「ミスターマックス・ホールディングス」初の買収に向け専任体制へ、新規事業も視野に

九州を地盤にディスカウントストアを展開するミスターマックス・ホールディングス<8203>が、初の企業買収に向けた動きを具体化している。

これまでも食品スーパーなど複数のM&A案件を具体的に検討し、2025年9月時点ではM&Aや新規事業の検討に割く時間が増えてきたと説明していた。

2026年9月4日に発行した「統合報告書2026」では、2026年2月期にM&Aのターゲットを明確にし、対象企業をリスト化したことを明らかにしたほか、M&A専任体制への移行も示すなど、M&A戦略が具体化した。

金融機関とのネットワークや社外の知見を活用して案件発掘を進め、2027年2月期中のM&A実現を目指している。

2029年2月期に売上高2000億円を掲げる中期経営計画のもと、初の企業買収に向けた準備は次の段階に入ってきた。

関連記事はこちら
「ミスターマックス」初の企業買収に前向き 100周年を機にディスカウント以外の形態を模索

複数案件の検討から実現準備へ

同社は「統合報告書2026」で、2026年2月期にM&Aのターゲットを明確にし、対象企業をリスト化したことを明らかにしたほか、組織体制を大幅に見直してM&A専任体制に移行し、2027年2月期中のM&A実現を目指す方針を示した。

この1年前の2025年9月に発行した「統合報告書2025」では、ディスカウントストアという形態や店舗出店だけでなく、M&Aや新規事業の検討を進める必要があるとしていた。

外部企業との合弁会社設立や買収などを通じて、自社の知見や強みを生かしながらビジネスの幅を広げる方針を打ち出していたが、企業買収は実現しなかった。

今回、専任体制への移行と2027年2月期中というM&Aの実現目標を示したことで、初の企業買収に向けた準備は具体性を増した。

統合報告書2025では、2025年2月期~2029年2月期の中期経営計画で「M&Aおよび新規事業戦略」を成長戦略の一つに位置付け、M&Aによる規模拡大を掲げていた。

同報告書では、事業との親和性の高い提携や新規事業の開拓を視野に入れた中長期的なビジネスの拡大を検討していると説明した。

新規案件が増え、M&Aや新規事業の検討に割く時間が増えてきたことも明らかにしていた。

M&Aでは既存ビジネスの強化と市場シェアの拡大に加え、新規事業の展開による多角化を進める方針を示し、シナジーを生かして顧客満足度の向上や効率的な運営につなげる考えだった。

これに対し統合報告書2026では、初の企業買収に向けた動きをさらに具体化させた。

M&Aのターゲットを明確にしたうえで対象企業をリスト化(対象企業名は明らかにしていない)した。

M&A戦略では、同社の出店エリアでシナジーを発揮するパートナーを基準に検討している。

組織面でもM&Aに取り組む体制を大幅に見直し、専任体制に移行したほか、金融機関とのネットワークや社外の知見も活用し、案件発掘を進める。

同社はこうした体制のもと、2027年2月期中のM&A実現を目指すとしている。

2025年時点では複数案件を検討する段階だったが、対象企業のリスト化や専任体制への移行など、初の企業買収に向けた準備は次の段階に入ったといえる。

「おかしばっかし」で外部企業との資本連携が先行

同社は2026年12月に、子会社ミスターマックスが運営する菓子専門店「おかしばっかし」事業を会社分割で新設会社に承継させ、新設会社の全株式を取得し、このうち51%を菓子卸の外林(広島県福山市)に譲渡する予定だ。

譲渡後のミスターマックス・ホールディングスの保有割合は49%となり、外林との共同運営に切り替える。

外林はミスターマックス・ホールディングスグループと菓子の仕入れ取引がある企業で、新設会社では外林が商品供給を担い、店舗運営にはミスターマックス・ホールディングスグループのノウハウを活用する。

この案件は企業買収ではないものの、統合報告書2025で掲げた外部企業との連携によってビジネスの幅を広げるとの方針に沿った取り組みが具体化した形だ。

売上高2000億円目標、M&Aで規模拡大

2026年2月期の営業収益は1476億8400万円(前年度比8.1%増)、営業利益は44億4500万円(同16.3%増)だった。

同社は製品・サービス別の売上高を、食品、HBC(ヘルス&ビューティーケア)、家電、ライフスタイル、ホームリビング、アパレルの6区分で開示しており、その合計は1425億2300万円で、2026年2月期の営業収益の96.5%を占めた。

この6区分の売上高合計を100%とした構成比は、食品が39.6%と最も高く、HBCが19.4%、家電が14.2%、ライフスタイルが13.2%、ホームリビングが8.8%、アパレルが4.8%だった。

「ミスターマックス・ホールディングス」初の買収に向け専任体制へ、新規事業も視野に
ミスターマックス・ホールディングスの2026年2月期の製品・サービス別売上高構成比

同社は2029年2月期に売上高2000億円、営業利益率5%を目標に掲げ、店舗出店、オムニチャネル、M&Aおよび新規事業戦略の三つを成長戦略に位置付けている。

M&Aおよび新規事業戦略では「M&Aによる規模拡大」を掲げる。

2026年4月の決算説明会では、M&A・新規事業拡大の進捗評価を「×」とし、複数案件を検討中としていた。

2029年2月期に売上高2000億円を掲げる中、初の企業買収が実現すれば、M&Aによる規模拡大を具体化する一歩となる。

文:M&A Online記者 松本亮一

【M&A速報、コラムを日々配信!】
X(旧Twitter)で情報を受け取るにはここをクリック

【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック

編集部おすすめ