広州もタクシーといえばフォルクスワーゲンが主流

筆者が初めて広州を訪れた15年ほど前は市内のタクシーといえばVW(フォルクスワーゲン)サンタナが圧倒的に多かった。サンタナは日本でも1984年から一時期日産の工場でノックダウン生産されていたモデルだが、中国でもほぼ同時期から、上海汽車との合弁会社である“上海大衆汽車(大衆はフォルクスワーゲンの意味)”で現地生産されていた。何度も改良を繰り返し、生産を上海汽車関連工場に移しながら2012年に2代目が登場する直前まで生産が続けられ、広州だけでなく上海など多くの中国の都市でタクシーとして活躍していた。

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ただ北京だけは伝統的にCセグメントセダンがタクシー車両として使われ、筆者が初めて訪れた15年ほど前は、ゴルフ2のころのジェッタやシトロエンZXベースのセダン、そしてヒュンダイ・エラントラがちょうど走りはじめていた。



サンタナがまだまだ現役の時代から、韓国ヒュンダイグループも中国でのタクシー車両販売に積極的であった。5代目ヒュンダイ・ソナタベースの北京現代オリジナルモデルや、起亜ブランドの同クラスセダンなどのタクシーが広州市内でも一気に増えてきた。このようななか、細々とだが中国メーカーオリジナルのタクシーも存在。だが当時の中国車はまだ耐久性能に問題があったようで、かなりヨレヨレの状態で走っていた。



サンタナの2代目はコンパクトセダンとなり、ソナタベースのヒュンダイや起亜のタクシー車両も生産終了すると、広州市内のタクシーもダウンサイズとなり、ヒュンダイ・エラントラの新型タクシーが走るようになった。そして、このままヒュンダイだらけになるのかなあと思っていたら、BEV(純電気自動車)タクシーが登場してきたのである。



中国ブランドの電気自動車もタクシーとして多く走り始めた

2018年には北京汽車製の“EU”という、バッテリー脱着式のBEVタクシーと、地元広州汽車の広汽新能源のGE3の2台のBEVタクシーが走り始めた。この少し前には広州豊田で生産している、カローラの兄弟車レビンのHEV(ハイブリッド)タクシーも走り始めた。



そして2019年に1年ぶりに広州市内を訪れると、さらに新しいBEVタクシーが増えていた。まずは地元、広汽新能源のBEVで広汽豊田ブランドに兄弟車のあるAion Sのタクシー、そして隣町ともいえる深センに本拠地のあるBYDのe5というモデル、そして上海汽車の栄威(ロエベ)ブランドのEi5というステーションワゴンスタイルのBEVタクシーが街なかを走っていた。単一車種ではエラントラが目立つものの、ガス燃料(広州はガス)と電気自動車の比率は、若干ガス系が多いほどでほぼ拮抗して見えた。

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少し前はその数で広州が世界一ともいわれたライドシェアでは、ほとんど白いボディカラーのCセグメントサイズセダンのBEVが使われていた。BEVの普及が進んでいるといわれる中国。一般ユーザーの所有も当然増えているのだが、街なかで見かけるBEVはタクシーやライドシェアで使われているクルマが圧倒的に多いのが現状。手厚い補助金(最近減ったが)などを用意しても、政府の思うような普及がなかなか望めないのが実状のようだ。今回の広州ショーの会場でも、環境性能の高いガソリンエンジン搭載車を積極的に発表する中国メーカーが目立っていた。

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ただ市内中心部を走る路線バスは9割近くがBEVとなっており、残りもPHEVが目立っている。タクシーも順調に代替えが進めばすべてBEVになる日も近いかもしれない。公共交通機関についてはスピード感を持ってBEV化が進んでいる。



そのせいもあるのか、街を走るクルマのなかでのBEV比率が日本より圧倒的に多く、日本ではディーゼルばかりの路線バスだが広州ではほぼほぼすべてBEVとなっているので、クルマが走っていても、日本よりも静かな印象を受けた。電動化が進むとこうなっていくんだと感じるとともに、日本はやはり遅れているのかなぁとも感じた。

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