国民会議で検討が続いている、「食品消費税2年間ゼロ」。農家からは、悲鳴にも似た反発が上がっています。

経営を圧迫する、その影響とは。

実現に向け検討が続く、消費税減税。自民党などは、酒を除く飲食料品の消費税のみ2年限定でゼロにする政策を目指していますが…

(国民民主党 玉木雄一郎代表 2月25日 衆院本会議)
「農家や飲食店の経営者と話をしましたが、『食料品の消費税ゼロだけは絶対にやめてくれ』と強い反発の声をいただきました。還付を受けるまでの資金繰り対策として、どのようなことを考えているのか伺います」

“食品消費税ゼロ”に農家が悲鳴 「むしろ経営が苦しくなる」 ...の画像はこちら >>

一律5%減税を公約にしていた国民民主党からは、強い懸念の声が。これに対し、政府は…

(高市早苗総理 2月25日 衆院本会議)
「ご指摘いただいた諸課題については、十分認識をしております。今後、国民会議にご参加いただける野党の皆さまとも真摯に協議を行い、一つ一つ結論を得てまいります」

“食品消費税ゼロ”に農家が悲鳴 「むしろ経営が苦しくなる」 なぜ?自民党のキーマンを直撃すると…
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農家が反発する理由とは?

なぜ農家などが強く反発しているのか。実は食料品に携わる業者の多くが直面する問題があります。

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綺麗にサシが入った霜降りの黒毛和牛。生産するのは、三重県四日市市の「三重加藤牧場」。約1500頭の牛を飼育しています。

(三重加藤牧場 加藤勝三代表 3月10日)
「今まで負担せんでもよかったものを、負担せなあかんようになる。その負担がどれだけ経営に響いてくる」

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飼育経費 消費税負担は4000万円

不安の原因は、飼育の経費にかかってくる多額の消費税。

(三重加藤牧場 加藤文太さん)
Q.目の前にいる牛は生後何か月くらい?
「14か月くらい。生後10か月の時に子牛市場から買ってきた」
Q.1頭いくら?
「今は高くて70万円くらい。

(消費税は)7万円」

(大石邦彦アンカーマン)「ここにいる10頭で消費税70万円」

子牛の仕入れに、年間350万円の消費税。

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(加藤さん)
Q.エサはいくら?
「1キロ60円くらい」
Q.キロ単位で6円の消費税がかかる?
「そうです」

エサには年間180万円の消費税。

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そして、設備投資をすると…

(加藤さん)
Q.トラクターはいくら?
「2500万円くらい」

(大石)「これだけで消費税250万かかる」
(加藤さん)「とんでもないですね」

トラクター1台で250万円の消費税。

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“食品消費税ゼロ”で運転資金が逼迫

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去年の場合、仕入れで払った消費税は年間約4000万円。一方、肉の販売のたびに入る消費税は年間5600万円。既に経費で消費税を払っているため、4000万円は控除の対象になり、差し引き1600万円だけを納税することになります。

しかし、食料品の消費税がゼロになると、一時的にせよ5600万円の金が入らないことになり、当座の運転資金に困ります。

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還付は翌年度…それまで収支は“マイナス状態”に

経費で負担した消費税4000万円は還付を受けられますが、手間のかかる手続きをした上で、戻ってくるのは翌年度になってから。それまでずっと4000万円のマイナス状態が続くのです。

(加藤代表)
「売った物と払った物の(消費税の)差し引きで上手に回っていた物が、片一方(の消費税)が止まると負担になってくる。最終的には還付されますが、それまで立て替えて払わないといけない」

小規模農家は確実に収入源

お金の余裕がなくなる大規模農家に対し、小規模農家はもっと困ることになります。最大の農業団体、JAに聞くと…

(JAみえきた 水谷直登常務理事)
Q.食料品の消費税ゼロは生産者にとってプラス?
「どちらかというとマイナス。課税方式によって影響の度合いが違う。約8割が『免税事業者』。確定申告をにしない人たちに一番影響がある」

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三重加藤牧場のような大規模なところとは違い、年間売り上げが1000万円以下の小規模農家は、販売で入る消費税の納税が免除されます。

その代わり、経費で支払った消費税の還付はありません。このため、消費税がゼロになると、その分収入が減るだけになるのです。

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(水谷常務理事)
Q.どんな対策すればいい?
「確定申告をすれば、税金分の還付を受けられる」
Q.確定申告は手間
「アプリで簡単にはなっているものの、高齢の方などにとっては事務負担がかなり増える」
Q.JAとしては国にどんな要望をしている?
「免税事業者が簡単に還付してもらえる制度を」

自民党のキーマンに聞く「政策への課題」

農業関係者も困惑している「食品消費税ゼロ」。政策立案の責任者である、自民党の小林鷹之政調会長に伺いました。

“食品消費税ゼロ”に農家が悲鳴 「むしろ経営が苦しくなる」 なぜ?自民党のキーマンを直撃すると…
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(自民党 小林鷹之政調会長 3月19日)
Q.特に小規模農家が困るのではという話を聞いたが?
「免税事業者だと仕入れにかかる消費税を控除できないので、課税事業者になってもらう。その分、仕入れに払った消費税は還付を受けることになる。その還付はすぐに来るわけではなくて、時間がかかってしまうので、その間の資金繰りをどうするのか。還付のために申告をする場合、(手続きの)負担の課題がある。農家の方も不安に思われているので、どう乗り越えていくのかを国民会議の場で知恵を出し合っていく」

Q.「やっぱりやめます」はない?
「自民党としては、やりきる方向で進めていきたい。あくまで実現するために、今出てきた課題をどうやって乗り越えるのか考えていきたい」

「大規模」「小規模」に関わらず、新たな負担が発生することは予測しながらも、
その有効策はこれから考えるというのが現状です。総選挙の公約とし、実現を急ぐ「食料品の消費税ゼロ」。しかし、根本的な課題が積み残されています。

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