この記事をまとめると
■現在ロシアで乗用車をラインアップしているブランドはアフトヴァースとアウルスぐらい



■アフトヴァースはラーダ、アウルスはセナートが知られている



■ブランドの詳細や現状について解説する



アウルスはラーダやセナートをラインアップする

ロシア車と聞いてピンとくる人はなかなかいないだろう。現在乗用車をラインアップしているロシアブランドといえば、アフトヴァースの“LADA(ラーダ)”ブランドと、プーチン大統領専用車のベースともなる、高級セダン“セナート”をラインアップする“アウルス”ぐらいである。ちなみに隔年開催されるモスクワモーターショーでは、会場内に広大なラーダブースがあり、そのラーダブースで開催されるプレスカンファレンスに参加するのを筆者は楽しみにしている。



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しかし、アフトヴァースはルノー傘下となっており、プレスカンファレンスでスピーチする幹部も流ちょうな英語を話すロシア人以外であったりして寂しいこともまた現実。



モスクワ市内であっても、まだまだソビエト時代を感じさせる、ラーダ車やヴォルガなどが現役で走っているが、新車でもソビエト時代に開発されたモデルが現役でラインアップされている。日本のクルマ好きの間では“ラーダ・ニーヴァ”と聞けば、“ああ”と思う人も多いはず。先ごろ開催された、東京オートサロン2022では、“VLADA 4×4”という車名で出品されていた。



日本じゃ中&韓車よりもマイナー! 露車の「ラーダ・ニーヴァ」に「アウルス・セナート」って何もの?



1977に登場した姿をほぼそのままにウラジオストクの工場で日本向けに調整されており、270万円と315万円の2タイプが用意されている。ちなみに、ロシア車では“ウァズ”という4×4のキャブオーバータイプのワゴンも有名で、こちらも1960年のデビュー以来その姿をほとんど変えていない(日本でも購入可能)。



シボレー・ニーヴァと名乗るモデルも登場

ラーダ・ニーヴァは東西冷戦が激しかった1980年代に日本でも輸入販売が始まり、断続的であるが、いまもなお販売されている。販売開始当時クルマオタク少年であった筆者は「さすが冬の厳しいソビエト(当時)のクルマらしく、ヒーターの効きはいい」といった記事を読んだ記憶がある。



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その後アフトヴァースとGM(ゼネラルモーターズ)の合弁会社が設立されると、それまでのニーヴァとは異なるモデルが“シボレー・ニーヴァ”と名乗るようになり、元祖ニーヴァは“ラーダ4×4”となったのだが、ロシア本国のラーダのウェブサイトを見ると、シボレー ニーヴァは“ニーヴァ トラベル”、4×4は“ニーヴァ レジェンド”となっている。トラベルは顔つきがかなり変わっているが、レジェンドのほうは1977年のデビュー以来、ほぼその姿を変えずに生産が続けられている。2018年に開催されたモスクワモーターショーでは後継モデルのコンセプトカーが発表されており、現行モデルは2026年で生産終了になるとの情報も入っている。



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ソビエト時代は厳しい共産主義政権が続いていたが、ロシア人はクルマ好きなようで、筆者がモスクワを訪れると毎回出かけるレトロ自動車博物館には、数多くのソビエト時代の乗用車や商用車、トラック&バスなどが展示されている。



本校執筆時点ではウクライナ問題がかなりきな臭い状況となっているが、安倍元首相とプーチン大統領の友好関係も功を奏したのか、ロシアのひとたちは筆者が日本人と知るとじつにフレンドリーに接してくれる。クルマ好きな国民性というのもひしひしと伝わってきて、個人的には非常に好感の持てる国だけに、いまの緊張状態は非常に残念なことだと思っている。

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