーマルの状態で、寺川選手によれば「エンジンはコンピュータを含めてノーマルです。デフやギヤボックス、ブレーキキャリパー、マフラーも交換していないので、市販モデルに近い状態です」とのこと。



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マツダCX-5ラリーカーのインテリア



コースの下見となる“レッキ”をCX-5で行った寺川選手によれば「車格的に轍が合わないので、ドライビングが難しいんですけど、XCRのXC-2クラスでは、トヨタ・ハイラックスなどのライバル車両よりも車両重量が軽いので、そのあたりは有利だと思います。社員ドライバーとしてはクルマの走破性を確認しながら、トラブルが出るようなら、その確認をしていきたい。ラリー競技での可能性を探していきたいと思います」とラリー・カムイへの意気込みを語る。



CX-5は見事に完走しXC-2クラスの2位でフィニッシュ

こうしてCX-5を武器に国内ラリーに挑んだ寺川選手/石川選手は6日のレグ1で安定した走りを披露。当日の天候は曇り/雨、路面はウエットという難しいコンディションとなるなか、寺川選手/石川選手はSS3でXC-2クラスのトップタイムを叩き出すほか、残りのSSでも2番手タイムをマーク。



マツダの社員夫婦がCX-5で全日本ラリーに参戦! デビュー戦で見事クラス2位を獲得!!
「ARKラリー・カムイ」でのマツダCX-5の走行シーン



「車格に対してサスペンションのストロークが足りないので苦労しました。路面は轍が深くて、クルマが跳ねるし、最終SSではシステムエラーが出て、パワーダウンしたんですけど、なんとか走りきれてよかった」と寺川選手が語るように、寺川選手/石川選手の73号車はクラス1番手でレグ1をフィニッシュした。



翌7日のレグ2は朝から雨に祟られ、ウエットかつマディなコンディションのなかでラリーが開催された。この過酷な状況にあっても寺川選手/石川選手はCX-5で安定した走りを披露。寺川選手によれば「今日もシステムのエラーでパワーダウンする頻度が増えていました」とのことだが、73号車は3回のセカンドベストをマークし、CX-5のデビュー戦をXC-2クラスの2位でフィニッシュした。



マツダの社員夫婦がCX-5で全日本ラリーに参戦! デビュー戦で見事クラス2位を獲得!!
「ARKラリー・カムイ」でのマツダCX-5の走行シーン



「まずはクルマが壊れずに完走できたので、ほっとしました。制御のトラブルが出ていたので、次戦には対策できるでしょう」と寺川選手。



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マツダCX-5のドライバーの寺川選手



CP-MAGICの「TOYO TIRES MAZDA CX-5」は9月6~8日にかけて北海道帯広市を舞台に開催される全日本ラリー選手権・第7戦ならびにXCRスプリントカップ北海道・第4戦の「ラリー北海道」にも参戦する予定で、“マッド・マイク”の呼び名で、フォーミュラ・ドリフトで活躍するマイケル・ウィディット選手が石川選手とコンビを組んで参戦する予定だ。



国内屈指の高速グラベルラリーで、ドリフト競技のスペシャリストがどのような走りを披露するのか?  次戦のラリー北海道でもCX-5の動向に注目したい。

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