K-oneレーシングチームのトヨタ86を武器にラリーに参戦!
全日本ラリー選手権の第6戦として6月11日~13日に群馬県高崎市を舞台に開催された「モントレー」には、ラリー競技のスペシャリストのほか、スーパーGTで活躍するヘイキ・コバラインもトヨタGT86 CS-R3を武器にJN2クラスに参戦し、クラス優勝を獲得。さらに、もうひとり注目を集めたレーシングドライバーが、同じくスーパーGTで活躍する織戸学で、トヨタ86を武器にJN3クラスに参戦していた。
スーパーGTやスーパー耐久など、レーシングドライバーとして豊富な実績を持つ織戸が全日本ラリー選手権にデビューしたのは2015年のシリーズ第2戦「久万高原ラリー」で、K-oneレーシングチームのトヨタ86で参戦。
3度目のラリー参戦となる今大会でも織戸はK-oneレーシングチームのトヨタ86を武器にJN3クラスに参戦していたが、12日のレグ1は前走車のクラッシュでSS1がキャンセルとなったことから、タイムアタックをすることなくその日の走行を終えたほか、13日のレグ2でもABSのトラブルにより、SS2でコースアウトを喫し、そのままリタイヤすることとなった。
このように織戸にとって2021年のモントレーは不完全燃焼な1戦となったが、そんな織戸に競技終了後、ラリーの魅力や難しさにについて直撃してみた。
峠を走っていた頃と近い感覚で楽しんでいる
まず、レースとラリーの違いについて尋ねると織戸は「ラリーの方がドライバーの仕事量が多いと思う。まず、ペースノートを作るのがめちゃくちゃ大変。ラリーだとペースノートが“命”みたいなもんだから、きっちり作りたいけれど、その作業が大変ですね」と語る。さらに「レースが行われるサーキットと違って、ラリーのスペシャルステージはコース状況がまったく違うので、ノート作りは大切だし、本当に難しい。今回、コンビを組んだコドライバー(注:山本磨美)はすごく経験のある選手だったし、いろいろと教えてもらうことできたので、すごく良かったと思います」と付け加える。
また今大会が自身3度目のラリー参戦となるだけに、確実に進化を重ねているようで、織戸によれば「スキルアップしすぎて、ちょっとスピードが乗りすぎていた。これまでの2戦はいつも抑え過ぎていた部分があったけれど、今回のSS2はペースノートと走りがピッタリあっていた。サイドターンのところでミスもあったけれど、ドライビングは悪くなかったと思います」と手応えを語る。

「ABSが壊れてロックしちゃいました」と語るようにSS2の終盤でコースアウトを喫し、リタイヤに終わった織戸だが、ラリーの魅力について、「毎回違うコースを自分たちのスタイルで走り抜くところがラリーの魅力。

「2015年に初めてラリーに出た時にも思ったけれど、もうちょっとラリー競技がメジャーだったらもうちょっと違う展開があったと思うから、そこがもったいないなぁと思いますね」と語る織戸だが、気になる次戦の全日本ラリー選手権の参戦について「まだ決まっていません」とのこと。「僕、ラリーにむいてないですね。グラベルとかは絶対無理」と笑うが、着実に進化を果たしているだけに、今後もレーシングドライバーの織戸の全日本ラリー挑戦に注目したい。