この記事をまとめると
スズキから軽商用ハイトワゴンとなるスペーシアBASEが発売された



■ツール感あふれるタフな見た目に多彩なラゲッジアレンジを可能にするマルチボードを装備



■商用利用だけでなくパーソナルユースも重視したユーティリィティに優れたモデル



道具感あるエクステリアながらカスタム顔が商用車っぽさを払拭

ボディ寸法や排気量、価格設定など、何かと制約だらけの軽自動車は完熟を極めた感がある。質感や性能面での満足度はすでに高く、もはや電動化以外にやれることは残されていないのでは…… ? そう思っている人は少なくないと思うが、実際には全然そんなことはない。



このほど発売されたスズキ・スペーシアBASEは、軽商用車の新ジャンルとも言える個性的な商品性を備えた派生車種だ。

商用車と乗用車の良いトコどりをしたハイトワゴンであり、クルマの使い方が多様化した今の時代に合わせ、ヒト、モノの両方を重視した軽バンとして生み出されている。さらに、ユーザーのDIYによる潜在的な発展性も秘められているのだ。



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いまのスズキは、日常性が高くファミリーカーとしても愛される乗用ハイトワゴンのスペーシアを中心に、アウトドア志向を強めたスペーシアギア、さらに商用のエブリィ、レジャー向けのエブリィワゴンが展開されており、ワゴンRやハスラーなども含めれば、幅広いユーザーのニーズに対応可能なラインアップを整えている。



しかし、コロナ禍により生活スタイルや思考に大きな変化が訪れた。密を回避する傾向や労働者不足問題、アウトドア様式の変化やソロキャンプ、車中泊の増加など、クルマの使い方は一気に多様化が進行。そんな時代にあって、日常使いはもちろん仕事も、そして遊びも高いレベルで満足させてくれるような、ヒト、モノの両方を重視した軽バンが求められるようになった。自分専用のプライベート空間としてひとり乗りで使われる傾向も強まっている。そんな時代の要望に対するスズキの提案がスペーシアBASEというわけである。



軽商用車と思えぬ贅沢っぷり! 「スズキ・スペーシアBASE」の秘密基地感に妄想は膨らみっぱなし 



基本は4ナンバー登録の商用車でありながら、これまでの商用車のネガティブなイメージを可能な限り払拭。「商用車はこうあるべき」との先入観を捨て、自由な発想から商品企画された。



まず、外観は従来の商用車らしさを一切感じさせない。"カスタム顔"をベースにフロントグリルやドアミラー、ホイール(アルミまたはスチール)、前後ランプの内部をブラック塗装としてスタイリッシュに。



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スズキの軽商用車初のルーフレール装着や、ボディカラーにソリッド色を使わず、白はパール色になるなど、まさに軽商用車の常識にとらわれない感覚が伝わる。モスグレーメタリックはこのクルマに合わせた新色で、光の当たり具合により色合いが変化。



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また、リヤのクォーターパネルは、乗用車系にはない道具感の演出でもあり、室内では収納場所となりユーティリティ性を高める機能も。



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インパネにも従来の商用車的な寂しさは感じられない。エアコンはフルオート式だし、低価格が重視される軽商用車では「なくても仕方がない」の諦めるべき装備と言えたチルトステアリングや運転席シートリフターもしっかり備わる(スズキ軽商用初)。



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ガラスはプレミアムUV&IRカット機能が備わる点も実に乗用車的だ。



マルチボードで多彩なラゲッジスペースのアレンジを実現

フロントシートは撥水機能を備え、しかもシートヒーターも備わる。アウトドアユースへのイメージが膨らむ仕様に。助手席はシートバックテーブルにもなり、パソコン作業や事務仕事用のデスクとして機能する。



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オーバーヘッドシェルフやフロアコンソールトレーなど、収納点数の多さがとても印象的だったが、そこにプラスしてタフさや耐久性の高さを感じさせるところも見逃せないポイントだ。



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唯一、商用車らしさを感じさせるのがリヤシートで、リクライニング機能も省いた「緊急用」として割り切るべき仕様となっている。



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その代わり、スペーシアBASEの目玉アイテムと言えるマルチボードを使ったシートアレンジ性は実に秀逸。

フルフラット時にはスキマがなく、樹脂製のラゲッジボードなので家のフローリング的な床が実現する。車中泊や長尺物の搭載に便利なうえ、ボード下に165mmもの高さの空間を保つことができるなど、スペーシアBASEならではの使い勝手の良さを誇る。



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このマルチボードは内部に金属の骨組みを持つガッチリとした作りで、多彩なアレンジ性が魅力。まさにモバイルオフィスと化し、テレワークから対面での打ち合わせ、移動販売など様々なビジネスシーンへ対応できるよう工夫が凝らされた。広い荷室を生み出すのも簡単で、荷室の床は防汚機能も備わる。ペットとの旅行でも重宝するだろう。



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若手設計者6名が30件以上の商用車ユーザーを訪問し、困りごとなどの課題を聞き出して、それを解決するアイディアを練ったというだけのことはあると思った。



走りのほうは、低価格化を考慮してマイルドハイブリッドの設定はないものの、基本的に乗用のスペーシアと同等の操縦性と快適性を備えているという。サスペンションセッティングも同じながら、フロントのハブベアリングは強度をアップ。パワステはタイヤに合わせたチューニングとなっている。



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商用車だからと言って遮音/吸音材の類いを省いてはいないので、静粛性も乗用車なみ。むしろ、ユーティリティのために作り込んだフロアのおかげで、結果的に静粛性では乗用車よりも有利に働く面もあるようだ。



運転支援システムをはじめ、ヘッドランプとフォグランプは全車LED、サイドエアバッグも標準装備で安全性への配慮も抜かりなし。燃費はWTCLモードで21.2km/Lで軽商用車ナンバーワンを誇る。



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スペーシアBASEの開発をまとめた伊藤二三男さんは、1993年にスズキに入社。2009年より商品企画を担当し、MRワゴンや先代ワゴンR、アルトなどに携わった人で、2017年にチーフエンジニアとなってからは、キャリィ、エブリィ、スーパーキャリィといった商用車を担当。もちろんこれで終わるわけではないが、スペーシアBASEは伊藤さんの長年の軽乗用車/軽バン商品企画の集大成のひとつと言える力作だ。



そんな伊藤さんは「移動先や仕事中、レジャー中に自分のやりたいことができるよう、工夫を凝らしました。荷室とマルチボードについては、ご自分の自由にアレンジしていただく余地を残しましたので、お客様には想像力を掻き立てていただき、さまざまな妄想から独自の使い方をお楽しみください」と語る。



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スペーシアBASEを買ったユーザーが、どんな風に自分色に染めるのか楽しみだ。

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