―[佐藤優のインテリジェンス人生相談]―

“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、読者の悩みに答える!今回は、2人目の子供をつくるかどうかで妻と意見が割れている35歳男性からの相談。世の中の情報や自分の考えにとらわれず、夫婦でこの問題を考えるために、佐藤氏が示した視点とは?

2人目の子供をつくるか否かで、妻と衝突してます

★相談者★ 太郎(ペンネーム)医師 35歳 男性

 2人目をつくるかどうかについて、妻と意見が違い悩んでいます。昨年5月に第1子(長女)が誕生しました。
子育ては楽しいですが、子供が生まれる前と比べ、大変なことは増えました。今年で私が36歳、妻は35歳になります。長女は、人工授精で生まれました。自分は子供は1人でいいと思いますが、妻は一人っ子はかわいそうなので、2人目を考えたいと話しています。子供が多いほうが、女性の幸福度が低下するというデータを見たことがあります。また、恥ずかしながら、自分のキャパシティからは子供は1人がいいと考えてしまいます。私の考えは親の都合を優先しているのかもしれません。どのように考えればいいでしょうか?

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佐藤優の回答

 パートナーとよく話し合われて結論を出すことが重要です。その際に重要なのは、世の中で流布されている情報に振り回されないことです。クリエイティブコンサルタントの水野学氏がこんなことを述べています。

〈本質をつかむ、という意味ではもう一点、「疑ってみる」ことの大切さがあると感じています。(中略)それが案外、解決の早道になったりするのです。
(中略)親に言われたことや友人に言われたこと、またメディアで報じられたことなどを、それだけが真実だとすんなり受け入れてしまう。もっといえば、自分が思っていることも、間違いなく正しいと思っている。そうなると、見える景色はだいぶ狭まってしまいます。〉(『もう、時間に追われない 逆算時間術』103~104頁)

 例えば、あなたは「子供が多いほうが、女性の幸福度が低下するというデータを見たことがあります」「自分のキャパシティからは子供は1人がいいと考えてしまいます」と書かれていますが、そういう発想を一旦、括弧に入れて、ゼロから考え直していくことです。あなたの配偶者が何を幸せと考えているのか、よく話し合ってみる必要があります。

 例えば、子供が中学受験をする場合は9~12歳にかけて、子供に張りつかなくてはならなくなります。そうすると、配偶者もあなたと同様に医師である場合、自分の研究ができなくなり、将来のキャリアにマイナスになる可能性が出てきます。ですから、大学病院で准教授、教授というキャリアを得ることが幸せと感じている人の場合、子供が多いと幸福度が下がるかもしれません。配偶者が医学者としてのキャリアを目指すのではなく、非常勤の勤務医として子育てを優先することを考えているのならば、子供の数が多いほうが幸せということになるでしょう。

 また、経済的制約条件についても考えておく必要があります。あなたは医師なので高収入だと思います。ただし、子供が私大の医学部に進むことを想定するならば、6年間で5000万円程度の出費を覚悟しなくてはなりません。
子供が2人ならば2倍の1億円です。このあたりについても、配偶者とよく話してみたらいいと思います。

 実を言うと、子供が1人か複数かということは本質的問題ではないと思います。どのように育てるのが子供にとって幸せであるかを夫婦でよく考え、それに経済的制約条件を考慮すれば、この問題について、おのずから結論は出ると思います。勇気を持ってパートナーと踏み込んだ話をすることをお勧めします。

★今週の教訓……子の数より、子の幸せと育て方を考えましょう

「2人目をつくるべき?」妻と意見が割れた35歳男性に、佐藤優が説いた“子供の数より大切なこと”
時間に追われず、最短で結果を出す方法とは? ヒット―メーカーで多忙を極めるはずの著者が、人生・仕事・生活などと時間との折り合いの付け方を解説。’26年刊
※今週の参考文献 『もう、時間に追われない 逆算時間術』水野学 ダイヤモンド社

―[佐藤優のインテリジェンス人生相談]―

【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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