ライバル車との差別化を図るために誕生した
ドイツBMWのフロントグリルは、キドニーグリルと呼ばれ、世界の自動車メーカーのなかでも特徴的かつ伝統的、そして多くの人々に認識されているのではないか。キドニーとは、左右対称の臓器である腎臓のことだ。
BMWがキドニーグリルを採用したのは、1933年に同社がはじめて独自に製造した303という乗用車だった。
したがってクルマの顔つきがいずれも似たような格好になったのは、やむをえないことだった。それでも何か目立つ方法はないかと考えられたのが、今日のキドニーグリルのもとになる造形だ。ラジエターに、ひとつの造形の表現として左右対称の縁取りをもたせ、ラジエターを浮き立たせたように目立つものになった。
戦後になって、新しい時代のクルマを作ろうと設計され、1961年に生産が開始されたBMW1500以降、継続的にキドニーグリルが使われるようになった。BMW1500とは、その後、2000ccエンジンを搭載した2002となって広く親しまれ、その後継が現在の3シリーズである。今日、BMWの中核となるのは変わらず3シリーズであり、その魅力が継承されている背景には、新しい時代のクルマを生み出そうとした社史を受け継ぐ哲学がもっとも活きる車種ということがあるのではないか。
もうひとつのアイコンであるロゴはプロペラがモチーフと言われる
BMWでもうひとつ特徴として語られてきたのが、青と白を染め分けた丸いロゴだ。BMWの前身とされ1913年に創業した航空機エンジンの開発と製造をしていたラップ(RAPP)社を原点とすることから、プロペラ機の羽が回転する様子を表したロゴだと伝えられてきた。しかし、その伝説は正式なものではなく、ある種の都市伝説的な言い伝えであるという。
1917年のBMW創業時のロゴは、ラップ社のロゴを流用しており、その縁取りとして丸いリングで囲っていた。
ちなみに、丸い縁取りの中に交互に並ぶ青と白の色分けは、BMWのBの下が青、Wの下が白の配置であり、青はドイツ語でBlau、白はWeissのスペルで、2色の頭文字のうえにBMWのBとWの文字がうまく配置されている。また、BMW本社があるミュンヘン市が所属するバイエルン州の州旗は、上が白で下が青の配色でもある。

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