トヨタはコンパクトクロスオーバーモデルを3種類そろえている

トヨタ車ファンがコンパクトなクロスオーバーモデルを選ぶのは、今では車種展開が豊富で、けっこう悩むところかもしれない。なにしろ、最新のヤリスクロスのほか、ライズ、そしてアクアクロスオーバーがそろっているからだ。とはいえ、各車の特徴、使い勝手を把握すれば、選択はそれほど悩ましいわけではなかったりする。



では、各車のポイントを紹介していこう。最新のヤリスクロスはヤリスをベースにクロスオーバー化したモデルで、全長4180×全幅1765×全高1590mm。つまり、3ナンバーサイズだが、1765mmの車幅は、今となっては日本の路上でも扱いやすい部類に入る。



パワーユニットはすべて3気筒で、1.5リッターガソリン、120馬力、14.8kg-mというスペックで、JC08モードより実燃費に近いWLTCモード総合燃費は2WDで19.8km/L(Gグレード)。クロスオーバーモデルとして気になる最低地上高は170mmだ。なお、ガソリン車の4WDには、スノーモードに加え、ダイナミックトルクコントロール4WD、マルチテレインセレクトが加わり、走破性能としてはコンパクトクロスオーバーモデルとしてトップレベルの性能だ。



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一方、HVモデルは1.5リッターエンジン+2モーター、91馬力、12.2kg-m、フロントモーター80馬力、14.4kg-m、リヤモーター5.3馬力、5.3kg-mのゆとりを見せる。2WD、4WDが用意され、4WDはトヨタ自慢の電気式4WD=E-Fourである。



何が違う? ドレがいい? トヨタの小型SUV「ライズ」「ヤリスクロス」「アクアクロスオーバー」の悩ましき同門対決



現在、国産コンパクトクロスオーバーモデルでダントツの人気を誇るライズは、ダイハツとの共同開発車(ダイハツ版はロッキー)。ボディサイズは全長3995×全幅1695×全高1620mmと、5ナンバーサイズに収まり、最小回転半径が4.9m(Zグレードを除く)と小回り性、駐車性、幅寄せ性も抜群だ。パワーユニットは3気筒のガソリンターボ、98馬力、14.3kg-mのみの設定。WLTCモード総合燃費は2WDで18.6km/L(G/Xグレード)。

クロスオーバーモデルとして気になる最低地上高は185mmと余裕がある。こちらも4WDはダイナミックトルクコントロール4WDが用意されている。価格は実質的なベースグレードとなるX”S”の174.5万円からと、圧倒的に安いのも魅力となっている。



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以前、世界最高燃費を誇ったアクアのクロスオーバーモデルが、特別仕様車扱いとなっているアクアクロスオーバーグラム。ボディサイズは全長4060×全幅1715×全高1500mmと、3台中、唯一、立体駐車場の入庫が可能。3ナンバーサイズとはなるものの、1715mmの車幅はフェンダーアーチモールの出っ張り部分のため、実質、5ナンバーのアクアと変わらないボディサイズだと思っていい。



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最小回転半径が5.4mと大回りなのは、アクアの開発時点ではなかった185/60R16という大径タイヤを履かせているため。パワーユニットはHV専用車のアクアゆえ、プリウス譲りの1.5リッターエンジン+2モーター、エンジン74馬力、11.3kg-m+モーター61馬力、17.2kg-mのストロングHVのみの設定。WLTCモード総合燃費はクロスオーバーモデルにして27.2km/Lと、ヤリスクロスオーバー、ライズを圧倒する。本格的な悪路に向くクルマではないものの、最低地上高は170mmを確保している。



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後席がもっとも広いのはアクアクロスオーバーだが……

さて、この3台から、自身にぴったりのクロスオーバーモデルを選択する場合、どういった使い方をするかが大きなポイントになるのは当然だろう。



クロスオーバーモデルに憧れるが、実際には都市部での使用がほとんど、アウトドアや悪路走行の機会などまずない。

燃費性能にはとくにこだわりたい……というなら、立体駐車場への入庫が容易で、燃費性能で圧倒するアクアクロスオーバーで決まりだ。基本設計は決して新しくはなく、また先進運転支援機能=トヨタセーフティセンスもトヨタ最新、機能満載とは言えないものの、たとえばACC(アダプティブクルーズコントロール)が用意されていない点など、高速道路を利用する機会が少なければ、問題ないと思える。



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ちなみに、後席の膝まわり空間で3車中、もっとも広いのは、このアクア。身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で160mmもある。ライズ、ヤリスクロスは120mm前後である。ただ、推奨ベストグレードの乗り心地比較では、さすがに基本設計が新しいライズ、ヤリスクロスに軍配が上がるのは、当然だ。



けっこう悩ましいのは、ライズとヤリスクロスの選択だろう。価格的にはそれなりの差があるため、価格重視なら、ミニRAV4的なフロントフェイスを備えたライズで決まり。ラゲッジスペースの広さ、使い勝手の良さは、アウトドア派にもぴったり。ダイハツがもつ軽自動車の室内パッケージのノウハウが生きているだけに、室内やラゲッジルームの広さもまた自慢。



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具体的には、身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準にすると、地上高665mmのSUVらしい高さにある前席の頭上に最大210mm(シートハイトコントロール下端位置)、後席頭上に100mm、筆者がドライビングポジションを決めた運転席背後の膝まわりに120mmというスペースがある。前席はシートサイズが座面長500mm、座面幅470mm、シートバック高630mmと、中型車並みのサイズがあり、クッションがソフトかつサポート性にも優れた、快適な着座感が得られる。

後席にしても、決して広くはないものの、クルマのサイズからすれば、文句なしに快適な着座感が得られるのは、なるほど軽自動車のパッケージに共通するものがある。



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パッケージング的にさらに驚かされるのは、ラゲッジルームの広さ、使い勝手の良さだろう。開口部地上高は約700mmと、同695mmのトヨタRAV4同等のSUVの標準的高さだが、開口部に段差がなく、重い荷物の出し入れに適している。フロアは後席使用時で奥行775mm、幅1000mm、高さ865mm(メーカー値)と広々していて、容量はクラス最大級の369リットル。さらに床下に80リットルもの大容量トランクを備えているのだから、使いやすさ抜群だ。後席を倒せば、フロア奥行きは1330mmに達し、アウトドアなどの大きな荷物も無理なく積み込めるし、後席は6:4分割で倒せるため、3人乗車+長尺物の積載もOKというわけだ。なお、ラゲッジフロアのデッキボードを外せば、ラゲッジルームに約1100mmの高さの観葉植物などの積載も可能となるから便利だ。



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よって、予算少々でも、乗り心地と小回り性で有利な16インチタイヤ装着車なら、街乗りに、アウトドアシーンにオールマイティに活躍してくれるのが、ライズのX”S”グレード以上となる。くれぐれも、この時代に先進運転支援機能がまったく付かない一般ユーザー向けではないXグレードには手を出さないように……。ちなみに、ロッキーにある車内WI-FI機能は、ライズには用意されていない。



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では、ヤリスクロスはどんなユーザーに向いているのか。ヤリスクロスはヤリスとパワーユニットやCVT、ホイールベースなどを共用するものの、リヤオーバーハングを延長し、アウトドアシーンなどで不可欠な大きな荷物、長尺物を積載可能とする大容量かつ使い勝手のいいラゲッジスペースを実現しているのがポイントだ。

具体的には、後席4:2:4分割に注目だ。中央の2部分だけ倒した(アームレストになる)4:2:4モードにすれば、スキー板などの長尺物を室内側に積むことが可能。後席からラゲッジスペースの荷物を取りやすい、というメリットもある。さらに6:4分割でアレンジできる2段デッキボードを下段にセットすれば、大型スーツケース2個、ゴルフバッグ2個を、後方視界を犠牲にせず積載可能。コンパクトクロスオーバーモデルとしての積載性、フレキシビリティは極めて優秀と言える。



何が違う? ドレがいい? トヨタの小型SUV「ライズ」「ヤリスクロス」「アクアクロスオーバー」の悩ましき同門対決



もちろん、走行面でもさすが、ヤリスベースの最新のコンパクトクロスオーバーだけに、ライズ、アクアクロスオーバーをしのぐ部分も少なくない。とくに、ヤリスクロスの真打ちというべきグレードと断言したい。HVの2WD(G、Zグレード)は、出足のEV走行によるスムースさ、モーターアシストによるトルキーな動力性能の余裕、そして大径18インチタイヤを履きながら、重量増がもたらすガソリン車とは別格の角が丸められた乗り心地の良さ……は、HV 4WDと同質ながら、より静かでHV感が強く、エンジンを高回転まで回しても、ガソリン車、HV 4WDほどのうるささを感じずに済むから終始、静かで快適だ。約120km/hまで可能だというEV走行にしても、首都高速での80km/h巡航でさえねばり強いEV=モーター走行を確認。市街地ではさらにEV走行の機会が増えるのだ。



何が違う? ドレがいい? トヨタの小型SUV「ライズ」「ヤリスクロス」「アクアクロスオーバー」の悩ましき同門対決



よって、長距離ドライブ、高速走行の機会が多いなら、最新のトヨタセーフティセンスやヘルプネット、渋滞追従型ACC、オプションでブラインドスポットモニター(4万9500円)まで付けられる、安心感でも大満足できるヤリスクロスで決まりだろう。ちょっとしたオフロードに挑む趣味があるなら、4WDの選択も、とくに静粛性に限れば2WDほどではないにしても、アリと思える。

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