方向性パターンの採用で耐ハイドロプレーニング性能は約5%向上

タイヤのトレッドパターンには、次の3つの種類がある。



1.一般的な「対象パターン」(前後左右どの位置にも装着できる)



2.最近増えてきている「非対称パターン」(外側のブロックを大きめにして、コーナリング性能を向上させている。装着時の裏表が指定されている)



3.ハイパフォーマンスタイヤに多い「方向性パターン」(ユニディレクションパターン)



このうち「方向性パターン」のタイヤは、文字どおり回転方向が指定されているタイヤ。

排水のための溝の彫り方に方向性を持たせ、ブロックやリブの面積をできるだけ増やしてグリップ力を向上させ、なおかつ排水性を高めることを狙っている。



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「方向性パターン」は矢印のような角度のついたデザインなので、地面を水を切り裂き、トレッドの両端から水を勢いよく吐き出せるのが特徴で、ロープロファイルで幅広のタイヤの場合、とくにドライグリップとウエットグリップを両立させるのに有効。



「方向性パターン」を採用すると、他の条件が同じ場合、耐ハイドロプレーニング性能はおよそ5%もアップするといわれている。



本来のタイヤの性能がまったく発揮できない!

その高性能の秘密が「回転方向を指定する」ことにあるので、もしもその回転方向を間違って反対方向に組んでしまうと、タイヤのパフォーマンスはかなり低下することになるだろう。



とくに、前記のとおり、ウエット時の排水性能は極端にダウンし、ハイドロプレーニング現象の発生するリスクは普通のタイヤ以上に高くなる。



回転方向指定のタイヤの効果とは? 逆に付けるとどうなるのか



またドライ路面でも、グリップ力、コーナリング性能、制動力なども、本来の性能はまったく期待できないと思っていい。



タイヤノイズも間違いなくうるさくなるので、失うものが大き過ぎる……。



したがって「方向性パターン」のタイヤを装着している人はタイヤを脱着したり、ローテーションをするときに、方向性を確実にチェックして正しい方向で装着しよう。

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