48Vのマイルドハイブリッドを搭載したXC40
いまボルボは大きく変わろうとしている。というのも、ボルボは2019年から発売するすべてのクルマを電動車にすると宣言した。純然たる電気自動車であるEVと、プラグインハイブリッドを「リチャージ」と命名、一方48VのISGMを基本としたハイブリッドを「マイルドハイブリッド」としてカテゴリー分けし、その両方、つまり、内燃機関に頼ったモデルとの決別を発表した。
ここで紹介するのは、最新XC40。正式名称は「XC40 B5 AWD R-Design」である。
ちなみに、XC40には「B4」と「B5」のグレードが存在する。ともに直列4気筒2リッターターボを基本とし、48VのISGMと組み合わせたハイブリッドであることには違いはないが、よりパワーアップさせたのが「B5」である。出力の違いでグレード分けしている。
さらに付け加えるならば、ベーシック仕様を「モメンタム」と呼び、高級仕様を「インスクリプション」と命名、そしてスポーツ志向の強いモデルを「R-Design」としている。ボルボの個性を表現する流儀である。
その肝心なパワーユニットは、内燃機関を主体としていながらも、クランクと直結した48VのISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)が、常に加速をアシストするのが特徴だ。モーターだけでは駆動しない。あくまでエンジンのサポート役でしかない。それがトヨタのTHS2に代表されるストロングハイブリッドとの違いである。
アイドルストップからの発進は、いちいちスターターでエンジンを始動させず、クランクに直結したISGMがそのまま駆動するから、始動の際のブルブルした不快感がない。
演出はほぼゼロ! パワフルさだけがハイブリッド感を主張
だから走り味は驚くほど自然である。あからさまに電気モーターで駆動している感覚はない。そうと知らされずにドライブしたら、ISGMの存在に気がつかないかもしれない。それでもISGMの存在がわかるのは、B5が搭載する最高出力が250馬力、最大トルク350N・mであるにもかかわらず、その数字から想像する以上の力強さで加速するからである。「350N・mでこんなに速いわけないでしょ」という疑いからISGMの介入を感じるのだ。
信号待ちからの動き出しといった内燃機関が不得手とする極低回転域の力強さもやはりEVならではである。つまり、内燃機関の苦手とする低負荷領域に48Vモーターアシストが加わる。結果として全域パワーゾーンが実現した。
そしてそれは、とても滑らかに連携する。どのタイミングでISGMが介入したのかを体が感じることはまずない。知らず知らずのうちいつの間にかサポートをしている感覚なのだ。それを視覚的に知る手立てもない。
唯一ハイブリッドであることを誇るのは、計器の片隅に小さく、指摘されなければ気がつかないほど小さな「電池」のマークがある。回生ブレーキが作動している瞬間だけにそれがささやかに灯るだけだ。一般的なハイブリッドに備わっているような、バッテリー残量やライブな制御状態を視覚的にアピールする「エネルギーモニター」もない。感覚的にも自然でありながら、表示すらないという潔さなのだ。
思い起こせば、車名にすら「ハイブリッド」の文字がない。「XC40 B5 AWD R-Design」とするだけだ。これ見よがしのハイブリッド」感がまったくないのは、ボルボが宣言したように「ボルボ=電動車」であるからであろう。いまさら誇示する必要がないのである。
ところで、じつはこれを最初に告げるべきだったかもしれないのが、乗り味が上質であることだ。路面からのあたりは優しく、オブラートに包んだかのように路面からの雑味を遮断している。ダンバーの制御やバイワイヤーとなったブレーキはやや機械的な動きではあるが、全体的には硬質なシャルに守られている感覚が強く、高級な味付けだった。
ライバルはアウディQ3やメルセデスGLAになろうかと思う。だが、ライバルがどこか大衆車的な雑味を抑え切れていないのに対してXC40は格段に上質な感覚がした。
XC40は気筒休止もする。クルージング走行中に2気筒になる瞬間があるのだ。その感覚もごくわずかである。
というように、XC40は驚くほど先進的なハイブリッドであるにもかかわらず、電動車であるそぶりがほとんどないのだ。「あたりまえだから……」といいだけな奥ゆかしさがXC40の魅力を声高に叫ぶ。

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