走行中はワイパーの音も聞こえにくいほどの高い静粛性を披露

ホンダの人気軽自動車「N-WGN」がフルモデルチェンジを果たした。販売面では主力車種である「N-BOX」の陰に隠れてしまい、他社の競合車も多いなかで新型はいかなる進化を遂げているのか、さっそく試乗レポートしよう。

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用意されたのはノンターボの「L」とターボ装着モデルの「カスタムLターボ」の2タイプ。

どちらにもホンダの安全運転支援機能である「ホンダセンシング」が標準装備されている。まずはノンターボLに乗る。外観のイメージは大きく変更された。これまでの「オラオラ」系フロントマスクは愛嬌のある可愛らしいデザインとなり、サイドビューもリヤまわりもすっきりしたデザインとなった。個人的には従来モデルの方が好みだが、販売現場の要望を反映し、とくに女性受けを意識したような印象を受ける。
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インテリアはコクピットパネルがツートーンで仕上げられ見栄えがいい。8インチの大型モニターが備わり、視認性も操作性も申し分ない。

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運転席にはシートヒーターが備わり(4WD仕様は前席左右に標準化されている)、USBジャックも3個と充実している(ギャザス ナビゲーション装着車の場合)。

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シートやドライビングポジションが見直され、表面は柔らかくも骨格のしっかりしたシートと25mm高くなったフロアで、ペダルレイアウトにも拘り小柄な女性にもフィットしやすくなったという。ステアリングにはテレスコピックとチルトが共に30mmの調整範囲ながら備わり、自分好みに調整できるようにもなった。

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エンジンを始動すると、極めて優れた遮音性と防振性能が発揮され車内は「これが軽自動車か!?」と思わされるほどに静か。試乗当日はあいにくの大雨で時折強風も吹き悪コンディションだったが、車内に入ると静かで落ち着いた環境が保たれていて安心感さえ感じられた。

ワイパーを作動させると作動音がまったくしないと感じるほど。ワイパーブレードが音もなくフロントウインドウを払拭し視界を拡げる。こんなに静かなワイパーは登録車にもあまりないだろう。しかもワイパーは降りた位置ではまったく見えず完全に格納されるなど手が込んでいる。



ノンターボでも高速道路は安定していて走りやすい

シフトレバーをDレンジに入れ走行開始。これまでDレンジの下にはLレンジがあったが、今回からSレンジに改められエンジンブレーキ制御などプログラミングも見直されている。最上部のPから下に一気にレバーを下げるとDレンジを通り過ぎてSレンジに入ってしまうのは従来から指摘されていたことだが、残念ながら今回は改善されていなかった。

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走り出しのCVT制御は極めてジェントルであり、低速走行での扱いやすさは車庫入れや駐車操作などで安心感を得られるだろう。電動パワーアシストステアリングはやや操舵力が重い。



走り始めると、タイヤの転動に対し路面からの反力が上手く抑えられ快適で質感の高い乗りに驚かされる。これも軽自動車とは思えないレベルだが、質感の高いN-BOXと同じプラットフォームを共有して仕上げられていると思えば納得できるのだ。

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ノンターボながら動力性能に不足を感じないのもN-BOXと同様だ。しかもエンジン音が室内に入り込まないよう遮音性能も高レベルで、一般道から高速へ乗り入れ車速80km/h域まで加速、クルージングしても静かで余裕の走行だった。

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高速道路ではホンダセンシングによるACC(アダプティブクルーズコントロール)を試す。スイッチを入れるとLKAS(ラインキープアシスタンスシステム)が走行ラインをカメラで読み取りステアリングを調整アシストしてくれる。手放しはできないが結構強めにアシストしてくれているのがわかる。



今回東京湾アクアラインを走行したが、横風が強く雨も激しい悪コンディション。横風に影響を受けやすく走行ラインは左右に振られたが、LKASが何とか車線内を維持するよう頑張っている様子が確認できたわけだ。ノンターボではフロントスタビライザーは備わるがリヤスタビライザーは省かれ、タイヤも14インチのエコタイヤと若干プアな組み合わせなので高速直進性は期待値に届いていなかった。

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ターボは低速トルクの力強さが光る!

次にカスタムのLターボに乗り換える。ターボはリヤスタビライザーも追加され、タイヤも15インチにインチップされているので走行安定性が格段に高められている。サスペンションスプリングも強化されていることから乗り心地は固く感じられる。シートの材質や座り心地も固めで、ブラックに統一された内装やルーフライナーの効果もありスポーティ感は抜群だ。

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ターボが装着されたエンジンは、とくに低速トルクの力強さとピックアップレスポンスに優れ、動力性能は120km/hの新東名高速でも不足を感じないだろう。ACCは135km/hまで設定可能で、完全停止から再スタートまでアシストする全車速対応でもあり、渋滞時の披露軽減効果も期待できる。

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外装はスポーティさを強調し、こちらは若い男性にピッタリの出で立ちだ。さらにオプションパーツも豊富に用意されており、個性的に仕上げる事も可能だ。

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ターボもノンターボのリヤシートは左右分割でないが、前後スライドとリクライニング(これは左右分割可倒)機能は備わる。軽自動車とは思えない広い後席スペースは継承されているが、4人乗車機会が多いならやはりN-BOXの方が実用的だ。相変わらずルームミラーに防眩機構が備わっていないことには今回も注文をつけておきたい。

【試乗】軽らしからぬ静粛性と高い実用性! 新型ホンダN-WGNはN-BOX譲りの高い完成度
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