この記事をまとめると
■スバル製のサンバーが中古車市場で人気になっている■RRで4輪独立懸架式サスペンションを採用するなど個性的な構造も魅力のひとつ
■現在はダイハツ・ハイゼットのOEMモデルとなっている
スバル製サンバーが今大人気!?
スバルの軽商用車として長い歴史を誇るサンバー。現在はスバルが軽自動車の開発・生産から撤退したことを受け、ダイハツのハイゼットのOEMモデルとなっているが、未だにその名前が継続されているモデルだ。
そんなサンバーだが、ダイハツOEMになる前のスバルオリジナルモデルが近年再評価されており、最終型に近く状態のよい人気のグレードでは新車価格を大きく上まわる価格が付けられているほどなのだ。
サンバーは1961年に初代モデルが登場。パワートレインやサスペンションレイアウトなどはスバル360のものを流用したことで、リヤエンジン・リヤドライブ方式と四輪独立サスペンションをもっており、この基本は最終型まで変わることなく採用され続けたのも人気の秘訣といえるだろう。
1966年には2代目、1973年には3代目へとフルモデルチェンジを果たしたサンバーは、軽自動車規格が変更されたことで1976年5月に360ccからエンジンの排気量を拡大。

ただこのときはバンパーの拡大で新規格サイズとし、エンジンの排気量も490ccに留まり、本格的な新規格モデルは翌年5月まで待たなければならなかった。
4WD採用や派生車の誕生などトピックが多かった
そんな3代目サンバー最大のトピックが1980年11月に4WDモデルが追加されたことだろう。これは軽ワンボックスバン/トラックとしては初の4WDモデルとなっており、先駆者となっていたのだった。

そして1982年に4代目、1990年に5代目となったサンバーは、1990年に再び新しくなった軽自動車規格に対応するために、エンジンの排気量が660ccとなる。それまでは直列2気筒エンジンを搭載し続けてきたサンバーだったが、660ccになったタイミングで一気に直列4気筒エンジンに進化。さらに過給機付きモデルとしてスーパーチャージャー仕様がラインアップされたのもトピックだった。

またクラシック風軽自動車の元祖ともいえる「ディアスクラシック」が登場したのもこの代で、もともとはハウステンボスの構内車として開発されたものを東京モーターショーに参考出品したところ、大きな反響を受けて市販化したものだった。

続く6代目サンバーは1999年2月に登場。再び大型化された軽自動車規格に合わせたボディをもっており、人気のクラシックも継続設定された。
結局この6代目サンバーがスバルオリジナルのサンバーとしては最後のモデルとなり、2011年7月には販売50周年を記念する「WRブルーリミテッド」が1000台限定で発売され、こちらも現在ではプレミア価格となっている。

そして翌年の2月末でスバル製のサンバーの生産は終了し、同時にスバルとしての軽自動車の生産も終了することとなり、現在はBRZとGR86の生産ラインに改修されて、このラインが稼働しているのだ。
このように初代から最終型まで一貫してリヤエンジンと四輪独立サスペンションのレイアウトを踏襲しつづけてきたサンバーは、スバルが水平対向エンジン車を作り続けていることから「農道のポルシェ」と評されることもあるが、実際唯一無二の魅力を放っていることは間違いなく、未だに愛用するユーザーが少なくないのも頷けるのである。