物価高が生活を圧迫する中、深刻な貧困に苦しむ人々はある行政の方針に不安を抱いています。『空き缶』を巡る名古屋市の新しい条例について考えます。
寒波が近づいていた年末の夜、屋外で炊き出しの湯気が上がっていました。名古屋市中区の公園で行われた“越冬集会”。ホームレスや生活困窮者を支援しようと毎年、年末年始に行われているもので、この日はブラジル人ボランティアによる手作りのパスタなどが振る舞われました。
越冬集会の実行委員長を務め、名古屋で30年以上、生活困窮者の支援活動を続ける東岡牧さん。
(野宿者を支援する会 代表・東岡牧さん)
「お腹が空いていると良いことも考えられないし、心温まるご飯をみんなと食べるというのは意味があると思う。ガス・電気・水道代が全部上がっていて、食品も(値段が)上がっていて、それで文化的な生活ができるのか。それは国も考えてもらいたい」
収入は増えない中、物価高で拡大する貧困。生活困窮者を取り巻く状況は、厳しくなるばかりです。
路上生活者に“生活用品や食料”配布
仲間とともに力強く自転車をこぐ東岡さん。毎週木曜日、名古屋市内に住むホームレスの人たちを見回り、生活用品や食べ物などを配っています。
(東岡さん)「ヒートテックって下着なんだけど履ける?」
(路上生活者)「履ける」
(東岡さん)「年末年始に小屋を建てて“越冬”ってやっているんだけど、そこ行ったことある?」
(路上生活者)「ない」
(東岡さん)「炊き出しもないもんね」
(東岡さん)
「炊き出しも何も行ってないから、そういう方にちょっと多めにあげたりしている」
年金を受けているため生活保護が受けられない
20年以上、路上生活をしているという80代の男性。
(東岡さん)「調子どう?肋骨折れたのどこ?」
(80代男性)「ここ2本折れた」
(東岡さん)「前も折れていたよね?」
(80代男性)「もうガタガタだよ」
けがや持病があり、病院に通い続けているという男性。支援団体の協力で年金を受け取っているため、生活保護も受けられない状態だといいます。
(東岡さん)
「年金があって年金の中で国民健康保険をちゃんと払って、病院行くのも国民健康保険で行っているが、そうすると自己負担が増えてきて自分で支払うのが大変。
厚生労働省などの調べでは、2025年1月時点での名古屋市内のホームレスの数は、過去最少の72人。約20年前と比べると20分の1以下まで減りました。
突然いなくなった高齢男性 いったいなにが?
その一方で、見回りを続けているとこんなケースも…
(東岡さん)「何か様子が違う…」
(野宿者を支援する会メンバー)「これ“撤退”しているわ」
(東岡さん)「いつもきれいにしているもんね。どっか行ったって感じ?」
(東岡さん)
「73歳の明るいおじいちゃんが、アルミ缶を一生懸命つぶして『一晩でこんなに取ったんだ』みたいな感じで自慢する明るいおじいさんが…」
Q.急にいなくなった?
「急にですね」
1か月前にはこの場所に住んでいた高齢の男性が、突然いなくなっていました。
空き缶の持ち去りが“窃盗”に⁉
実は、ホームレスの正確な人数は把握出来ていないのが現実です。
(東岡さん)
「コロナ禍でリストラの人が増えた時に、ちょっと見方が変わって“自分も解雇されてホームレスになるかもしれない”と心配をする人もちょっとは増えてきたと思う。家庭の問題や雇用の問題、偏見や差別で人が信じられなくなった問題。さまざまな問題がいっぱいあるので、日本全体の社会の問題ですね」
そして、ことし2026年には路上生活者を取り巻く環境に、大きな変化が待っています。
(東岡さん)「タケウチさんは今アルミ缶しているよね?」
(タケウチさん)「うん、やっているよ」
(東岡さん)「アルミ缶が取れなくなるかもしれないという話が出ている。10月から本格的に…」
(タケウチさん)「缶を持って行ったら窃盗みたいになる?」
名古屋市では条例で“持ち去り禁止”に
(名古屋市・広沢一郎市長 去年11月 名古屋市議会)
「名古屋市家庭廃棄物等の持ち去り防止に関する条例の制定」
昨年末、市長が提案し議会が可決した“家庭ごみの持ち去りを禁止する条例”。ことし4月1日に施行され、10月1日からは“勧告”や“命令”に従わない場合、違反者には50万円以下の罰金が科せられます。最大のターゲット、それは『アルミ缶』です。
(名古屋市 環境局作業課・河合幸樹課長補佐)
「令和3年(2021年)頃から、金属の市況価格が高騰してきて、それに伴ってアルミ缶だけでなく不燃ごみや粗大ごみなどの金属類を含む、ごみの持ち去りに関する通報件数が増えてきました。根本的に解決する必要があるというところで条例を制定する必要があると」
名古屋市では“5000万円相当”のアルミ缶が持ち去られている(2024年度)
アルミ缶の買取価格も10年前は1個換算で1円前後だったのが、今や5円近くと歴史的な高騰を見せています。こうした中、名古屋市では2024年度だけで推定300トンの空き缶が持ち去られました。金額にして少なくとも5000万円。
これは本来、市の財源になるはずだったというのが条例制定の理由。民間の組織的な持ち去りも問題となっていますが、路上生活者にとって空き缶拾いが「命綱」となる現実も。
名古屋市内の高架下に暮らす山田さん(仮名・54歳)。
(山田さん)
「生活保護受けていたんだけど、生活保護で生活できなかったので。ずっと部屋にいた時も仕事探していたけど、どこも採ってくれない。昼間はパチンコ店に行って時間つぶしていたので、そんなの毎日行っていたらお金がもつわけないじゃん。それで生活できなくなったので(アパートを)出た」
アルミ缶回収のみで生活する男性
以前は生活保護を受けていましたが、家賃が払えず1年前からホームレスに。現在はアルミ缶の回収だけで生計を立てています。
(山田さん)
「週に2回ぐらいはカレーうどんなので、結構飽きてきている。袋麺でもなるべく安い所で買っているので、1玉30円なんですよ」
回収は夜。
(山田さん)
「ちょっとありますね。これは程度がいいですね」
自転車で住宅街などを周り、ごみで出されているアルミ缶を回収していきます。大半は無断での持ち去り。
「10キロで2000円、なんとか自分で生きるために…」
しかし、中にはこんな場所も…
(山田さん)
「ここは(建物の)管理人に『入っていい』と言われたので。ちょうど来た時にごみを出しに来ていて『持っていっていいよ』と言われた」
約1時間半で、集めた缶の量は10キロほど。数にして600個以上。これを廃品業者に買い取ってもらいます。
(山田さん)
「10キロで2000円ぐらい。他人に頼っているわけではない。自分でなんとか生きるためにやっているという感じ」
「食べていく手段がない」
来る日も来る日もこれを続け、何とか暮らしている山田さん。住所のないホームレスでは生活保護を受けることは難しい中、空き缶拾いは自立していくギリギリの命綱となっている現実も。ことし施行される新たな条例については…
(山田さん)
「そんな(罰金)払えるわけないじゃんホームレスに。缶取っているのってホームレスばかりじゃないよ。一般の人間(業者)が缶を取っているのを取り締まってほしいよね。うちらは何もないので、缶だけで食っているので。
ごみとして捨てられたものは、それを回収する行政に所有権が移るとされていますが、行政の“財源確保”という正義と“生存権の保障”という現実がぶつかる中で、貧困対策の重要性がより浮かび上がってきます。
CBCテレビ「newsX(ニュースクロス)」2026年1月6日放送より

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