この記事をまとめると
■F1のチャンピオンドライバーはデビュー時代から頭ひとつ抜けた才能を発揮していた



■いまから約20年ほどのなかで印象的なチャンピオンドライバーのデビュー当時の戦績を紹介



■一部の記録は更新不可能なものもある



F1チャンピオンになる素質はデビュー当時からあった

天賦の才、つまり先天的な才能のことを「天才」というわけだが、F1の世界でも歴史的なチャンピオンになったドライバーは、デビューしたときから別格の存在だった。その別格ぶりを、今シーズンのサマーブレーク中に振り返ってみよう。



●マックス・フェルスタッペン

2021年から2023年まで3年連続ワールドチャンピオンで、2024年もポイント争いをリードし続けているマックス・フェルスタッペン。



彼の本格的な四輪レースデビューは、2014年のヨーロピアンF3で、デビューレースで早速優勝! この年6連勝を含む10勝以上を記録し、この年8月にはレッドブル・ジュニアチームの一員に。

そしてトロ・ロッソのマシンで、2014年の日本GPのフリー走行で、初めてF1のレースウィークにF1マシンをドライブ。



F1チャンピオンはやっぱり普通じゃない! 天才のデビュー時を...の画像はこちら >>



翌2015年から、トロ・ロッソのレギュラードライバーとして契約し、17歳165日で開幕戦オーストラリアGPに出場(リタイア)。第2戦マレーシアGPでは7位になり初ポイントをゲット(17歳180日)。最年少デビューと最年少入賞のふたつの記録を更新した。



マックスのデビュー後、FIAはスーパーライセンスの発給要件を、「18歳以上であること」「自動車の運転免許証を取得していること」「最低2年の下位フォーミュラを経験していること」と改変したため、フェルスタッペンが記録した「最年少記録」は、この年齢条件が変更されない限り、更新される可能性はなくなった。



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ファン対応をするマックス・フェルスタッペン



●ルイス・ハミルトン

7度のワールドチャンピオンに輝く、ルイス・ハミルトン。



F1デビュー前、2005年にF3チャンピオン、2006年にGP2でチャンピオンになり、2007年に名門マクラーレンからF1に参戦。



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マクラーレン在籍時代のルイス・ハミルトン



そのF1デビュー戦、2007年の開幕戦オーストラリアGPでいきなり3位、表彰台!



そこから快進撃がはじまり、第2戦マレーシアGP、第3戦バーレーンGP、第4戦スペインGP、第5戦モナコGPと4戦連続で2位入賞(デビューから3戦連続表彰台だけでも史上初の快挙)。



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マクラーレン在籍時代のモナコGPでの表彰式のルイス・ハミルトン



ハミルトンの勢いは止まらず、第6戦カナダGPでは初のポールポジションを獲得し、決勝もポールトゥーウィンで初優勝!



第7戦アメリカGPでもポールトゥーウィンで2戦連続優勝を果たし、空前絶後のルーキーとなった。



若くしてF1の歴史を塗り替えるほどの活躍ぶり

●セバスチャン・ベッテル

2010年、2011年、2012年、2013年の4タイムチャンピオンのベッテル。



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レッドブル在籍時代のセバスチャン・ベッテルの取材対応



F1では2006年にBMWザウバーのサードドライバーになり、第14戦トルコGPの金曜フリー走行で初走行。ここでなんとトップタイムをマークして一躍注目を集める。



翌2007年の第7戦アメリカGPから正式にF1デビューを果たし8位入賞。19歳349日での入賞は、当時のF1史上最年少入賞記録だった。



同年、第11戦ハンガリーGPからトロ・ロッソのレギュラードライバーに昇格し、第15戦、大雨の日本GP(富士スピードウェイ)では、ベッテル自身&チームとして初めてQ3進出! 決勝でも3周ではあるがラップリーダーに立ち、最年少ラップリーダー記録も更新した。



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レッドブル時代のセバスチャン・ベッテルの取材対応の様子



次の第16戦中国GPでも、戦闘力に劣るトロ・ロッソ STR2で力走し、チームにとって、そしてベッテルにとっても最高位となる4位を獲得している。



●フェルナンド・アロンソ

現役ではF1の最年長ドライバーのフェルナンド・アロンソ(43歳)。



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マクラーレン在籍時代のフェルナンド・アロンソ



2005年と2006年のワールドチャンピオンで、F1デビューは2001年。



契約したチームは弱小チームのミナルディ。開幕戦時のアロンソは、19歳217日で当時史上3番目に若いドライバーとして、F1にデビューした。



それまで最後尾グリッドが定位置だったミナルディのマシンを駆りつつも、アロンソはときおり中段争いに加わり、第12戦ドイツGPでは10位でフィニッシュしている。



2002年はルノーのテストドライバーとなり、2003年にルノーのレギュラードライバーになると、第2戦マレーシアGPで、当時の史上最年少(21歳236日)のポールポジションを記録。決勝でも3位に入り、当時の史上最年少表彰台記録(21歳237日)を得ている。初優勝も2003年第13戦ハンガリーGPで、これも当時の史上最年少優勝記録(22歳26日)だった。



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ルノー在籍時代のフェルナンド・アロンソの表彰式での様子



●キミ・ライコネン

最後はキミ・ライコネン。



1999年と2000年に、フォーミュラ・ルノーで23戦に参戦して13勝。しかし、たったこれだけのフォーミュラ経験で、ペーター・ザウバーにスカウトされ、翌2001年にザウバーからF1デビュー。



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ザウバー在籍時代のキミ・ライコネンのインタビュー風景



あまりに経験が浅いため、FIAは当初ライコネンに、4戦限定のスーパーライセンス(仮ライセンス)を発給。そんな心配をよそに、ライコネンは開幕戦、オーストラリアGPで早くも6位に入賞し、実力を証明。スーパーライセンスも無事正式なものとなった。



第6戦オーストリアGP、第8戦カナダGPでも連続して4位入賞。この年は、ドライバーズランキング10位で締めくくっている。



ワールドチャンピオンになった2007年はマクラーレンからフェラーリに移籍した年。最終戦ブラジルGPは、ランキング3位で迎えたが、大逆転でチャンピオンを獲得。



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フェラーリ在籍時代のキミ・ライコネン



現時点では、フェラーリでチャンピオンになった最後のドライバーとなっている。

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