この記事をまとめると
トヨタ自動車が発起人となって2023年より開催されている「フォーミュラジムカーナ」



■協賛企業は「フォーミュラジムカーナ」を若者たちとのコミュニケーションの場としても捉えている



■フォーミュラジムカーナに参加していたOBがトヨタ自動車の社員として訪れる日が来るかもしれない



2年目になって学生たちの意識が変化

2023年から始まった大学の自動車部のイコールコンディションでの競技ジムカーナ、「フォーミュラジムカーナ」。その発起人ともいえる存在がトヨタ自動車だ。ドラテクと戦略のみが勝敗を決めるこの競技の会場は、リクルーティングの場にもなっている訳だが、TGRのブースにはどんな学生が足を運び、どんなコミュニケーションを取っていたのだろうか?



「フォーミュラジムカーナ」はモータースポーツを楽しむ場という...の画像はこちら >>



学生たちの姿勢の変化

このフォーミュラジムカーナの始まりから、中心として携わるトヨタ自動車として一番うれしく感じているのは、学生たちの姿勢の変化だそうだ。



初年度は「イコールコンディションでの競技の場を提供してもらえた」そんな受け身な姿勢だったが、2年目に突入していくとともに、競技だけでなくリクルーティングの場でもあるこのフォーミュラジムカーナの趣旨を理解し、より自主的に行動する学生が増えたように変化してきたと感じているそうだ。



「フォーミュラジムカーナ」はモータースポーツを楽しむ場というだけじゃない! 「企業」と「熱量の高い学生」のマッチングが興味深い
トヨタの写真と一緒にランチをとる学生たち



それは、学生たちがこの競技の場を提供してもらえたことに対して、協賛企業にどんな行動で感謝を伝えればいいのか? どんな行動が喜ばれるのか? そんなことを考えて行動する姿に現れてきたようだ。



具体的な部分でいえば、大会に向けての事前準備を中心に、いままで以上に部としてのSNSでの情報発信を積極的に行っていることなどが挙げられる。また、1年生の入部が以前よりも増えている参加校が多いのも、学生たちのさらなる自主性の高まりが与えた結果といえるだろう。



なかには兵庫県立大学のように、このフォーミュラジムカーナに憧れて、廃部となっていた自動車部を復活させてエントリーした大学もある。このように0から1を作る学生時代の経験は、社会に出てきっと役立つはずだ。



企業と学生をつなげるツールとなるフォーミュラジムカーナ

自動車部だからこそな人材

さらに、自動車部だからこそな人材を確保できると、トヨタ自動車は改めて実感しているそうだ。今回、さまざまな採用コースを紹介していたが、そのなかでも自動車部との親和性が高いと感じているのが、カスタマーファーストコースだ。



このコースは、アフターサービスでの整備性や体制、補修部品や世品の企画販売などに携わる仕事だが、普段、自身の手でクルマを触る自動車部だからこそ、経験が生きる分野なのではないか? と考えているそうだ。



「フォーミュラジムカーナ」はモータースポーツを楽しむ場というだけじゃない! 「企業」と「熱量の高い学生」のマッチングが興味深い
フォーミュラジムカーナでのタイヤ交換



もちろんそのほかにも多くの採用コースを紹介していたが、取材をしていてすべてのコースで共通していたのは「クルマ好きを採用したい」という思いだ。好きなものに携わる仕事だからこそ、「よりよく」という気もちが生まれるのであろう。



採用へのコミュニケーション

また、採用への具体的なコミュニケーションも印象的であった。職場環境や働き方といった部分もそうだが、どんな役割があるのかといった具体的な入社後の仕事を聞く学生もいれば、やりたいことの具体像が見えている学生も多くいたとのことだ。



「フォーミュラジムカーナ」はモータースポーツを楽しむ場というだけじゃない! 「企業」と「熱量の高い学生」のマッチングが興味深い
フォーミュラジムカーナに協賛するトヨタ・ヴィッツGRMN



「工学部系でなくても入社できるか? その場合どんな役割があるか?」といった学生も多く、卒業してもクルマに携わりたいという学生が、昨年以上に増えている印象を受けているとのこと。



もちろん、入部したての1年生などは、まだ就活といった部分に関して具体的な部分が見えてない者も多いが、展示車に関して、いろいろと聞いている様子もあり、クルマへの熱量が高い学生が多いことが見受けられる風景であった。



フォーミュラジムカーナOBがこのブースにトヨタ自動車の社員として訪れる日もそう遠くないかもしれない。そういった長い目で見ても、注目のイベントといえるだろう。

編集部おすすめ