この記事をまとめると
■クルマのアンテナにはおもにロッドとシャークフィンの2種類がある



■どちらかに統一されないのはクルマの部品としては異例



■なぜひとつに絞られないのかについて解説する



クルマによって統一されていない部品の例は珍しい

普段はあまり意識がいかないかもしれないが、ひと口にラジオのアンテナと言っても、さまざまなタイプがある。従来からあるのが、ロッドアンテナと呼ばれるもので、Aピラーに内蔵されていて感度に合わせて引き出すタイプ。



以前はトランク部分やフロントフェンダーに付いていたこともあった。

ただ、全体のデザインにも関係してくるので、最近はルーフの後端に付く短いタイプが主流。



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そのほか、バンパー内部に入れたり、リヤまわりのウインドウにプリントされた熱線みたいなタイプもあったが、最近はほぼ見かけなくなってきた。そして現在、増えているのがいわゆるシャークフィンタイプで、ルーフに付いていて、形もその名のとおり、流線型でかっこよかったりする。



新鋭「シャークフィン」が登場しても「ロッドアンテナ」も現役! なぜクルマのアンテナは2種が混在するのか



現状では短いタイプのロッドアンテナかシャークフィンのどちらかといったところだが、混在していて、どちらかに統一されないのはクルマの部品としてはけっこう異例。



性能やデザイン性などを鑑みてどちらにするのか決めている

その理由はまずコストだ。電波を受信するのに有利なのはロッドタイプで、AMとFMでは特性が違うので寝かしたり、立てたりする必要がある場合があるが、この点でもロッドのほうが対応しやすい。



一方、シャークフィンタイプはアンテナとして見た場合、知識がなくても、なんとなく異質なのは感じるはず。アンテナと言えば棒状で立っているから電波をキャッチできるわけで、その点からするとシャークフィンは感度は悪そうだ。



じつはこの点をカバーすべく、中はかなり複雑で、刻々と変わる向きや電波の強弱に合わせてブースターが働いたりと、ただ付ければいいという単純なものでもない。



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そうなると、もちろんコストに関わってくるわけで、混在している理由はまずこの点にある。ただ、デザイン的にはシャークフィンのほうが優れていて、空力にこだわっているイメージもアピールできる。



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逆にミニバンなどの実用車だとロッドアンテナのほうが似合っていたりもするので、性能とコスト、デザイン性を鑑みてどちらを採用するのか決められている。

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