1970年代の名古屋市内の百貨店。非日常の娯楽を楽しむ場として親しまれ、かつて「小売りの王者」とも言われた百貨店が、いま大きな曲がり角に。
(流通アナリスト 渡辺広明さん)
「業態がちょっと役割を終えつつある。基本的にはターミナルの百貨店しか残らない」
全国の百貨店売り上げのピークは、今から30年以上も前の1991年で9兆7000億円。しかし、去年の売り上げは、5兆6000億円あまりにまで低下。また、全国の百貨店の店舗数も最多だった1999年から4割以上も減りました。
今では、郊外の大型ショッピングモールに加え、ネット通販など「電子商取引」に押されています。
東海地方で相次ぐ百貨店の閉店
影響は、東海地方でも…
2021年、売り上げ不振が続いていた「松坂屋豊田店」が閉店。2024年には、コロナ禍による売り上げ不振が打撃となった「名鉄百貨店一宮店」が閉店しました。
同じ年には、県内唯一の百貨店だった岐阜高島屋も、半世紀近くの営業を終え、岐阜県は「百貨店空白県」に。
(渡辺さん)
「一番大きいのは人口減。地方は特に車社会。郊外のショッピングモールに行くのがメジャー」
あえて“店の休みを増やす”百貨店
こうした中、生き残りを模索する地方の百貨店も。
静岡県浜松市にある「遠鉄百貨店」。浜松駅隣のこの百貨店では、地元のお店とコラボした商品を積極的に並べることで、地方の百貨店ならではの特色を打ち出しています。
三重県津市の「津松菱」は、あえて店の休みを増やすことで、常連客とお目当ての従業員が出会える確率を高めることに価値を見出しています。
(渡辺さん)
「電子商取引(EC)の品揃えが圧倒的に百貨店より多い。品揃えで百貨店がかなうことはもうない。顧客との接点は大事。百貨店は売り場にプロの販売する人がいる。気に入って買い物に来る人も。そこでうまくコミュニケーションをすることによって、一人一人の単価を上げるビジネスはあり」
百貨店という業態そのもののあり方が問われる中、名鉄百貨店は2月末に、約70年の歴史に幕を下ろします。

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