全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、愛知県名古屋市を走る国道41号の“謎”の解明に挑みました。
誰が何のために設置?大量の金シャチレリーフ
名古屋城の東側を南北に走る国道41号。その上を並走する名古屋高速を建設する際、橋脚を立てるスペースを作るため、国道41号は道幅を15mから50mに拡幅する工事が行われました。
途中、道の真ん中に樹齢350年を超える楠の木が存在する場所も。古くから地元の人たちに愛されていたため、41号の拡幅工事の際も切られることはなく、道も楠の木を避けるように分岐して造られています。
そんな国道41号の清水口(しみずぐち)から高岳(たかおか)までの約1kmの区間にだけ、なぜか名古屋のシンボル“金シャチ”のレリーフが大量に並んでいます。
珍しい!特定のエリアだけに大量…
金のシャチホコのレリーフは、街灯など名古屋の町中で見かけることはありますが、特定のエリアだけに大量というケースは珍しいそう。
その区間の国道41号沿いには腰の高さほどの壁が連なって設置されており、その壁の支柱1本に対し、1つの金シャチレリーフが支柱の上に取り付けられています。
国道41号を挟んで東西の歩道脇に並ぶ金シャチを数えたところ、「今残っているのが全部で240個。欠けたり無くなったりしているのが29個。全部で269個あった」と道マニア。
形や大きさ、さらには設置場所から反射板の視点誘導装置“デリネーター”と似ているため、金シャチはその役割を担っているのではないかと道マニアは推測します。
施工会社から国に提案!? 金シャチレリーフが設置されたワケ
名古屋城から離れた幹線道路の限られた区間にだけ存在する金シャチは、一体どんな理由で設置されたのか?
壁の設置工事をした施工会社は2社あり、東西でそれぞれ担当が分かれていたそう。道マニアが東側の車線の施工会社に問い合わせたところ、意外な事実が判明しました。
国道沿いに設置された壁は“防音壁”で、今から18年前の平成19年(2007年)に設置され、金シャチも同時に設置したとのこと。
“名古屋らしいもの=金シャチ”
道マニアが独自で調査したところ、「もともと国土交通省の設計に金シャチはなかった。
また、デリネーターとしての機能はなく、単なる装飾ということも判明。“名古屋らしいもの=金シャチ”ということで、金シャチのレリーフに至ったとのことでした。
「実際はそこまで深い意味はなかったが、事実を掘り出せたことがすごく嬉しい。設計になかったものを施工会社から国に提案してくれたその心意気もすごくうれしい。施工会社のご厚意が身に沁みてありがたいと思った」と道マニアは言います。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年5月13日(火)午後11時56分放送より

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