基本的に運転席から見えにくい左前方に装着される
昭和のカー用品というのは色々とあるが、その代表格がコーナーポールだろう。正確には今でもあるので、昭和に流行ったというか、けっこう付けていたアイテムというのが正しいかもしれない。
コーナーポールというのはなにか。
ただ、当時から運転に自信がないドライバー向けという認識はあって、腕に自信があるならプライド的にも付けないものでもあったし、ひどい言い方だが「ヘタクソ棒」なんて呼ぶ人もいたりした。機能的にはなかなか凝ったもので、夜間でもわかりやすいように、先端が光ったり(もちろんLEDでなく電球)、電動で伸縮するタイプもあった。
アナログならではのメリットも!
今でもディーラーオプションで売られているとはいえ、実際のところ、付けているのを見るのはセダンがほとんど。運転しているのは年配のかたが多い。やはり昭和のノスタルジーアイテムなのか、と思っていたところ、レンタカーを借りた際に付いていてビックリ、そしてなぜかワクワク。何十年も前に、付いたクルマに乗ったことがあるかもしれないが、あったとしても運転したことはないので、実質初体験だ。
見た目は確かに少々気恥ずかしい気がするが、レンタカーなのでとくに気にせず走ってみたところ、改めて思ったのが「めちゃくちゃ便利」ということ。今ではなんでも電子化で、角もソナーで障害物の接近を教えてくれるが、ご存じのようにマージンを取り過ぎで、もっと寄せたい時でも、まだ余裕があるのにピーピーとうるさいこともある。
コーナーポールであればそんなことはなし。
効果はかなりあるものの、問題は付けて似合うクルマが非常に少なくなっているということだ。塊感や躍動感を強調する今どきのデザインとは超絶マッチしないことは確実で、こだわり抜いたデザインと角におっ立ったコーナーポールが似合わないのは見なくてもわかるほど。やはりセダンが一番似合う装備だろう。メルセデス・ベンツにも純正で用意されていて、こちらも似合うのは確かだ。似合う、似合わないは別にして、これからの高齢化社会でまた脚光を浴びる日が来るかもしれない。

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