この記事をまとめると
■日産が欧州市場に投入するMPVの「タウンスター」を公開■航続距離285kmのEVと最高出力130馬力のガソリン車、それぞれにワゴンとバンを設定
■最大3.9㎡の荷室スペースと可動式パーティションを備えて800kgの荷物の運搬が可能
日産の欧州用MPVがイケメンだった
ルノー・カングーやシトロエン・ベルランゴ、プジョー・リフターなどのフランスのMPVが日本でも人気を博しているのはご存知の通り。日本市場においては、国産メーカーからはこれらクルマに代わるモデルはないが、こと欧州市場では事情が異なる。というのも、ルノーと三菱とアライアンスを組む日産が、「NV250」と「e-NV200」の後継モデルとして、ルノー・カングーとプラットフォームを共有する「タウンスター」を公開、投入することを発表したのだ。
日産タウンスターは、事業構造改革「Nissan NEXT」に基づいて欧州市場に導入される最新モデル。また、同市場では、NV400とNV300の後継モデルとして「インタースター」と「プリマスター」も今後導入予定となっており、より充実したLCVのラインアップが提供される。

タウンスターにはEVとガソリン車が用意され、どちらにもバンとワゴンが設定される。EVモデルは44kWhのバッテリーを搭載し、最新のエネルギーマネジメントシステムとバッテリー冷却システムを組み合わせ、航続距離285km(WLTP複合サイクルを前提とした社内測定値)、最大トルク245Nmを実現。ガソリン車は、現行の排出ガス規制であるEuro 6dに適合した1.3リッターエンジンを搭載し、最高出力130馬力、最大トルク240Nmを発生する。

日産タウンスターは、アライアンスCMF-Cプラットフォームをベースに、品質と機能性を徹底的に追求。欧州で販売される車種として初めて、日産の新しいブランドロゴを採用している。
機能的な荷室と必要十分な安全装備と先進運転支援機能を装備
EVモデルには、特徴的なLEDヘッドランプや、組子模様と斬新なVモーションデザインが組み合わされ、空力に優れたフロントシールドなど、「日産アリア」のエクステリアの要素が受け継がれている。

ガソリン車は、織り模様のグリルを採用することで、シャープでダイナミックな印象となる。フロントのエアカーテンは、フロントバンパーや前輪まわりの空気の流れを最適化し、空気抵抗を低減することで燃費を向上させるという。
ワゴンの室内空間は、洗練されたシートやドアトリム、モダンなセンターコンソールやインストルメントパネルを採用し、快適な乗車体験を提供。バンは多機能で便利な荷室というニーズに応えている。
多様なニーズに対応するため、日産タウンスターは、「トレーラースウェイコントロール」、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ(歩行者・自転車検知、ジャンクションアシスト付き)」、「プロパイロットパーキング」(EVモデルのみ)、「インテリジェントクルーズコントロール」(ガソリン車のみ)、「プロパイロット」(EVモデルのみ)を搭載するなど、安全装備と先進運転支援機能を20種類以上も搭載している。
また、全ラインアップにApple CarPlayやAndroid Auto、ワイヤレス充電などの便利なコネクテッド技術を搭載し、EVモデルにはコネクテッドサービスを導入する予定となっている。

タウンスターは日産ならではの高い信頼性を持ち、快適で効率的なビジネスパートナーとして、多彩な用途での利用が可能だ。最大3.9㎡の荷室スペースと可動式のパーティションを備え、木製パレット(ユーロパレット)ふたつと、800kgの荷物を容易に運ぶことができる。

また、パワートレインによっては最大で1500kgの牽引能力を備え、荷室スペースには荷降ろしを容易にする大型のスライドドアや、オフィスツールを収納する専用スペースも設定するなど、充実した仕様装備で様々なビジネスニーズに対応する。
もしも日本に導入されれば、ワゴンモデルはフレンチMPVの対抗馬になりうるのだが……。現状、日本導入のアナウンはされていない。