
コロナ禍の中、感染リスクが低いスポーツとして関心が高まっているゴルフで、さまざまな熱中症対策が現れてきた。
全国で146カ所のゴルフ場を運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)、全国で18のゴルフコースを運営する太平洋クラブ(東京都千代田区)、アパレル事業を手がけるジュン(東京都港区)の3社が、相次いで熱中症対策のサービスや商品を公表した。
いくら感染のリスクが低くても、熱中症になってしまっては、意味がない。どのような対策があるのか。
カートに送風機を設置
PGMは2022年8月から、送風機付きゴルフカート「Cool Cart」(クールカート)を順次導入する。PGMの親会社である平和<6412>と共同開発した送風機を4台までカートに設置できる。
送風機は直接、上半身全体に吹き付けられるように設置しており、風向きの調整もできる。利用料金は有料(通常コースは1台につき1ラウンド700円)という。
合わせてカートにはクーラーボックスも設置しており、ドリンク、おしぼり、ミストスプレーボトルなども利用できる。
8月にハイグレードゴルフ場ブランドの「GRAND PGM」の関東10コースと「PGMゴルフリゾート沖縄」「KOSHIGAYA GOLF CLUB」からはじめ、9月上旬に全国50コースで運用を始める。

フェアウエイに乗り入れ
太平洋クラブは、御殿場ウエスト(静岡県御殿場市)や六甲コース(兵庫県三木市)など10コースで夏季(概ね7月-9月の3カ月間)の間、乗用カートのフェアウエイへの乗り入れを実施する。
大半はキャディ付きのみでの運用だが、御殿場ウエストと八千代コースなどではセルフプレーにも対応する。
同クラブでは全コース(軽井沢リゾート、白河リゾート除く)で、熱中症防止などの効果を考慮して、夏季の期間のプレイは1ラウンドに制限している。
汗をかくと涼しくなる素材を採用
ジュンは、同社が運営するゴルフウエアブランド「JUN&ROPE’(ジュン アンド ロペ)」から、リベルタ<4935>が開発した、着るだけで涼しく汗をかくともっと涼しくなる素材「氷撃」を用いたゴルフウエアを発売した。
「氷撃」は、生地裏全面に、エリスリトール、キシリトールといった吸熱成分を含有した冷感プリントを加工し、皮膚から発生する汗を吸収すると生地温度が下がり、さらに風を受けると、より強く冷感を感じられるという。冷感だけでなく、吸水速乾や抗菌消臭、UV(紫外線)カット効果もある
モックネックタイプのシャツと、ポロシャツのほかアームカーバーやファイスカバー、衣類用冷感ミストスプレーなども揃えた。

文:M&A Online編集部