事故を起こしやすいドライバーの特性は4つある
誰もが避けたい交通事故。しかし、なかには何度も事故を起こす、交通事故多発者が少なからずいる。これは運不運の問題ではなく、ドライバーに原因がある場合が多い。
ではどういう人が事故を起こしやすいのか。
交通心理学の丸山欣哉東北大学名誉教授は、1995年に事故を起こしやすいドライバーの特性を次の4つにまとめている。
1)拙速
早まった行動や動作を行う傾向がある。「動作が先で確認が後回し、正確さよりも早さに重点が置かれる行動傾向を持つ人」である。このような人は先急ぎ、判断や動作のタイミングが早い、軽はずみなどの傾向を示す。
2)見込みの甘さ
見込みが甘く、見込み違いの多い人、見通しの甘い人、客観的予測のできない人、読み取りが自分勝手な人、危ないと感じない人、しかも危ないとわかっていてそれを敢行する人に共通する傾向である。

3)カッとなる
カッとなりやすい人、終始いらいらしがちな傾向がある、怒鳴りやすいなどの興奮傾向があり、主観的なものの見方をしがちである。

4)自分本位(独りよがり)
他人の立場に立てない、他人の気持ちになれない、協調性や共感性に欠ける傾向である。批判的、ひねくれ、頑固などの傾向を含み、非協調的態度が強く、人間関係に問題が認められる。

自分の特性を知って客観的に自分の運転を見つめ直すのが大切
また、教習所などで行なう適性検査では、
・気持ちの変化が激しく、情緒不安定の傾向がある人
・極度に神経質な人
・自分を抑えることができない人
・せっかちな人
・他人の気持ちを察することができない人
・自分勝手な行動をとりやすい人
・自分の失敗を他人のせいにする人
・行動にムラのある人
が事故を起こしやすい人の共通点と指摘している。

こう見ると、せっかちな人ほど事故を起こしやすいようにも思えるが、一方でのんびり屋さんのマイペース型もけっこう危ない。
生まれながらの性格は、なかなか変えることはできないかもしれないが、交通事故を起こさないためには、まず自分の特性を知ることと、身心共に健康であることがなにより重要(寝不足や体調不良、心理的ストレスを抱えているときは、誰でも事故リスクは高まってしまう)。
そして、「朝三暮四」のサルのように、今の自分さえよければいいという考えは捨てて、目的地まで安全にたどり着くことを何より優先し、同時に周囲の流れをよく読んで、流れを乱さない運転を心がけよう。
ドライブレコーダーをつけている人ならば、ときどき撮影した動画をチェックして、自分の運転を客観的に見てみるのも役に立つはず。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」(孫子)。
繰り返し事故を起こさないためにも、己を知ることからはじめてほしい。