
外食中堅のヴィア・ホールディングス(HD)<7918>は、1店舗当たりの利益率を上げる「戦略的縮小型成長モデル」戦略を進めるとともに「M&A」を積極的に推進する。
コロナ禍で業績が悪化し、近年は業績立て直しに注力してきたが、黒字化を果たし、ファンドのグロースパートナーズ(東京都目黒区)の支援が決まったことから、再成長フェーズに歩を進めることにした。
新ビジネスモデルへの転換と投資を推進
ヴィア・HDは焼き鳥居酒屋「備長扇屋」、炭火串焼き専門店「日本橋紅とん」、刺身居酒屋「魚や一丁」、地域密着型の総合居酒屋「いちげん」、イタリアレストラン「パステル」など多業態を展開することで、業容を拡大してきた。
ただ2019年3月期は居酒屋業態の競争激化などの影響で減収となったところに、人件費の上昇なども加わり、営業赤字に転落。
その後コロナ禍の影響などで2020年3月期から2023年3月期までは営業赤字が続き、この間2021年に事業再生ADR(特定認証紛争解決手続)による再生計画を策定した。
この事業再生計画に沿って本部コストの削減、メニューの改定、食材ロスの低減、店舗の営業オペレーション見直しなどに取り組んだ結果、2024年3月期は6期ぶりの営業黒字を実現。
2025年3月期は2期連続の営業黒字を達成し、2026年3月期は売上高177億2000万円(前年度比2.0%増)、営業利益3億1000万円(同56.0%増)と一段の増収営業増益を見込む。
そうした状況の中、同社では今後3年間(2026年3月期~2028年3月期)を「新ビジネスモデルへの大胆な転換と投資」の時期と位置づけ、再生フェーズから再成長フェーズに切り替えることにした。

収益性の高い業態を出店
一方、グロースパートナーズは投資だけでなく、経営に積極的に関与するハンズオン支援事業を手がけており、2025年8月13日にヴィア・HDの第三者割当を引き受けるとともに、成長に向けた施策の立案と実行支援を行うことことで、事業提携契約を結んだ。
「戦略的縮小型成長モデル」戦略は、店舗数が減少しても1店舗当たりの利益率を上げていく取り組みで、収益性が低く不採算の店舗は撤退し、客数確保ができる好立地に、収益性の高い業態の出店を進める。
「M&A」はグロースパートナーズのノウハウを活用し、事業戦略に沿って収益性の高い業態などを対象に候補企業を探索する。
グロースパートナーズからは30億円を調達し、このうち出店に4億円、M&Aに18億円を投じる計画だ。
ヴィア・HDでは「積極的なM&Aや海外開発力の構築を重要施策に位置付けている」としている。
なるか10年ぶりのM&A
ヴィア・HDは1934年に東京で新開社活版印刷所を開業したのが前身。2001年に焼き鳥居酒屋チェーン「備長扇屋」のフランチャイズ1号店を開店し、外食事業に参入した。
その後、2004年に扇屋コーポレーションの株式と、エンゼルフードシステムズ(現 フードリーム)の株式を取得。
さらに2005年にウィルコーポレーション(現 一丁)を、2007年に紅とん、一源を、2011年にR&C(現 一丁)を次々を傘下に収め、2013年には祖業である印刷事業を譲渡し、外食サービス専業になった。
直近では2015年にイタリアンレストラン「パステル」事業を譲受し、デザート関連のノウハウを取り込んでいる。
このあとM&Aから遠ざかっており、グロースパートナーズの支援でM&Aが早期に成立すれば、およそ10年ぶりのこととなる。
文:M&A Online記者 松本亮一
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